二番煎じな内容が多いです。
門出ノ章
空欄の場合は「納豆」になります。
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「藤の吸きゅ──」
「血鬼術
「……っ!」
壱ノ型を使おうと構えたとき、鬼が『血鬼術』を発動させた。その途端に、刀を持つ手の力が抜け、カランッと刀を地面に落としてしまう。しかもそれだけでは無く、足の力も徐々に抜けていき立つことが出来なくなり膝から崩れ落ちる。地面のひんやりとした温度が膝に伝わり鳥肌がたつ。
脱力した私の姿を見た鬼は「所詮この程度か!」と馬鹿にしたように
……でも藤の呼吸には
どうしたらいいかと戸惑っていると、今まで道に転がされ気絶していた少年が「……んんっ」と小さく唸り、ゆっくり目を開けた。
「……おねえちゃん、だれ……?」
「……! 目が覚めたんだね、大丈夫?」
「ぅ、うん……」
少年は私の問いかけに頷くと、私と向かい合っている鬼を視界に入れてしまい「うわぁあああああ!!!」と、悲鳴をあげた。異形の鬼の姿は何も知らない子供が見てしまったら確かに怖い。鬼は怖がる子供を見ると、その様子に満足そうに「子供の怖がる声は良いなぁ……」と言う。どこまで糞野郎だ。これでよく自分の事を救世主なんて大それたことを言えたもんだ。
「ぉ、おねぇちゃ、」
「大丈夫だよ……!お姉ちゃんがあっという間に倒しちゃうから安心して!」
今にも倒れてしまいそうなくらい顔を真っ青にした少年が可哀想なほどに震えた手で私の隊服の袖を掴む。少年の二つのクリッとした可愛らしい目には涙が浮かんでいる。『怖いよ』と、言葉にされずとも伝わってくる少年の気持ちに胸が締め付けられるのを感じた。私がこの鬼を倒さなければ、この子も他の人たちも皆食べられてしまう……。力が入らないからって這いつくばったままじゃ負けてしまうのは当たり前じゃないか。助けたいという思いがあるのなら、この命を捨てたとしてもこの少年を生きて返すのが私の役目でしょ。
力の入らない腕にこれでもかというほど力を込めるとようやく腕が動く。そして落ちている刀の柄の部分を手の血管が浮き出てくる位力強く掴むと、不安定ながらに刀を持ち上げることができた。足が震える。力が入らない。踏ん張りすぎて逆に力が抜けてしまいそう。
思うことは沢山ある。でもそれは全てを終えてから考えることにしよう。
私の初任務、必ずやり遂げてみせる──!
ガクガクと足を震えさせながら、私は立ち上がった。
「俺の血鬼術をくらっても立ち上がれるとはやるなぁ……お嬢ちゃん。でもその状態じゃ俺の頸は斬れねえぞ?」
「どうも。ご心配なく」
「どうにも可愛げのねぇお嬢ちゃんだ!」
その言葉と共に、目をギラギラと輝かせた鬼がその長い爪を構えながら私に飛びかかってくる。咄嗟に隣にいた少年を押し退け、刀で爪を防ぐ。……が、ほとんど力の無くなっている私は鬼に勢いを殺すことができず押されてしまい、後ろに倒れ込みそうになるのを右足を一歩後ろに下げてバランスを取り倒れるのを防いだ。押し退けられた際に刀の鋭利な部分が頬を
あの山で初めて師範に助けてもらったときのことを覚えているだろうか。私が軽い傷をつくって血を流したときに鬼に言われた「稀血」という言葉を。
あの後、師範に「稀血」が何なのかを事細やかに教えてもらった。鬼にとってのご馳走、鬼をより強くしてしまう血肉、それが「稀血」だ。だから師範になるべく鬼の前では血を流さないよう言われていたのに、真っ先に破ってしまった。
「お嬢ちゃんは稀血だったのかァ……!なら、とっとと殺して喰らってしまおう。この血なら百人分は強くなれる!!!」
歓喜に満ち溢れた表情の鬼が再び飛びかかってくる。だらしなく『捕食者』の表情を丸出しにして飛びかかってくる鬼に気持ち悪さから反射的に鳥肌がたつ。少年も「ひっ!」と小さく悲鳴をあげる。
……このままじゃ、負けてしまう。この子もこの町の人達も食べられてしまう。守れない、ここで死んだら守ってあげられない。
そんなことになるんだったら……!!!!
「藤の呼吸 肆ノ型
なけなしの力で振った刀は鬼の腕に僅かな切り傷を作ってするり、と手から滑り落ちてしまった。ガクリと足の力が抜け、膝から崩れ落ちる。
まるで戦うことを諦めたかのような私の姿に鬼が「諦めたか…!」と、喜びを隠しきれていない声で言う。
ジリジリ…と距離を詰めてくる鬼に、私は伏せていた顔を上げて冷たく言い放つ。
「違うから。ばーか」
そしてほんの少しつり上がった口角。
鬼が「あ"?」と威嚇するように喋ったその瞬間──……
「ゴフッ!お"ぇ"えッ!」
鬼の口から真っ赤な血が吹き出した。