二番煎じな内容が多いです。
門出ノ章
空欄の場合は「納豆」になります。
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日中の間に恋柱様とご飯を済ませてしまい、日が暮れてから私達は山へと向かった。恋柱様は見た目から考えられないような量を食べる方だったようで、最初はそのギャップに驚いて固まってしまったが、美味しそうに食べている恋柱様を見ていたら食べる量なんて人それぞれだしどうでもよくなってしまった。ただ一つ思うことがあるが、よくそんなに食べているのに細いままでいられるんだろう。栄養が全て胸に行っているのか。むしろそうとしか考えられない……。
恋柱様に凄くお尋ねしたかったけれど、デリケートな問題だったら失礼になるのでそれは胸の内に秘めておくことにした。
「よし行くわよー!」と、気合い十分な恋柱様。これから十二鬼月と戦うのだと思うと私は心臓が持たないというのに。これも経験の差というものなのか。十分な実力があるから物怖じせず戦いに行けるのかな?
いずれにせよ、柱の方にその疑問を聞いたとしても「それは自分が柱だから」という答えしか返ってこないような気がした。
「報告によるとこの辺りなんだけど……」
「確かに鬼の気配がしますね」
「えぇ、でも姿が見えないわ……」
山に入ってから隊士から報告のあった場所まで走ってきたのだが、さすが柱というだけあって恋柱様は尋常じゃないほど速かった。全く追い付けない。十メートル程後ろにギリギリついて走ることが精一杯。もうこの時点で実力の差が浮き彫りになっている。
今日約半日一緒にいて気がついたのだが、恋柱様は一日中全集中の呼吸をしていた。きっとこれが師範の言っていた『常中』というもの。確かにこれは……常中を身に付けている者と身に付けていない者との差はかなり大きい……。まず速さから違う。多分、戦闘になれば他にも違いが分かるだろうけど……。
そんなこんなで報告のあった場所に着くとその辺りは不自然なくらいに回りの木が傷だらけになっており、地面もあちらこちらが抉れていた。ここで鬼と隊士の人が交戦したということが明らかだった。この惨状から察するに、かなりの数の人がここに来たんだろうけどそれでも鬼が倒されていないということは、そういうことだろう。
恋柱様も同じようなことを考えているのか、綺麗な顔が険しい顔つきになっている。ここで亡くなってしまった人達のためにも必ずここにいる鬼を倒さなくてはいけない。
この山から感じる鬼の気配は一体だけではない。一際強い気配の鬼が一体(恐らく報告にあった十二鬼月)と他にも少し強めの三・四体程の鬼の気配も感じる。十二鬼月を相手にしているときに他の鬼に来られたら大変だ。その場合は一度恋柱様から離れて私が他の鬼を引き連れて離れるしかない。数も多いし、雑魚というには強いし、少し…というかかなり苦戦するだろうけど恋柱様が十二鬼月を討つ為には私も万が一に備えて心構えしておかなければならない。
「──……納豆ちゃん、構えて」
ふいに恋柱様が刀の
……いる。私達を取り囲むようにして全方位から
「納豆ちゃん、鬼が一斉に襲いかかってきたらお互い技を出して攻撃を防ぎましょう。広範囲向きか、または、複数の相手向きの技はある?」
「……はい、あります」
「良かったぁ……。合図…はいらなそうね。納豆ちゃんはちゃんと分かっているみたいだから」
「……?」
あと鬼まで大体ニ十メートル。
恋柱様は私にニコリと微笑むと私に背を向けて刀を抜く。それに合わせて私も恋柱様に背を向けて刀を抜き、構える。
……十メートル。
……五メートル。
……三メートル。
来た。
「恋の呼吸 参ノ型
「藤の呼吸 弐ノ型
鬼の姿が現れた瞬間、私達は同時に技を放った。