小さい彼と一緒
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いつもと変わらない、平和な午後のはずだった。
音楽室に向かう廊下で、私は目を疑った。そこにいたのは、いつものセパータくん……の、小さな小さな姿だった。
「ちっちゃくて可愛い!」
思わず声をあげた。だって、いつも見上げるほど背の高い彼が、しゃがんでちょうどいいくらいの背丈になっているのだ。興奮した私は、彼に駆け寄り、両手でそっと抱き上げた。
「お姉ちゃん、重くない?」
「ぜんっぜん平気だよ! はぁ〜、セパータくんを抱っこできる日がくるなんて!」
抱っこが嬉しいのか、セパータくんはサラサラの髪を揺らして、屈託のない笑顔を見せる。斜めに切り揃えられた前髪が、幼いながらも落ち着いた雰囲気を醸し出している。
セパータくんを抱いたまま歩いていると、気づけば音楽室の前。そこへ偶然通りかかったプルソンが、目を丸くして私たちを見た。
「見て見て! 可愛いでしょ!」
「え、何? 誘拐してきたの?」
失礼な!
「違うよ! セパータくんが小さくなっちゃったの」
「おお……確かにそっくりだな」
セパータくんは、私たちのやり取りを不思議そうに見つめている。
「お姉ちゃん?」
「あ! このお兄ちゃんはね、トランペットがとっても上手なんだよ」
その言葉を聞いたプルソンは、少し照れくさそうに頭を掻いた。
「まぁ、上手っていうか、普通の人よりはできるかな的なやつだし? そんなにハードル上げられても困るけど、でもまぁせっかくだから今は”SO SMALL ”な後輩のために一曲吹いてあげてもいいよ」
「すごいしゃべるじゃん」
「とっても上手」という言葉が効いたな。プルソンだって、先輩としての威厳を見せたかったんだろう。
プルソンがトランペットを構えると、凛とした空気が流れる。音色は、まるで光のように、まっすぐに響き渡った。セパータくんは、目を輝かせ、その演奏に聴き入っている。
「すごい……ぼくもあんなふうになれるかな」
「セパータくんならなれるよ!」
「うん!」
優しくて、まっすぐなセパータくん。彼のことを思えば、大きくなっても変わらずひたむきに努力するだろう。その日がいつか来ることを想像しながら、私は再び、小さなセパータくんを抱きしめた。
◇◇◇
後日、セパータくんは無事に元の姿に戻った。特に後遺症もないようで、心から安堵した。
放課後の帰り道、並んで歩いていると、セパータくん
が突然口を開いた。
「この間はありがとう」
「え?私はなにもしてないけど……」
首を傾げる私に、彼はまっすぐな瞳を向ける。
「小さい僕が疲れないように、抱っこして歩いてくれたんでしょ?」
それは、ただ可愛さのあまり、抱っこしてしまっただけで。私が勝手にそうしただけなのに、彼は律儀にお礼を言ってくれる。
「う、うん」
少し照れながら返事をすると、セパータくんはにこりと微笑んだ。
「今度は僕が🌸ちゃんを抱っこしてあげるね」
そう言われた途端、体がふわりと浮き上がった。
突然のお姫様抱っこに、思わず息をのむ。自分よりずっと背の高い彼に抱き上げられ、視線が一気に高くなる。そして何より、お姫様抱っこなんて、恥ずかしすぎる!
「ちょちょちょ、セパータくん降ろして!」
「嫌だった?」
「嫌じゃないけど、恥ずかしいから……」
そう言うと、彼は嬉しそうに微笑み、私を抱きしめる腕に少しだけ力を込めた。
「大丈夫。僕がちゃんと支えるから」
彼の胸に顔を埋めると、ドキドキする自分の心臓の音が聞こえる。このまま、時間が止まればいいのに、なんて、柄にもないことを考えてしまった。
音楽室に向かう廊下で、私は目を疑った。そこにいたのは、いつものセパータくん……の、小さな小さな姿だった。
「ちっちゃくて可愛い!」
思わず声をあげた。だって、いつも見上げるほど背の高い彼が、しゃがんでちょうどいいくらいの背丈になっているのだ。興奮した私は、彼に駆け寄り、両手でそっと抱き上げた。
「お姉ちゃん、重くない?」
「ぜんっぜん平気だよ! はぁ〜、セパータくんを抱っこできる日がくるなんて!」
抱っこが嬉しいのか、セパータくんはサラサラの髪を揺らして、屈託のない笑顔を見せる。斜めに切り揃えられた前髪が、幼いながらも落ち着いた雰囲気を醸し出している。
セパータくんを抱いたまま歩いていると、気づけば音楽室の前。そこへ偶然通りかかったプルソンが、目を丸くして私たちを見た。
「見て見て! 可愛いでしょ!」
「え、何? 誘拐してきたの?」
失礼な!
「違うよ! セパータくんが小さくなっちゃったの」
「おお……確かにそっくりだな」
セパータくんは、私たちのやり取りを不思議そうに見つめている。
「お姉ちゃん?」
「あ! このお兄ちゃんはね、トランペットがとっても上手なんだよ」
その言葉を聞いたプルソンは、少し照れくさそうに頭を掻いた。
「まぁ、上手っていうか、普通の人よりはできるかな的なやつだし? そんなにハードル上げられても困るけど、でもまぁせっかくだから今は”
「すごいしゃべるじゃん」
「とっても上手」という言葉が効いたな。プルソンだって、先輩としての威厳を見せたかったんだろう。
プルソンがトランペットを構えると、凛とした空気が流れる。音色は、まるで光のように、まっすぐに響き渡った。セパータくんは、目を輝かせ、その演奏に聴き入っている。
「すごい……ぼくもあんなふうになれるかな」
「セパータくんならなれるよ!」
「うん!」
優しくて、まっすぐなセパータくん。彼のことを思えば、大きくなっても変わらずひたむきに努力するだろう。その日がいつか来ることを想像しながら、私は再び、小さなセパータくんを抱きしめた。
◇◇◇
後日、セパータくんは無事に元の姿に戻った。特に後遺症もないようで、心から安堵した。
放課後の帰り道、並んで歩いていると、セパータくん
が突然口を開いた。
「この間はありがとう」
「え?私はなにもしてないけど……」
首を傾げる私に、彼はまっすぐな瞳を向ける。
「小さい僕が疲れないように、抱っこして歩いてくれたんでしょ?」
それは、ただ可愛さのあまり、抱っこしてしまっただけで。私が勝手にそうしただけなのに、彼は律儀にお礼を言ってくれる。
「う、うん」
少し照れながら返事をすると、セパータくんはにこりと微笑んだ。
「今度は僕が🌸ちゃんを抱っこしてあげるね」
そう言われた途端、体がふわりと浮き上がった。
突然のお姫様抱っこに、思わず息をのむ。自分よりずっと背の高い彼に抱き上げられ、視線が一気に高くなる。そして何より、お姫様抱っこなんて、恥ずかしすぎる!
「ちょちょちょ、セパータくん降ろして!」
「嫌だった?」
「嫌じゃないけど、恥ずかしいから……」
そう言うと、彼は嬉しそうに微笑み、私を抱きしめる腕に少しだけ力を込めた。
「大丈夫。僕がちゃんと支えるから」
彼の胸に顔を埋めると、ドキドキする自分の心臓の音が聞こえる。このまま、時間が止まればいいのに、なんて、柄にもないことを考えてしまった。
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