小さい彼と一緒
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何らかの事故で、ヤバシくんが幼い子どもの姿になってしまった。元に戻る方法を探しつつも、それまでは私たちが所属する魔具研究師団で預かることになった。
部室の片隅で、ヤバシくんは黙々とブロックを組み立てている。真剣な眼差しでブロックを組み合わせる横顔は、見慣れた彼の面影そのまま。その姿があまりにも愛おしくて、私は彼の邪魔をしないように、ほうきとちりとりを手に取り、部室の掃除を始めた。魔具の素材や研究途中のガラクタが散乱している床を丁寧に掃いていく。
「ヤバシくん、ブロック上手だね!」
そう言うと、彼はこくこくと頷いた。無表情に見えるけれど、なんだかちょっと嬉しそうだ。そんな彼を見ていると、私の心も温かくなる。
……そういえば、倉庫にある魔具を使う許可をもらいに生徒会室に行かなくちゃいけないんだった。
「ヤバシくん、ここでちょっと待っててくれる?すぐ戻るからね。ブロック、できたら私にも見せてほしいな」
私がそう言うと、彼はまた、答える代わりにこくこくと頷いてくれた。
——
生徒会での手続きを済ませて部室に戻ると、中から「ウィーン」というモーターの駆動音のようなものが聞こえてくる。
ドアを開けると、そこにはブロックの域を超えた、まるで機械のような物体が床を滑るように動いていた。その物体は小さなアームでゴミを拾い、回転するブラシで床を磨いている。一体これは……?
「あっ、🌸ちゃん。これ見て」
ヤバシくんが駆け寄ってきて、完成したばかりの謎の機械をお披露目してくれた。
「ヤバシくん、どうしたのこれ!? すごすぎるよ!」
「これはね、自走式お掃除マシン。アームでゴミも拾えるし、車輪にブラシがついてるから床もきれいにできるんだ」
ヤバシくんは目を輝かせながら、うきうきとした様子で説明してくれる。好きなものを目の前にしたときの、子どもの素直な反応。そのきらきらした瞳がとても可愛くて、思わずクスッと笑ってしまった。でも、こういうところは、大きい彼と全然変わってないな。
「ゴミと他のものはセンサーで識別してるんだよ」
「ブロック遊びとは……?」
「🌸ちゃんのお掃除、……楽になると思って」
傍で掃除をしていた私のために、彼はこのマシンを作ってくれたのだ。幼い頃から、彼はこんなにも優しかったんだな、と思うと胸が温かくなる。
「ありがとう、ヤバシくん。私、とっても嬉しい」
そう言って、彼の小さな頭を優しく撫でた。彼は無言で俯いているけれど、そのやわらかそうな頬が少し赤くなっているのが見えた。
「ところで、センサーとかはどうしたの?」
「メガネのお兄ちゃんがつけてくれた」
「シネル先輩……」
あの人か……。
◇◇◇
次の日、ヤバシくんは無事に元の姿に戻ることができた。
再び魔具研の部室で彼と顔を合わせる。いつもの無表情で、少し気まずそうにこちらを見ている。
「……🌸、この間は世話かけた」
「気にしないで! 元に戻れて良かったね!」
いつもの彼に戻ったことに安堵し、自然と笑みがこぼれる。ヤバシくんが幼くなったあの日を思い出す。ブロックで真剣に遊んでいたこと、小さなマシンを作ってくれたこと……。
「ヤバシくんって、小さい頃から物作りが好きだったんだね。私、びっくりしちゃったよ」
「それだけどよ、さっきバージョンアップさせたんだ」
「え?」
彼が机の上に置いたのは、以前見た自走式お掃除マシンだ。しかし、それはもうおもちゃのブロックの面影はどこにもなく、ピカピカと光る洗練されたメカの姿に変わっていた。
「掃除のアクションの機能を増やしてみた。稼働の際の騒音を最小限にして、材質もオールステンレスに改造したから、水洗いもできる」
「な、なんて?」
彼の言葉が理解できず、呆然と聞き返す。ブロックでできていたあの可愛いマシンが、まさかこんな本格的なものに変わっているなんて。
「シネル先輩が、そうした方がアンタが喜ぶって」
「シネル先輩……」
ああ、絶対シネル先輩が自分が楽しむために手伝っただけだ。そんな魂胆が透けて見える。
でも、ヤバシくんが私のために作ってくれたものなら、たとえ先輩の思惑があったとしても、なんでも嬉しかった。私はそっとお掃除マシンを手に取り、彼の顔を見上げる。
「ありがとう、ヤバシくん。大事にするね」
