この恋は、
おなまえは?
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バレンタインデー前日。
目の前の机の上には、お洒落な包装紙でラッピングがされたいいとこのチョコレートと、見つけたときに彼だ!て思った、彼の髪の色によく似た赤色をベースに金色の縁取りがされたちいさな封筒。中には同じように金色の縁取りがあり、一言『好きです』と過去一番丁寧にメッセージを書いたちいさな紙が入っている。
あとはこれらを明日彼に渡すだけ。
……渡すだけ、なんだけど。
「どう、しよう……」
渡す機会は、ある。
でも直接彼に渡せる自信は、ない。
だって渡そうとしている相手は、私にとってとても遠い存在の人だ。仕事も出来て容姿端麗、凄く厳しくて怖いように見えるがよくよく知ると優しいところもあって、家柄も凄くて、目標もきちんと持っていて尊敬できて、いま同じ仕事に携わっているので話すことが出来るようになったが、それがなければ影で見つめることしか出来ないような、そんな人。
勇気を出してチョコレートと共に想いを伝えようと決意したけど……どうして決意出来たんだあの時の自分。直前になってとてつもなく自信がなくなってきた。いや最初からなかったに近いけれども。凄く怖い。不安要素しかない。
一応彼が甘いものをそこまで好まないと聞いたため、チョコレートは珈琲を使ったものを選んだけれど……彼のことだ、きっと色んな人から沢山渡されるだろう。っていうかまず受け取らないかもしれないのでは。その時理由が『好いている相手からしか貰うつもりはない』だったりしたら泣くな……。てか想像なのにちょっと泣けてきた。つらい。
ずずっと鼻をすすりながら、落ち着くために深呼吸して頭をリセットする。考えすぎると落ち込む方まっしぐらだからやめよう。悪いことしか考えられないし。まぁ現段階でも絶望的だからなんだけども。
やっぱ、やめようかなぁ……って再び考え込みそうになりかけたその時、突然机のすみっこに置いていたスマホがブブブっと大きな音をたてながら震えた。チカチカと緑色のランプが光ってるのが見えるからきっと何かしらの通知が来たのだろう。いつもサイレントにしてるから、マナーモードにしてるとバイブレーションに物凄く驚いてしまうから困る。
というかいったい誰だ悩んでるときに脅かしやがって……!と通知を寄越した相手に対して理不尽な八つ当たりをかましながら画面をみると
「……えっ」
そこには、チョコレートを渡そうとしていた例の彼【パーシヴァルさん】の名前が。
なななななななんで。どうしてこのタイミングに?!と内心あわあわしながら通知からメッセージを確認すると、明日の仕事に関しての色々な確認等について。
そして
『よければ仕事終わりに、共にご飯でもどうだ?』
まさかの、ご飯のお誘いだった。
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