二番煎じな内容が多いです。
再会ノ章
空欄の場合は「納豆」になります。
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「納豆!信じていたけど、目立った怪我も無くて本当に良かった……!」
小走りで駆け寄ってきた炭治郎が心の底から安心したかのように優しく目を細めて笑う。それにつられて私も笑うと、ふいに私の腕にしがみついている善逸が腕を握る力を強めた。そこまで痛くは無かったけど善逸が炭治郎をジト~…とした視線で見つめているのがどうしても気になった。
「……出たな、俺の恋敵」
「何か言った善逸?」
内容は聞き取れなかったけれど、ボソッと聞こえた善逸の声に私が聞き返すと、善逸はパッと表情を明るくして「なんでもないよ!」と陽気に言った。……変な善逸。
まあいいかと炭治郎に話しかけようとしたとき、あの双子ちゃん(仮)が「お帰りなさいませ」と話し始めた。
もしかして無事に帰ってこれたのはたったのこれだけなの……?最初は20人くらい居たのに……。
炭治郎も私と同じ事を考えたのか、悔しそうな、罪悪感に苛まれたような、そんな複雑な表情をして俯いてしまう。善逸も厳しい現実に引き戻されたらしく、「死ぬわ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ。ここで生き残っても結局死ぬわ俺」と呟きだす。
すると、生き残ったうちの一人である目付きの悪い男の子が「で?俺はこれからどうすりゃいい。刀は?」と声を上げた。双子ちゃん(仮)は隊服と階級の説明、そして手を叩き
密かに癒されていると、バシッとなにかを叩き落とすような音と鴉の「ギャアッ」という声が聞こえ、私と炭治郎、善逸がほぼ同時に音のした方を向くとそこではあの目付きの悪い男の子がうざったそうに鴉を払っていた。
「どうでもいいんだよ鴉なんて!」
そう言って双子ちゃん(仮)の片割れの子の前髪を乱雑に掴みあげる。
「刀だよ刀!今すぐ刀をよこせ!鬼殺隊の刀!『色変わりの刀』!!」
目付きの悪い男の子のその行為に私の中でブチッと何かがキレた音がした。その男の子の方に向かおうとしたら、私よりも速く炭治郎が動いていて、男の子の腕を掴んだ。そして「その子から手を放せ!放さないなら折る!」と言って男の子を睨み付ける。え……お、折るってまさか炭治郎さん???
しかし男の子は手を放そうとせず、炭治郎に「やってみろよ!」と声を荒げた。
「ちょ、ちょっと……!」
炭治郎が本気だということを分かっていない男の子。慌てて止めようと静止の声を上げるがそのときにはもう手遅れだった。ミシッ…という生々しい音が男の子の手首から鳴り、「ぐっ…!」とその痛みから唸った。呆然とした私にギョッとした表情で炭治郎を見る善逸、一ミリも興味ありませんな鴉と戯れている可愛い女の子。今まで黙ってみていた双子ちゃん(仮)の無事な方の子は「お話は済みましたか?」と言うと刀の材料である玉鋼を選ぶように私達に促した。
私達が玉鋼を直感で選び終わると男の子は早々に帰っていき、可愛い女の子も静かにいなくなっていた。私は前髪を掴まれた双子ちゃんの片割れの子に「大丈夫?」と問いかける。その子は「ご心配頂き、有難うございます」とだけ返してきた。その返事は大丈夫ってことかな!と勝手に判断する。
私もそろそろ師範の所に帰らないと……。
「待ってよ納豆ちゃん!帰る前に俺と結婚するって約束してから帰ってよぉおお!」
「いや無理だからね?」
「頼むよォおおお!!!」
「うーん…………わ、私…強い人が好きだから」
「強い人!?俺と真逆じゃん!!!」
「……だからもしも善逸が強くなったら考えてもいいよ。少なくとも今は無理」
「そ、ソンナ……」
いや全部嘘だけどね?
善逸から逃げたいあまり咄嗟の嘘をついてしまった。善逸はガーン…とあからさまに肩を落として落ち込んでしまう。その姿に罪悪感が生まれるが背に腹は変えられないと、「嘘だよ」と言いそうになる言葉を飲み込んで冷たく接した。そんな私の態度を見た善逸はブルブル……と震えたあと、ガバッと勢いよく顔を上げた。
「俺……頑張って強くなるから……。だからもし、俺が強くなったら……俺の事を真剣に考えてほしい」
善逸の黄色い瞳が、真っ直ぐに私を射抜く。太陽の光に反射してキラキラと輝く善逸の瞳には私が映っていた。情けなくすがり付くわけでもなく、純粋に自分を受け入れてほしいという姿勢に不覚にもドキッと胸が高鳴る。
それによく考えたら私は今告白(?)をされているわけで……。今、自分が置かれている状況を改めて自覚すると恥ずかしくなってきてしまった。
今までちゃんと話して関わってきた男子といったら炭治郎と炭治郎の弟くん達ぐらいしかいなかった私には男子の免疫がそれほどついているわけではないのだ。初対面の時から善逸があまりにもブッ飛んでいたから照れるを通り越して呆れていたけど、こうやって真面目に言われてしまうと……。善逸もちゃんとした異性なんだと意識しちゃうじゃん。
心臓がバクバク、と激しく鼓動する。
「き、期待してるね…」
上ずった声でそう言うと、善逸は満足そうな表情で「うん!!」頷いた。
「まぁちゃんと強くなれるかは分かんないけどね!!じゃあね納豆ちゃん、元気で!!!!」
そして善逸は私に大きく手を振って帰っていった。
「あ……ごめんね炭治郎!私達だけで話しちゃって……」
ずっと後ろにいた炭治郎のことをすっかり忘れてしまっていたことに気がつき、謝りながら振り向くと炭治郎は苦虫を噛み潰したような顔で少し俯いていた。
「だ、大丈夫……!?どこか痛いところでもあるの!?」
「ちょっとだけ……」
「え、どこ手当てしなきゃ!」
師範に念のためと持たされた包帯などを取り出すと、炭治郎は左胸あたりをギュッと押さえて苦しそうに目をぎゅう…っと瞑っている。
「左胸って……心臓じゃない!?大変!私が持ってるのだけじゃ手当てできないよ!ど、どどど、どうしよう……!?」
包帯と塗り薬を片手に私が物凄く慌てていると、炭治郎はそんな私の様子を見て小さく笑みをこぼした。
「ちょっと良くなってきたかもしれない」
「え、本当?」
「うーーー……あ、治った」
けろっとした表情で炭治郎が左胸を押さえていた手を退かして「大丈夫だよ」とアピールしてくる。本当にもう大丈夫そうな様子に私は「良かったー!」と安堵した。炭治郎は首を傾げて「何でいきなり痛くなったんだろうか…」と悩んでいた。何はともあれ、大丈夫そうで良かった……。
「……炭治郎、鎹鴉で手紙を出しても良い?きっとこれからまた会うときは必ずあると思うけど、会えないときもきっとあるだろうから……」
「もちろんだ!俺からも手紙を送っても良いか?」
「うん!炭治郎から貰えたら凄く嬉しい!」
「良かった……」
炭治郎が安堵しているところを見ていたら、私は大事なことを聞き忘れていることに気がついた。
「あ、そういえば禰豆子ちゃんはどうしてるの?一緒にいるんだよね?」
その瞬間、炭治郎の表情が分かりやすくひきつった。