そう言うと、彼は少しだけ視線を逸らし、耳の先を赤くしていた。その様子は、小さかった時と何も変わらない。
部室の片隅で、ヤバシくんは黙々とブロックを組み立てている。真剣な眼差しでブロックを組み合わせる横顔は、見慣れた彼の面影そのまま。その姿があまりにも愛おしくて、私は彼の邪魔をしないように、ほうきとちりとりを手に取り、部室の掃除を始めた。魔具の素材や研究途中のガラクタが散乱している床を丁寧に掃いていく。
「ヤバシくん、ブロック上手だね!」
そう言うと、彼はこくこくと頷いた。無表情に見えるけれど、なんだかちょっと嬉しそうだ。そんな彼を見ていると、私の心も温かくなる。
……そういえば、倉庫にある魔具を使う許可をもらいに生徒会室に行かなくちゃいけないんだった。
「ヤバシくん、ここでちょっと待っててくれる?すぐ戻るからね。ブロック、できたら私にも見せてほしいな」
私がそう言うと、彼はまた、答える代わりにこくこくと頷いてくれた。
——
生徒会での手続きを済ませて部室に戻ると、中から「ウィーン」というモーターの駆動音のようなものが聞こえてくる。
ドアを開けると、そこにはブロックの域を超えた、まるで機械のような物体が床を滑るように動いていた。その物体は小さなアームでゴミを拾い、回転するブラシで床を磨いている。一体これは……?
「あっ、🌸ちゃん。これ見て」
ヤバシくんが駆け寄ってきて、完成したばかりの謎の機械をお披露目してくれた。
「ヤバシくん、どうしたのこれ!? すごすぎるよ!」
「これはね、自走式お掃除マシン。アームでゴミも拾えるし、車輪にブラシがついてるから床もきれいにできるんだ」
ヤバシくんは目を輝かせながら、うきうきとした様子で説明してくれる。好きなものを目の前にしたときの、子どもの素直な反応。そのきらきらした瞳がとても可愛くて、思わずクスッと笑ってしまった。でも、こういうところは、大きい彼と全然変わってないな。
「ゴミと他のものはセンサーで識別してるんだよ」
「ブロック遊びとは……?」
「🌸ちゃんのお掃除、……楽になると思って」
傍で掃除をしていた私のために、彼はこのマシンを作ってくれたのだ。幼い頃から、彼はこんなにも優しかったんだな、と思うと胸が温かくなる。
「ありがとう、ヤバシくん。私、とっても嬉しい」
そう言って、彼の小さな頭を優しく撫でた。彼は無言で俯いているけれど、そのやわらかそうな頬が少し赤くなっているのが見えた。
「ところで、センサーとかはどうしたの?」
「メガネのお兄ちゃんがつけてくれた」
「シネル先輩……」
あの人か……。
◇◇◇
次の日、ヤバシくんは無事に元の姿に戻ることができた。
再び魔具研の部室で彼と顔を合わせる。いつもの無表情で、少し気まずそうにこちらを見ている。
「……🌸、この間は世話かけた」
「気にしないで! 元に戻れて良かったね!」
いつもの彼に戻ったことに安堵し、自然と笑みがこぼれる。ヤバシくんが幼くなったあの日を思い出す。ブロックで真剣に遊んでいたこと、小さなマシンを作ってくれたこと……。
「ヤバシくんって、小さい頃から物作りが好きだったんだね。私、びっくりしちゃったよ」
「それだけどよ、さっきバージョンアップさせたんだ」
「え?」
彼が机の上に置いたのは、以前見た自走式お掃除マシンだ。しかし、それはもうおもちゃのブロックの面影はどこにもなく、ピカピカと光る洗練されたメカの姿に変わっていた。
「掃除のアクションの機能を増やしてみた。稼働の際の騒音を最小限にして、材質もオールステンレスに改造したから、水洗いもできる」
「な、なんて?」
彼の言葉が理解できず、呆然と聞き返す。ブロックでできていたあの可愛いマシンが、まさかこんな本格的なものに変わっているなんて。
「シネル先輩が、そうした方がアンタが喜ぶって」
「シネル先輩……」
ああ、絶対シネル先輩が自分が楽しむために手伝っただけだ。そんな魂胆が透けて見える。
でも、ヤバシくんが私のために作ってくれたものなら、たとえ先輩の思惑があったとしても、なんでも嬉しかった。私はそっとお掃除マシンを手に取り、彼の顔を見上げる。
「ありがとう、ヤバシくん。大事にするね」
そう言うと、彼は少しだけ視線を逸らし、耳の先を赤くしていた。その様子は、小さかった時と何も変わらない。
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