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【挿絵あり】ノンケなフェンリルに迫るレイ

なんであんなことしたんだ。
レイの行動がわからねー。
いや、むしろわかったらやばい気がする。
俺はベッドに寝転がって、天井を見上げた。

『可愛い』

思わず両耳を塞いだ。
誰もいない部屋なのに、妙にリアルに聞こえた。
耳にこびりついてるレイの声。
あれは俺の知らないレイだった。
妖艶でぞっとするくらいの色気を滲ませて俺を(俺のチンコを)弄びやがった。
目を閉じると、感覚が戻ってくる。
レイに捕まって無理やりイカされたあのとんでもなく興奮したやばい感覚。

「あー、またかよ、くそ!」

仕方なくむくっと起き上がり、ベッドの上で座り込んで、俺はエレクトした股間を睨みつけた。
レイのせいで、一人で抜こうとしてもあの本棚の前での記憶が頭から離れない。
ボクサーの中に手を入れて、指でムカつくくらい固くなったそれを握って扱いた。

「……っ、レイ……――ってなに、名前呼んでんだよ俺は」

慰める自分の手が、これがレイだったらって考えちまう。
レイはどんな風に俺に触ってた? 
どんな風に俺に囁いた? 
鳥肌が立つくらい優しく、たまに泣きたくなるくらい強引に…。

服の裾から入ってきたレイの手が、Tシャツの中で妖しく這い回る。
撫でられた乳首をコリコリ転がされて、変な気を起こした。
ついでに変な声まで出しちまって。
レイに首筋をぺろりと舐められた。

猫かよ。変態な猫かお前は!

思い出してると、扱いた先端からぬるっとした液体が溢れてきた。
あのときの俺、絶対汗臭かったはずだよな。なんかそれも羞恥プレイなんですけど。

あーもう、馬鹿野郎!
この熱をどうしたらいい!
俺はどうしたらいいんだ!!

「レイのバーカ……この猫好きのド変態…」

かといって嫌いになるわけでもねーんだよな。俺、どうかしてるわ。



数日後。

恋愛対象としてなのか、そうじゃないのか、よくわかんないままレイとはキングとエースの関係を続けていた。
そんなある日、兵舎でお化け騒ぎが起きた。
兵士数名が目撃したとか触れ回ってて、俺は腕組みして難しい顔をしていた。

「これは有事より大変な事態じゃねーか。やばいわ。一人で寝らんねー」

つか最近、俺「やばい」しか言ってなくね? 語彙力ねーな。ま、それは置いといて。
一人で部屋にいられなくなった俺は薄暗い廊下を走ってた。怖さを紛らわすために。

「こんな時間にジョギング?」

ぬっと誰かの手が伸びてきて、俺は首ねっこを掴まれた。
壁に背中を押しつけられて、顔をあげるとレイがいた。

「んだよ、おどかすなよ!」

「そんなこと言っていい訳? せっかく人が迎えにきてやったのに」

不満げに眉を寄せたレイ。こうやって二人きりで話すのはあのエロ事件以来だった。
勝手に心臓がバクバクいってくる。落ち着け、俺。

「フェンリル、お前ひとりでいられねえんだろ?」

バレてる! かっこ悪いが、認めざるを得ない。

「…悪りーかよ」
「俺には素直じゃねえよな。ほかのヤツにはしっぽ振ってんのに。なんで?」
「なんでって……」

どこか寂しそうに目を細めながら、けどレイの両腕は俺の顔の真横にあって、圧迫感が半端なかった。相手を追い詰め逃げられないようにする、これが壁ドンてやつ。
それにしても近すぎじゃね?
間違いが起きたら、キスできちまう距離。男同士なのに。

