二番煎じな内容が多いです。
門出ノ章
空欄の場合は「納豆」になります。
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「納豆!納豆!次ハ合同任務!南南西ニ向カエー!」
「合同任務……?」
休む間もなく豆太郎から告げられた次の任務。今度は一人ではなく合同らしい。一人で任務に当たるよりは二人以上の方が安心できるから少し嬉しかったり。相手は誰だろう。炭治郎とかだと嬉しいけどそんな都合の良いことは起こらないだろうし……。やっぱり手練れの人とかかな。鬼殺隊の先輩とか見たことないし実力がどれほどなのかが気になる。
相手を待たせてはいけないと思い、私は走り出した。
「豆太郎、この辺りだよね?」
「ソウダ!至急
「分かっ…………ん…?柱……?」
『柱』。その言葉を聞いて私は固まってしまった。師範の話の中に散々出てきた言葉。鬼殺隊の中で最も位が高く、強い人達。かつて師範がその地位を目指していたが結果的には辿り着けなかったところ。
まさか、二回目の任務で柱の人と同じになるなんて全く考えてもいなかった。きっと柱は厳格でちょっと怖そうな人なんだろうな。私に実力が無さすぎて怒鳴られないといいけど……。
勝手な妄想を膨らませてしまい、胃がキリキリと痛んだ。
「柱ニハ失礼ノナイヨウニシロ!」
「うん。……私、大丈夫かな」
「納豆ハマダ弱イ!柱ヲミテ学ベ!」
「しょ、精進します…」
豆太郎のごもっともな言葉に素直に頷き、柱との合流を急ぐ。コッチダ!と豆太郎が先導するのを頼りに私も進む。
柱の人……。体格が良くて……目付きが鋭くて……筋肉があって……無口で……。なんなら髭も生えてたり……。ぽやぽや~と、頭の中で柱像が形成されていく。
「納豆!アノ方ガ柱ダ!!」
ほら、とても
「あら!貴女が神崎納豆ちゃんかしら?すごぉーーく可愛い!キュンキュンしちゃうわぁ♡」
…………
え?
そこには
「え、っと……柱の方ですよね?よろしくお願いします……?」
「えぇ、恋柱の甘露寺蜜璃よ!よろしくね納豆ちゃん!」
「……はい!!!」
ニコニコと綺麗に微笑む恋柱様。髪色がこれまた珍しく、桜餅のような色合いをしている。その端整な顔立ちで微笑まれたらあっという間に胸を撃ち抜かれてしまいそう。しかし最も気になる部分は顔や髪よりも下の方にある……うん、女性の象徴とも言えるアレですよ……。それはもうご立派アレが胸元に二つぶら下がっている。う、羨ましい……!!!!
自分の胸元を見下ろすと、恋柱様との大きさの違いに絶望してしまった。
「納豆ちゃんの隊服は上は皆と変わらないけど、下がスカートになっているのね!私とお揃いで嬉しいわ!」
「そ、そうですね……。恋柱様の上は……その……大胆ですね……!」
「キャーッ!♡照れてる納豆ちゃんも可愛いわ!!!」
その時なんとなく察してしまった。
『あっ、この人わりと何でも「可愛い」って言っちゃうタイプの人だ』……と。
「あ、それと恋柱様はやめてちょうだい!蜜璃って呼んで欲しいわ!」
「え……しかし、柱の方をそのように呼ぶのは……」
「私が納豆ちゃんにそう呼んでほしいの……。それじゃあ駄目だったかしら……?」
「ん"ッ……!!!」
恋柱様のうるうるとした瞳に見つめられてしまい、私の理性が揺らぐ。呼んであげたいけど……豆太郎にも失礼の無いようにと言われているし、あまり気安く接してしまうと他の柱の方から反感を買ってしまうかもしれない。ここは冷静に考えてもなんとか「恋柱様」で通すしかない。
「すみません……。やっぱり私にはまだ早いと言いますか……」
「だったらっ、私と仲良くなれたら蜜璃って呼んでくれるの?」
「へっ!?」
「きっとそういうことよね……!なら私、頑張らなくっちゃ!!」
「こ、恋柱様ァ!?」
「待っててね、納豆ちゃん!!!」
ふんっ!と意気込んだ(可愛い)恋柱様はいきなり私の手をとると、「そろそろ任務にあたりましょう!」と言って走り出した。
えっと……なぜか恋柱様に気に入られてしまったみたいです……?
