二番煎じな内容が多いです。
門出ノ章
空欄の場合は「納豆」になります。
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ズバッ、と肉を斬った手応え。私達に飛びかかってきた鬼の数は全部で5体。私が斬ったのは1体。恋柱様が斬ったのは2体。残りの2体は私達の攻撃が届く直前に身を翻し、回避した。残った2体の内、1体は十二鬼月。もう1体は十二鬼月では無いが十二鬼月に限りなく近い力を持っていることが気配から読み取れる。恋柱様なら楽勝かもしれないけど私が倒すとなると難しい。最初の任務で戦った鬼よりも遥かに強い鬼達の気配に、私は尻込みしてしまう。
「納豆ちゃん、そっちの鬼を頼んでもいいかな?」
「はい……分かりました。攻撃の邪魔にならないようにできるだけ距離をとります」
「えぇ、お願い!」
恋柱様が動き出したのに合わせて私も動き出す。十二鬼月ではない方の鬼に向かう。その鬼は私を見るなり顔をしかめて「雑魚の方が相手か……」と残念そうに呟いた。その言葉にムカついてしまい、つい挑発するかのように「
ビキッと額に青筋を浮かべた鬼が何の合図もなしに飛びかかってくる。飛びかかる鬼を刀で弾く。良い感じに私に集中してくれたようだ。
私は恋柱様と距離をとるために走り出す。勿論、後ろから鬼も追いかけてくる。この鬼を一人で倒せなかったとしても、せめて恋柱様があの鬼を倒して援護に駆けつけてくるまで持ちこたえなければならない。
引き付けるためにあんな大口叩いたけど、本気でこの鬼は強い。正直私の方が弱いかもしれない。この状況で一番困るのは他でもない私だ。
「仕方がない……。お前を殺してからあの女を始末しに行くとしよう」
「いえ……私がここで貴方を倒すのでそれは無理です」
「俺より弱いお前が、俺を倒すことはできない」
「さあ?どうでしょう?」
少しの沈黙。
「グ、ぁ゛ッ……!」
叩きつけられた衝撃で背骨が軋む。
あ、これ、絶対折れたわ。骨折るとか初めての経験だよふざけんな!!!めっちゃくちゃ痛いんですけど!?全く痛みが引かないんだけど!?!?
地面に手をつき、ふらつきながら立ち上がると鬼が馬鹿にするかのようにフンッと鼻で笑う。
「今のも避けられないような奴が俺を倒す?笑わせるな。お前の未来はここで俺に殺されるの一択のみ。無様に地に這いつくばりながら死ね」
「口が……悪いですね……っ!」
「安心しろ。俺より弱い相手にだけだ」
「それじゃあ今のうちに…っ、私のことも敬っておいた方がいいですよ!」
「
考えろ考えろ考えろ考えろ!!!今吹き飛ばされたのはどうして!?相手の血鬼術?でもそんな素振りは見えなかった。ということは一瞬で使える血鬼術……?
相手は完全に私を舐め腐っている。だとしたらその隙をつくしか私に勝ち目はない…。恋柱様も頑張っている。だなら私も頑張らないと……!じゃないと、炭治郎や禰豆子ちゃんにまた会えなくなっちゃう。あとついでに善逸も。本心で無かったとは言え、善逸にあんなことを言ってしまった手前、こんなところでくたばる訳にはいかないんだ。ちゃんと善逸が強くなったところを見なきゃ。
「藤の呼吸 壱ノ型
一気に鬼との距離を詰め、五連続で斬り込む。この技の上限は八連撃だから五連撃というのはまだ斬り込めていない方。師範からもっと脇を締めて踏み込め、と叱られたっけ。
上手く斬り込めたのか鬼の右腕が肘より上の辺りからブツリと切れて地に落ちる。鬼が苦しそうに小さく唸ると、さっきのように鳩尾に痛みを感じ、後ろに弾き飛ばされた。
これは……もしかして……。
「貴方の血鬼術は回りの物を反発させるんですか?」
「!」
「自分を中心として、中心に近づけば近づくほど反発の力は強くなる。……違いますか?」
「……当たりだ小娘。さすがに今のではバレるか。
「単純に頭が弱いだけなんじゃないですかねー?」
攻撃が見えない訳だよ……。元々見えるものじゃないんだから。でも単純にこの血鬼術は厄介だ。隙をつけば今のように近づけるかもしれないけど、今の攻撃で相手は完全にこっちを警戒している。少しでも動くようならすぐに反発されて弾き飛ばされてしまう。どうするべにか。
この鬼は確かに強いけど、少しでも揺さぶられるとすぐにボロを出すタイプかもしれない。もしも本当にそうだとしたら私にも十分に勝ち目がある。
「……貴方あれでしょ。強い人の影に隠れて、その人の
私の言葉に鬼の目付きが一気に変わった。
「…るさいうるさいうるさい!!!!何が悪い!?強い者の影に隠れて生きることの何が悪い!?!?お前達のような半端な正義感を振り回した奴等が俺は一番気に食わないんだッ!!お前らが下手なことをするせいで
相当怒っているのか鬼の血管から血が吹き出し、握りしめたその拳からはブシャッと血飛沫が出ている。
……嗚呼、この
自由に生きられない人生こそ可哀想なものはない。自分の存在意義を見出だせなくなるからだ。きっとこの人はそうだったんだ。
本当はその生き方に誰よりも自分が一番絶望しているのに。どうしてこうなってしまったんだろう。どうしてこうなってしまっても尚、鬼として生き続けていたいと思うのか。
……駄目だ。この人は、このままにしてはいけない。いつか押さえに押さえつけた気持ちが爆発してしまう時が来る。
沢山の人を食べたことは少しも許されることはない。失われた人の命は帰ることはないから。だから斬らなければ。この
これは私の一方的なエゴにすぎない。お節介だと師範に言われてしまうかもしれない。それでも鬼は、昔は私達と同じ人だったのだから。同情することぐらい……許してください。
「藤の呼吸 参ノ型
まず、この技で鬼との距離を一瞬にして詰める。だがまだ刀は振るわない。
そして鬼の血鬼術によって再び弾き飛ばされる。この血鬼術は『中心に近づくほど反発の力は強くなる』もの。その性質を利用する。
勢いよく木へと飛ばされる過程で私は体制を入れ替え、木へぶつかるのではなく、
────刀を握り方をカチャリと持ち変え…
「藤の呼吸 陸ノ型
鬼の頚を──斬った。