「レイ、近いんだけど」
「じゃ、キスする?」
「なっ、なんでそーなる! 前も言ったけど、こういうことは女と…」

意識したら、股間がゴオオオって熱くなった。
薄く開いたレイの唇が俺を誘惑する。

「なあ、ソレそろそろ終わりにしねえ? フェンリル、お前、俺の気持ちもうわかってんだろ?」

狙いを定めた夜行性の猫みたいに、レイが俺を見据える。
身震いした。
視線はどこまでも鋭いのに、熱いまなざしで俺を溶かそうとする。
まさか、前からそんな目で俺のことずっと見て……
なにか言おうとした声は、唇で塞がれた。
重なった柔らかい熱は一瞬で離れた。

「……俺でいいじゃん」

泣きそうな声でレイはつぶやいた。
甘えるように額を俺の額にコツンと当てる。
その仕草に胸がきゅんと引きつるように甘く痛んだ。

(反則だろ、レイ。それはいくらなんでもナイわ。俺ですら…理性が…)

「俺の前では虚勢張んなくていい。怖いなら素直に怖がっていいし」
「え?」
「お前がエースとして俺を守るなら、俺もお前のこと守ってやるし」
「…それは、もしかして『お』から始まって『け』で終わるアレからですか?」
「せーかい」
「ぶっ」

吹き出した。照れ隠しもあったかもしれない。
レイは微笑しながら俺の照れ顔を見つめてた。人の顔みて、なんでそんな嬉しそうな顔すんだよ。
レイって俺に惚れてんのか?やっぱり。
そう思ったら、俺は春爛漫な気持ちになった。戦うときと同じくらい嬉しい。
俺が落ちかけてると踏んだのか、もう一息と、レイが畳み掛けるように俺を口説き始めた。

「俺なら、お前が訓練やりたいときはいくらでも付き合ってやるし、なんなら奇襲もして良い。夜中、ひとりが怖いなら便所にだってついて行ってやる。それに」

もったいぶったレイの言い方に俺は息を呑んだ。
男が惚れるキングは真顔になり、とびきりのイケメン顔で俺を見下ろす。(俺だけに見せるのがもったいないくらいのキメ顔)

「――お前のトマト、食ってやってもいいけど」
「採用ッ!」

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トマトと聞いて、反射的に俺は親指を立ててグッジョブのジェスチャーをしていた。
という、フリ。レイにはトマトにつられた、そう思わせたかった。
――ほんとはもう、とっくにレイに落ちてたわ。

「マジか、お前…」
「おお、マジだぜ。キングの仰せのままに」

呆れたレイの声が振ってきて、俺も真顔で答えた。ことの重大さに気づいてない俺に、レイは怪しげに顔をしかめた。

「おい、ほんとに意味わかってんのか?」

わかってる。俺は、お前が思うほど鈍感じゃねーから。
けど、はぐらかすのが俺のスタイルなんだわ。
だって、よく考えてみろよ。男同士が付き合うんだぞ? 正気でなんていられるかよ。

「わかってるって。これからもよろしくな、相棒」
「……よろしく」

腑に落ちない顔してるレイを見るのがおかしかった。

「レイ、とりあえず、俺の部屋来いよ」
「…え?」
「今夜は一緒に朝までいてくれねー?」

恥ずかしげもなくこういうセリフを言える自分が怖い。

「それって…」

案の定、レイが期待したのか目元を赤らめた。こいつ、すけべだな。

「あ、言っておくけど変な意味じゃねーよ。アレが怖いからな」

半分ほんとで半分は嘘だった。レイはちょっと落胆を滲ませたあと、意地悪く笑った。

「ああ、お化けね」
「言うなって!…ったく、もう早くこっち来いよ」

さりげなく手を繋いだ。俺から。
なんでもないようにレイを引っ張る。誘ってるみたいで男相手にやるにはちょいと恥ずかしい。
照れてる俺の様子に気づいたレイがふわりと笑った。

「はいはい、エースの仰せのままに」


おわり



あとがき
誰かと語りながら勢いとノリで創作すると、楽しさ倍増だよねー!ひとりより妄想がはかどる不思議。
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