一連の流れを頭上で見ていた豆太郎が「媚ビヲ売ルノモ、大事ナコトダ」と私にだけ聞こえるように小さく語りかけてくる。いやいやいや、君鴉なのになんで媚び売るとかしってんのさ。てか今さらだけどなんで鴉が喋ってんの?
私と豆太郎が無言で見つめ合う不思議な空間が出来上がってしまった。
「えっ、『十二鬼月』ですか!?」
「そうなのよ~。別の隊士からこの山に十二鬼月の『下弦の参』が居るって報告を受けてね。その討伐に柱の私と納豆ちゃんが向かうことになったのよ!」
「は、はあ……。……あの~」
「どうしたの?」
「柱である恋柱様が十二鬼月の討伐に向かうのは分かるのですが、どうしてその同伴が私のような癸の隊士なんですか?もっと位が高くて手練れの隊士の方を連れた方が良かった気がするのですが……」
なんとこの山に居るのは『十二鬼月』らしい。でも上弦ではなくて下弦。それでも油断して良いわけではないど。だからこそ、十二鬼月を討伐したのであればまだ入隊してばかりの私ではなくてもっと戦闘慣れしている方を連れた方が良いと思う。私じゃ足を引っ張ってしまう……。確かに柱の戦いぶりは生で見てみたいけどそれで迷惑をかけてしまうのであれば私は我慢する。
私の問いかけに恋柱様はなぜか嬉しそうに笑ってから「それはね!」と口を開いた。
「お館様の命令なのよ!」
「
「あっ、納豆ちゃんはまだ知らないのよね……!お館様はとても素敵なお方よ!とってもキュンキュンしちゃうの!」
「そうなんですね……。えっと、お館様は具体的にどのような命令を……?」
「『新人隊士である神崎納豆を連れて十二鬼月の討伐に向かってほしい』とおっしゃっていたわね。どうして納豆ちゃんに目をつけたのかは私にも分からないけど、お館様が目をつけたということは納豆ちゃんはすっごく素敵な人に違いないわ!」
「え、そこ結び付いちゃう感じですか?」
「えぇ、もちろん♡」
恋柱様の様子から簡単に察することができるがお館様のことを大変慕っているようだ。柱の方からこのような扱いを受けるということは、お館様はきっとかなーり偉い人に違いないぞ……。これは礼儀に気を付けておかないとだね!
「恋柱様、十二鬼月の討伐はいつ頃にしますか?」
「勿論、今夜行くに決まってるわ!」
どんなに恋柱様がポワポワしていても、可愛いお姿を見せたとしても、鬼と戦うという事を意識した恋柱様の顔付きは頼りがいのある『柱』そのものだった。……女性でも柱ということだけあって、とても強い雰囲気を恋柱様から感じる。初対面のときはあまりにも可愛すぎて「本当にこの人が戦うの?」と真面目に思ってしまったけど落ち着いてみると恋柱様の強さの気迫が肌にビシビシと伝わってくるのだ。こう言ってしまうとあれだけど、私や炭治郎、善逸じゃ足元にも及ばないレベル。女性でもこんなに強くなれるんだ……。
「……頑張らなきゃ」
「納豆ちゃん何か言ったかしら?」
「あ、いえ、何でもありません!」
まずは『常中』を身に付けないことには何も始まらないよね。
こうして私と恋柱様の十二鬼月討伐の任務が幕を開けた。