二番煎じな内容が多いです。
門出ノ章
空欄の場合は「納豆」になります。
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「平和だあー……」
チュンチュンと鳥が
私は完全にだらけモードだった。もうここ何年も鍛錬・鍛錬・鍛錬の日々鍛錬漬けの毎日だったからここまで解放された日なんてこれからまたやってくるのかも怪しい。きっと休みの日でも鍛錬しなきゃ体が訛っちゃうじゃん?ただでさえ女ってだけで男とは差がついちゃうんだから、安静にしてろと言われない限りは毎日鍛錬を続けることになる。
実際、男と女の体ってどのくらい違うんだろう。力とか筋力とか。体験してみたい〜。
縁側にゴロンっと寝っ転がり、左右にゴロゴロと寝返りを打つ。ほどよくヒンヤリとした床が気持ちいい。村を出る前はほぼ毎日こんな風に過ごしてたんだよね。そう考えると私は毎日かなりだらけた生活をしていたのではないかと今更気がついた。いやでも母と父は「いいねぇ〜」と言って特に叱ってくる訳でもなかったから何とも思わず過ごしてたんだけど……。もしかして、あの親はかなり子供に甘いのでは…?(正解)
思い返してみても私はかなり親不孝なことをしてきてしまったなと思う。親からしてみたら朝起きて一枚の紙切れに実の子供の直筆で一言書かれてあるだけのものを残して子供に居なくなられたら驚くこと以外できないだろう。どうしているのかな、今。私のことを探したりしてるのかな。でももういなくなってから二年以上経っている訳だし、さすがにもう諦めたかもしれない。私からすれば諦めてくれた方が好都合だけど。
それにしてもあの村から随分遠く離れた所まで来てしまった。親に守られながら生きている時は自分一人でこんなことするだなんて考えたことも無かったのに。それができてしまったのも私の人生が二度目だったからか。さすがに肝が据わりすぎた。あの最終選別の帰り際に炭治郎には前世の話をすることができたけど、師範にはこのことを伝えられていない。やっぱり……伝えるべきかな。炭治郎には伝えておいてお世話になった師範には伝えていないなんて失礼だよね。なら手紙を書こう。それで日を置いてから師範の家に行こう。そこで改めて前世の話をする。うん、そうしよう!
そして色々と落ち着いたら……一度、村に帰ってみようかなぁ。親に会うとかはできないかもだけど様子を見るくらいだったら……。今、両親にあったら確実にビンタされる。されない方がおかしいか。きっと泣かれる。大泣きされるに違いない。あの両親はそういう人達だ。
……謝っても謝りきれないや。
夜になった。お婆さんにご飯の前にお風呂に行くことを勧められたので言われるがままに私は先にお風呂に入った。お風呂から上がるとまた着心地の良い服を用意されており、有難くそれを着させてもらう。気分はまるで旅館にでも来ているみたい。お風呂も変わらずいい湯加減だったし最高だ〜と部屋までの道を歩いていた時のことだ。
何やらガヤガヤととても騒がしい人達がいることに気がついた。視界に映っているわけでは無いのだが、とある一室からその人達の騒がしい声が聞こえているのだ。どうやら他にも鬼狩りの人が泊まりに来たらしい。多分声の数からして三人組だと思う。
いやーそれにしても偶然かな、かなぁ〜〜〜り聞き覚えのある声がすごい聞こえてくるんですけども。しかもなんだか凄く嫌な予感もするなあ〜〜〜。私はまだ旅館気分でいたいんだけどなあ〜〜〜!!
私はその聞き覚えのある声が誰の声か分かってしまった。そして今から私も騒がしい中に巻き込まれるんだろうな……と悟った瞬間、騒がしいその一室の扉がスパンッ!と物凄い速さと勢いで開かれた。お、おっふ……。
「納豆ぢゃあ゙あ゙ぁ゙あ゙ん゙!!!こんな所で会えるなんてやっぱり俺達って運命の赤い糸でむすばれぼあぶうッ!?」
「!?」
「やめろ善逸!!納豆が居て嬉しいのは分かるが飛びつくなっ!!!」
「あ、炭治ろ」
「紋次郎ー!!俺と勝負しろ!!!」
「ん゙!?あの時の猪あた」
「ちょっと止めろ伊之助!今お前は怪我をしているんだから安静にしなければいけないだろう!?」
「はあぁああ♡♡♡やっぱり可愛いなあ納豆ちゃん♡♡」
「勝負しろって言ってるだろうが!!」
「だからもう止めろ二人とも!!!」
「……」
くるりと後ろを向く。
「あれ?どうしたの納豆ちゃん??」
「どうたんだ納豆?」
「んだよこのヒョロっちいの」
ほら、こういうのはさ。
「逃げるが勝ち」って……言うじゃん?
