パーシヴァルさんと
おなまえは?
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「ほら、あーん」
瑞々しくて赤々と熟している美味しそうな苺。その苺のへたの部分を、すらりとしていて綺麗だけどごつごつしてるとこもあって男らしくもあるパーシヴァルさんの指がつまみ、私に差し出してくれている。
えっとその、どうしてこうなった。
というかまず彼が私に差し出している苺。これは数分前、私が彼のために持ってきたものだ。もう一度言う。私が、彼のために、持ってきたものだ。それなのに何故か彼が私にあーんして食べさせようとしてる。何で???
「俺が貰ったものを誰にあげようが俺の勝手だろう。違うか?」
いやそうですけど!!違わなくないですけども!!でも元はそれ私が持ってきたのだし、これは私じゃなくてパーシヴァルさんに食べて欲しかったから持ってきたのにな……て若干しゅんてなってたら
「……あぁ悪い。言い方が悪かった。ただ、俺が目の前の愛しい恋人に食べさせてやりたかったんだ。駄目か?」
「え、あの」
「いや食べさせたいというか……そうだな。分けてやりたかった、が正しいか」
「分けてやりたいって……」
「美味しいものは誰かと分けた方がより美味しくなると、愛しいものとなら尚更だと、母上がよく言っていたんだ」
ふっ、と笑って私に向けた顔。それはいつもの顔とは違ってとてもとても甘くて優しくて、私の心臓がドキドキしすぎて死んでしまいそうなほどかっこいい。思わず誰だこの人って思ってしまうほど。てか本当に誰だこの人。パーシヴァルさんですか?
「俺じゃなかったらなんだというんだ」
「ひ、人の姿を写し取る星晶獣とか……??」
「……ありえない話ではないが、だが、今お前の目の前にいる俺は本物のパーシヴァルだ。ほら」
本物だろう?て摘んでた苺を私の唇にぐいって押し付けてきた彼。それ本物の証拠になってませんし、寧ろ私が美味しく苺食べる結果になってますけど……???
でも押し付けられたそれを衝動的にぱくりと食べながら、うん、やっぱりこれ美味しいな……と思ってると
「じゃあ次はお前だな」
そう言ってとんとんと自分の唇を人差し指で数回叩いた彼。
えっ何の話です………………あ、そういうこと??私にさっきパーシヴァルさんがやったことやれと??押し付けろと??いや違うな。あーん、しろと……??
「俺に食べてほしいんだろう?」
その言葉に自分で食べればいいじゃないですか!!て叫んだが、目の前の彼は聞く耳を持たず、私があーんするまで食べないって姿勢で。
もう頑固かよ……ああでもパーシヴァルさんって頑固なとこもあるわ……。
結局うう、と呻きつつも皿にのった瑞々しくて赤々と熟している美味しい苺に手を伸ばし、先程の彼と同じようにへたの部分を摘んで彼にゆるゆると差し出す。
あぁどうしよ手が震える。緊張する。というか視線の先の彼の口の端がふっ、て緩んだのが見えたけどスルーする。気にしてたら終わりだこれ出来なくなる……!!
そして苺と彼の唇まであと数センチ。だがその先が進まない。あとちょっとだしそのままぐいってしちゃえばいいとは分かってるんだけど、手が震えるし、どきどきするし、かお、近いし……!!
いつもは身長差があるので遠い彼の顔が、今は少し手を伸ばせば触れられるほど近い距離にあり、このイケメンフェイスが目に痛い。かっこよすぎてもう直視出来ない。辛い。直視してなくても辛い。かっこいいむり。どうしよう。
そんな感じでうじうじしてる私に痺れをきらしたのか、彼の大きな手が私の手首に掴み、そしてぐいっと引かれた。そして摘んでいた私の指ごと食べられた。え、あの、な、なに、え?!!??
すぐさま離れようとっていうか彼の口から指を離そうとしたが、手首を掴んだ手はビクともしない。
でも何とか離そうと四苦八苦してると、なんと彼が、咥えていた私の指を、舐めた。
「っ、ぅ、え、ええええええ」
私は叫んだ。何やってるのこの人何してるのねぇ。ねぇ!!!え、ちょ、あの、な、なめ、舐めたんです、けど……!!!!
ぬるりと私の指に触れた彼の舌は柔らかくて熱くて。何か舐められたとこが火傷したみたいにジンジンする。熱い。
驚きというかもうキャパオーバーしてしまって真っ赤な顔で固まった私を、彼はくっくっくっと笑いながら
「もう1回するか?」
もう、結構です……!!!!!
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