天ヶ瀬冬馬
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触れさせて、振り向いて
───プロデューサーが手を繋いでくる。
それも、二人きりの事務所への帰り道の車内でだけ。
信号待ちになると必ず助手席の俺に手を伸ばしてきて、
「繋ご」
なんてふうに囁くように伝えてくるから、俺はたまったもんじゃない。だけど、嫌な気はしない。
「…おう」
こうやって欲に負けて毎回繋いでしまうのも俺の悪いところだ。でも、プロデューサーがいつもそういうことするせいでこうなるんだし、全部あんたが悪い。
優しく握り返されるプロデューサーの手から直に伝わる体温に顔が熱くなってくるのを感じる。こんなの、まるで。
プロデューサーには直接伝えられないような感情が湧いてきて、それに蓋をするように窓の外を見る。
こんなにも息苦しいならいっそ伝えてもいいのかな、と開いた口を塞ぐように、繋がれた手がぱっと離れた。
「青になっちゃった」
あんたは少し茶目っ気のある声色でそう言った。
俺はその声に釣られるように振り向く。離さないで欲しかったプロデューサーの手は再びハンドルを握っている。
隣にいるのに、こんなにも遠く感じるのはなぜか。
「なあ」
なんだかどうしようもなく寂しくて、あんたの方を見る。
「どうしたの、冬馬」
耳だけを傾けていつものように優しく応えてくれるプロデューサーに安心する。
よそ見運転されるのは困るけど、少しくらいなら、俺の方見てくれてもいいのにな。
なんてことを考えてる俺に気付かずに安全運転を続けてくれるあんたのことが、やっぱり、好きだ。
「なんでもねーよ」
そうやって俺は自分の気持ちに嘘をつく。でも、あんたはわかってる。
「冬馬、それ嘘でしょ」
信号が赤になり、あんたが俺の方を見る。そして、伸ばされたプロデューサーの手を俺が握る。
あんたの車の助手席に座れる俺だけの特権だなんて言ったら自惚れすぎかもしれねえけど、でも多分、特別だよな。
「…へへっ、バレちまったぜ」
笑いながら繋いだ手をそのまま恋人繋ぎにしてやるのは案外恥ずかしくなかった。
プロデューサーはやっと俺の様子がいつもと違う事に気付いたらしく頬を赤く染めた。おせーよ、なんて言ってやるのは後にしよう。
どうせならこの後離れるのは手じゃなくて唇だったら良いかもしれない。今したら、あんたはどれくらい驚くんだろうな?
───プロデューサーが手を繋いでくる。
それも、二人きりの事務所への帰り道の車内でだけ。
信号待ちになると必ず助手席の俺に手を伸ばしてきて、
「繋ご」
なんてふうに囁くように伝えてくるから、俺はたまったもんじゃない。だけど、嫌な気はしない。
「…おう」
こうやって欲に負けて毎回繋いでしまうのも俺の悪いところだ。でも、プロデューサーがいつもそういうことするせいでこうなるんだし、全部あんたが悪い。
優しく握り返されるプロデューサーの手から直に伝わる体温に顔が熱くなってくるのを感じる。こんなの、まるで。
プロデューサーには直接伝えられないような感情が湧いてきて、それに蓋をするように窓の外を見る。
こんなにも息苦しいならいっそ伝えてもいいのかな、と開いた口を塞ぐように、繋がれた手がぱっと離れた。
「青になっちゃった」
あんたは少し茶目っ気のある声色でそう言った。
俺はその声に釣られるように振り向く。離さないで欲しかったプロデューサーの手は再びハンドルを握っている。
隣にいるのに、こんなにも遠く感じるのはなぜか。
「なあ」
なんだかどうしようもなく寂しくて、あんたの方を見る。
「どうしたの、冬馬」
耳だけを傾けていつものように優しく応えてくれるプロデューサーに安心する。
よそ見運転されるのは困るけど、少しくらいなら、俺の方見てくれてもいいのにな。
なんてことを考えてる俺に気付かずに安全運転を続けてくれるあんたのことが、やっぱり、好きだ。
「なんでもねーよ」
そうやって俺は自分の気持ちに嘘をつく。でも、あんたはわかってる。
「冬馬、それ嘘でしょ」
信号が赤になり、あんたが俺の方を見る。そして、伸ばされたプロデューサーの手を俺が握る。
あんたの車の助手席に座れる俺だけの特権だなんて言ったら自惚れすぎかもしれねえけど、でも多分、特別だよな。
「…へへっ、バレちまったぜ」
笑いながら繋いだ手をそのまま恋人繋ぎにしてやるのは案外恥ずかしくなかった。
プロデューサーはやっと俺の様子がいつもと違う事に気付いたらしく頬を赤く染めた。おせーよ、なんて言ってやるのは後にしよう。
どうせならこの後離れるのは手じゃなくて唇だったら良いかもしれない。今したら、あんたはどれくらい驚くんだろうな?
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