私は床を蹴り、彼らから逃げ出した。
しかし……
「ハハハッ!!お前が逃げる前に俺が捕まえてやったぜえ!つまり俺はお前より強い!分かったかヒョロっちい
「雌って言い方止めてよ!」
「あ゙?めんどくせぇな…文句あんのかよ」
「文句しか無いですけど!?」
「じゃあ
「いや性別超えてどうすんだよ!?!?」
あの猪頭さんに服の襟元をガシッと掴まれてしまい、私の逃亡劇は一秒にも満たなかった。というかこの人あの最終選別で私のことを追いかけ回したあの猪頭の人だよね声的に。あと考え方があの時か完全に同じだ……。今は猪頭を脱いでいるから彼の素顔が出ているんだけど…顔が良すぎませんか!?!?え!?何この美少女!!!女の子じゃん!!でも体はムキムキだし!?女の子より女の子ってなにそれズルい!
地味にこの猪頭君に対して醜い嫉妬をしてしまった。私もこんな美少女に生まれたかったよ…。
「こら納豆!人の顔みて逃げ出すなんて良くないぞ!」
「だってこんなの逃げるしかないじゃん……」
「え、どうしてだ?」
「いや分からないんだったら仕方ないよ……。うん、ごめん逃げ出して」
これは何を言っても無駄だと察した私は余計なことを言うのは諦め、素直に謝る。炭治郎達はそんな私が不思議で仕方がないのか首を傾げているが、これ以上私が何か言うことは無いと思ったのか特に何も言ってはこない。
「それにしても炭治郎達は今ここに来たの?」
「あぁ。たまたま任務先で二人に会ってな!それから怪我を治す為にここに来たんだ。納豆もそんな感じか?」
「うん。大体そんな感じだよ。私も昨日来たばかりだけど」
「怪我は大丈夫そうか??」
「わりと平気。ちょっと骨折ったくらいだから」
「偶然だな〜。俺達三人も骨を折ってしまって……」
「俺は鬼にじゃなくて伊之助に折られたんだけどね!?!?」
「え、それ大丈夫?隊律違反にならない?」
「いや多分駄目」
ギッ!と恨みをたっぷり込めた目で猪頭…もとい、伊之助を睨みつける善逸。睨まれている当の本人はさして気にもとめていない様子でキョトンとしている。そして善逸に向かって「やんのかこの弱味噌!!」と威嚇する。伊之助は野生児だからか知らないけど、ガンを飛ばされると逆にガンを飛ばしてしまうらしい。炭治郎、善逸の話によるとここに来るまでにも何回か伊之助に突進されたりして大変だったとか。突進って……皆骨折ってるのに元気だなあ。
「納豆はもうご飯は食べたのか?俺達はこれからなんだが、まだだったら一緒に食べないか?」
「あ゙!それ良いねえ!!!俺も納豆ちゃんと一緒に食べたいなあ♡」
「私もご飯はまだ食べてないよ。皆が良ければ一緒に食べたいな!」
「この雌も一緒なのか?」
「そうだぞ伊之助〜。あとこの子は雌じゃなくて納豆って言うんだぞ!」
「そうだそうだ!納豆ちゃんの名前を間違えるんじゃねえよ!」
「あ゙ぁ゙ん゙?」
「ひぃ!!!」
「……じゃあお婆さんにお願いして皆の部屋にご飯持ってきてもらうね」
「分かった!」
「ちょっと行ってく──」
「既にお部屋に皆様のお食事をお運びしております」
「「「「うわぁああああ!!!」」」」
突如背後に現れたお婆さんに私達は驚きのあまり盛大に飛び跳ねた。
やっぱりこのお婆さん……只者じゃないや。