パーシヴァルさんと
おなまえは?
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目を開けるとぼんやりとした景色が広がっていた。身体は何だか気だるい。いつもは目が覚めるとすぐに意識がはっきりとした状態になるのにどうしてだろうか。
ぼんやりとした頭で不思議に思いつつ、何とか頑張って起き上がろうする。だが身体のあちこちの痛み、無理だった。特に腰と股関節辺りが痛くて身動きするのも辛い。だが何とかベッドから降りようと、もぞもぞと動いて床に足の裏をつけ、ぐっと力をいれて立とうとしたら
ぺたん
そんな効果音がつく感じに、かけられていた毛布を巻き込みながら床に座り込んでしまった。ぐぐっと力を入れようとしても全く力が入らない。脚の骨がなくなっちゃったのでは??てぐらい。
……てか私、この状態を知っている。ごくたまにだけど、こうして立てなくなったというか立てなくされたことある。主に彼の手によってだ。ということは。
目が覚めた時からここが自分の部屋でない所から察してはいたが、うん、なんだろ。とりあえずこんな状態にした彼はどこいった。
キョロキョロと周りを見る。だが彼の姿は何処にもない。まず部屋の中に誰かがいる気配すらない。いつもは恥ずかしいからやめてっていつも言っても毎回私が起きるまでじーっと眠ってる私の寝顔みてたりするくせに今回はどこに行ったのだろうか。昨日のあれが申し訳なく思ったのだろうか。…………いや、ないな。絶対ない。寧ろきっと、
私の思考を遮るようにがちゃりと開いた扉。そこから現れたのはこの部屋の主である彼。手には水差しとコップが乗ったお盆を持っていた。でも、彼がどんな顔してるのかはわからない。……まぁ、私が彼の顔を見る前に毛布を頭から被ってからなんだけど。主に恥ずかしさとちょっとの怒りで。
ばさりと被った毛布の中で、扉が閉まる音とコツコツと床に座り込んでる私に近づく足音が聞こえた。あと小さく笑う声も。なに笑ってるんだ。こっちは怒ってるんだぞ。昨日は、昨日…………
「っ、」
瞬間ぶわりと思い出す昨日の事。沢山沢山彼の手によって愛され、全てを甘くどろどろにされた記憶。彼はどんなに私が泣き叫んでもその行為をやめてはくれなくて。
ふと被った毛布の中で見てしまった、いや、見えた自分の身体。毛布の中だったから薄らと薄暗かったが、あちこちにある沢山の赤い跡と噛み跡があって。それによって更に昨日の記憶を、あの快楽をはっきりと思い出させられた。
蘇ったそれらは愛された私の身体のあちこちにじんわりと甘い熱を帯びさせてきて、思わずううううと呻きつつ、被っている毛布を巻き込みながらさらに縮こまる。
すると聞こえていた彼の笑い声が大きくなった。確かに彼から見たらめっっっっっちゃ面白いし笑うでしょうけども!!誰のせいだと!!思ってるんだ!!
怒りと恥ずかしさとでぶすくれてる私の前でとても可笑しそうな笑い声と足音が止まった。そしてしゃがみこんだかと思ったら私を落ち着かせるかのように優しく頭を撫でてきた。
毛布の上からでもわかる、彼の暖かくも優しい手。思わずきゅうと胸が締め付けるが、天邪鬼な私はべしっと払い除ける。……そんなんで許すと思ってるのか。
なんて思っていたら突如ふわりと浮き上がった身体。どうやら被っていた毛布ごとお姫様だっこされたようだ。何か恥ずかしさやら何やらでやーだー!て駄々っ子みたいに脚をバタバタさせてたら
「……落とされたいのか?」
その言葉にピタッと止まる私。それと同時にまた笑い声。何なの!!笑いすぎ!!
むすーとしつつも大人しくしてるとベッドまで連れてこられ、そして昨日の夜とは違って優しくベッドの上に下ろされた。
もぞっと身動きしていると、優しく被っていた毛布を剥ぎ取られ、紅茶色の瞳と目が合った。だがすぐに逸らしてしまった。
だって、彼の余りの甘さに耐えきれなかったから。何あの優しく甘い目。愛おしいものを見るような目。昨日と全然違うじゃないか。そうだ昨日と、きの……
「う、ぐ……っ」
墓穴を掘ってしまい、再び昨日の事を思い出してしまって思わず毛布に顔をうずめる。
馬鹿かよむり……ほんとむり……。てか彼が悪いんだ。だって昨日のあの情欲の炎でどろどろに溶けた瞳と差がありすぎるんだもの……。
顔を埋めて変な声出して悶える私を度々くつくつと笑いながらも甲斐甲斐しくお世話してくれた彼。まるで自分がお姫様になったかのようでどきどきとときめいたけれど
「……でも、そんなに沢山甘やかしてくれたって昨日の事は許さないんだからね」
そう言って毛布の中から彼を睨むと
「そんなの知っている。寧ろ俺がこうしたいだけだ。……駄目か?」
……何だしそれ。
優しい声と優しい視線に再びかぁっと赤くなった顔を見られないようにすぐさま俯いた。というか毛布で顔を隠した。そしたらまた彼の笑う声が聞こえた。うううう!!!もう!!!
というか、駄目なわけないじゃん。寧ろ嬉しいに決まってるじゃないか。
てか私が貴方のそういう顔に弱いの知ってるくせにそういう事してくるんだから酷い人だと思う。それでこうしてまたときめいて、昨日の手酷く抱いてきた事なんて許してしまうんだからタチが悪い。本当に。ほんとうに、
「……パーシヴァルさんなんてだいきらいだ」
ボソリと言ったら
「愛している、の間違いだろう?」
くすりと笑い、そして頭に優しく口付けを落とされた。
あまあまな朝
(それは、彼の甘やかしにどきどきさせられまくる時間。)
(それは、彼の甘やかしにどきどきさせられまくる時間。)
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