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色々なの



彼の瞳はシンハライトのようだ。

それは宝石で、明るい黄色ではなく、落ち着いていて独特の透明感がある。彼の瞳も明るい訳ではないが、年相応の落ち着いた色合いで、そして何もかもを見透かすような透明感があって、

……あぁ、あの瞳がとてつもなく

「ほしい、なぁ」

ぽつりと私の口から零れたその言葉は彼の耳にも届いたようで、その瞳をゆるりと細めながらくすりと笑った。

「これが欲しい、か。お前は随分と物好きだな」

そうかな。みんな欲しがると思うんだけど。

「こんな血にまみれた男の瞳を、お前以外の誰が欲しがるんだ」

彼は自分の瞳の縁を指でなぞりながらふっと自重気味に笑って、欲しがる私にそう言い放った。

……あぁほんと、わかってない。

彼も、彼を恐れる他の人たちも。

「だからいいんじゃないですか」

手を伸ばして彼の頬に触れて、そして先程の彼と同じように、つうっと指を瞳の縁に向かって滑らせる。

その行為に1度はびっくりして丸くなっていたが、私の指が何度も何度も撫でていく度にどんどんその瞳を柔らかく細めていって。

「……ふふ、ねぇ、ジークフリートさん」

「何だ?」

「私しかそれを欲しがる人がいないと言うならば、貴方のその瞳、私に生涯くださいませんか」

その言葉に彼は嬉しそうに微笑んで

「俺と共になら、構わないぞ」

そう、答えた。

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