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現代天使の秘匿

「あ、アイいた〜!」

手をひらひらとさせてこっちに来るのはパパ活友達のかなえ。

『お、かなえじゃん。
今日はお茶だけ?大人?』

「こんな時間に待ち合わせなんだから"大人"に決まってんじゃん!」

私はハハ、と笑った。

『だわな』

「アイも"大人"でしょ?いくらにしたの?」

『今回はいい人いなくてさ〜5なんだよね』

「5かぁ〜そりゃ残念だね。私は今日7貰うんだ!」
『え!何それいいな!』
「あはっ、これぐらい貰わないとあんなおっさんに抱かれたくない笑」

ケラケラと笑いながら2人はスマホをいじり始める。

大人とか5という数字はパパ活の俗語だ。

大人はいわゆる、売春である。5や7という数字は体を差し出す対価。
万単位の話。
必然と金遣いは荒くなり、服は豪華になる。

「そういえばさ、あの子、さなちゃん。
自殺したんだって」
『え?マジ?
まぁあの子病み気質だったからなんとなくあり得そうだとは思ってたけど』

さなちゃんとは、同じパパ活友達だった。

「私さー、あの子のリスカ痕見ちゃったんだよね」
『あぁ…
かなえはさなちゃんと仲良かったよね?』
「まぁね。でもさ、うち、あんまりショック受けてないわ。ヤバ笑」
『それはヤバい笑』

ちっともヤバいなんて思ってない私も、ショックを受けてないかなえも、他人からすれば異常者だ。

「アイはあの子とLIN○交換してたよね?
消した方がいいよポリくる」

『あ、そうだね。面倒事にならないようにしなきゃだわ』

私はアプリを開き相手とのトーク履歴を削除、ブロック、アカウント削除を手慣れた操作でした。

「じゃ、これだけ言いたかっただけだからうち先に行くわ」

『ん、頑張ってね〜』

「ありがとう〜ばいばい〜」

かなえはパパ活相手と連絡がついたのかスタスタと駅に戻って行った。

私たちは、パパ活女子だ。それも、普通のパパ活女子ではなく、高校生という身分でしているので普通に犯罪。
それなのにネットで簡単に募集をかければ馬鹿みたいにおっさんが寄ってくる。
相場はと言うと、デート1時間 五千円
大人は2万くらい。
しかし私たちは「高校生を抱けるんだからもっと金出せ」という強気な姿勢で大人は最低でも5万は出さないと体を売らないようにしていた。

そんな私に、ある時天罰が降る。
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