黒バス(宮地さんのみ)
宮地君に借りた教科書にこっそり『好きです』って書いたちっちゃい付箋を1番後ろのページに貼って返した。これ、気付くかなぁ。彼はこれを見たらどう思うかな。……好きとか、迷惑だったりするかな。
最初はポジティブに考えてたのに、時間がたつにつれてネガティブな考えしか出てこなくなった。うじうじ考え込んだ結果、やったことに後悔して泣きそうになりながらの次の日。
「あ、」
廊下で宮地くんにばったり会った。
だけどなんて顔で会えばとかなんて声をかければいいのかわかんないし気まずいしで思わず目をそらしたら彼が近付いてくる気配。
そして、
ぺちん。
「え、」
そんな音と共におでこに何か貼られた。
何これ??って困惑しながらそれをおでこから剥がすと、貼られてたそれはあの彼の教科書に貼った付箋。大きさも、色も、そこに書かれている『好きです』って言葉も同じ。
……いや、違う。ひとつだけ違うところがある。
その付箋の、私の書いた小さな文字の下。私の文字ではない。だけど見たことはある……というか見慣れている。だってこれは目の前の彼の、
「っ、み、宮地くんこれ……」
「ほんとか知りてぇなら次は直接聞きにこいばーか。……待っててやるからよ」
そこには彼の字で『俺も』と、書かれていた。