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イケメンカフェ ランスロットとお紅茶

ティーサロン「レッドローズ」の
ウエイトレスとして採用された私は、
毎日営業時間が終わると紅茶を淹れる特訓をしていた。

教育係は、ツンデレギャルソンで有名なヨナと優しき悪魔で人気なエドガー。

二人からレクチャーを受け、
明日は店長ランロット様に出来栄えを評価される。

「頑張らなきゃ。だって、憧れのランスロット様に飲んでもらえるんだから」

ひとりのお客としても、
このお店が大好きだし、
初めてここで紅茶を飲んだとき、
座席に置き忘れた私の帽子を店長のランスロット様自ら届けてくださった。

あのときのことは今でも鮮明に覚えてる。

「待て、そこのマドモワゼル。忘れ物だ」

店の外まで走って来て、
ポスっと帽子を被せてくれたランスロット様。

その優しい眼差しに、美しい白スーツ姿に呼吸が止まった。
そして、恋に落ちた。

めったに店内に現れない冷酷なカリスマ店長と恐れられていたのに、
その心根の優しさを私はみてしまった。

ランスロット様のお店で働きたい、
そばにいたい、その気持ちだけでいま私は生きていた。

一番人気の「キングレッドローズティー」を
美味しく淹れられるように何度も試行錯誤を繰り返していると、

「こんな時間まで何をしている」

鋭い声が誰もいないはずの店内に響いた。

見ると、ランスロット様が柱に寄りかかり腕を組んでいた。

「す、すみません。いま片付けます」

「いや、その必要はない。俺が一度だけ手解きしてやろう」

ティーポットを持つ私の手にランスロット様の手が重ねられた。
後ろから抱きしめられる格好になり、ドキドキしすぎて胸が甘く震えた。

「この感覚を覚えておくがいい。良いな、アリス」

優雅な所作でランスロット様が紅茶を注ぐ。とても上品で優しい味がした。



おわり
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