パーシヴァルさんと
おなまえは?
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※パーシヴァルさんの姿イメージはオフィシャルキャストさん参考。現パロではないけれど、原作の話よりというよりリアルの企画が混ざった感じと思ってください。ふぃくしょん!
「ひぇ……」
私の目の前には、彼がいつも身に付けている鎧をイメージさせるような襟のジャケットに胸元のボタンを数個開けて、そして彼の髪の色によく似たスカーフを首に飾ったドラゲ衣装のめっちゃめちゃかっこいいパーシヴァルさんが。
何故その姿の彼が私の目の前にいるかというと、今度シェロカルテさんの依頼でそのグループでステージに出ることになり、その時にやるというファンサのことを聞いて、めちゃめちゃお願いしまくって自分に対して今やって貰うことになったからだ。
ちょっと衣装姿の段階からもう無理すぎる(かっこよすぎて)が覚悟を決めて彼に「お願いします!」と叫ぶと、ため息をつきつつもしてくれた。
黒い革の手袋に包まれた左手の人差し指を唇に触れさせ、彼の髪の色と同じ燃えるような赤を持つ瞳を一度伏せるかのように閉じて、そして私に視線を寄越すと不敵に笑いながらその指をこちらに向けて投げる仕草。……ってこれ、えっ……投げキッス……????
彼が行ったそれは私の脳内に困惑と混乱をもたらし、そして数秒の沈黙で冷静になってその行為を理解できた私の心を華麗に撃ち抜いて
「ヴぁっ……むり…………」
変な声出しながら膝から綺麗に崩れ落ちた。耐えきれなくて思わず両手で顔を覆ったし、目の前にいる彼からはすっごい変な顔で見られた。
でも仕方ないと思うんですよ。だってめっっっっっちゃやばかったしかっこよすぎたんですよ……?!!??これ皆の前でやるとか嘘でしょ??信じられない!!
なので、
「もっかいお願いします!」
「は??」
困惑顔の彼。何言っているんだこいつって思ってますねわかります。自分でもそう思いますし突然すぎて意味わかんないと思いますけど、でもですね!!
「このファンサやってるとこ見ても正気を保てるようにしときたいので!!!!」
お願いします!て崩れ落ちたままの状態で再びお願いしまくったら、めちゃめちゃ呆れた顔をしつつも結果やってくれることに。
優しすぎる彼に感謝しつつ再びそれをやってもらう……というか繰り返してもらうこと数十回目。
「ヴぁっ……やっぱむり……」
最初の時と同じように変な声を出しながら膝から華麗に崩れ落ちた私と、それをみて、はぁってため息つきながらめちゃめちゃ呆れた顔の彼。
「……全く、慣らして正気を保てるようにするのではなかったのか?」
「いやそのつもりだったんですけども、何回見てもやっぱどストライクすぎて……。何でそんなかっこいいの……」
本当に何度見ても彼のファンサに対する耐性が出来ない。むしろ毎回かっこいいって気持ちが上限突破してすきいいいいってなる。無理。自分でも今なにいってるのか分かんないけど。
でもこのままだと正気保つとか絶対無理な気がする。どうしよう、折角彼がやってくれているのにその行為を無駄にするなんて申し訳なさすぎる。ちゃんと正気保てるようにしなければ。
………………それに、
「……それに?」
「パーシヴァルさんがこの行為を他の人にやってるとこ見たときにそれを嫉妬とかで荒れた気持ちではなく落ち着いた気持ちで見てられるようにしときた…………………………」
ん??あれ??
「……ほぅ、なるほど。お前が俺にこれを何回もやらせた本当の理由はそれか」
「えっいや、最初に伝えたのもほんとなんですけども………………えっ????」
え??あのまって??私その…………もしかして声に出してた…………??
まさか。そんなまさか。
ゆっくりと顔を覆っていた手を離して恐る恐る彼の方を見ると、
「お前は悩みすぎるとぼろぼろと口に出すのが難点だな?」
にっこりと笑う彼の顔。その目はとても優しいというかご機嫌っていうか。あああああの、その、
「…………わ、わすれてください!」
「無理だな」
「無理とか言わずに!!後生ですから!!」
ああああああああ馬鹿かよ私!!!!いや馬鹿だけども!!!!て心の中でめっちゃ叫びながらもう土下座といっていい体勢でそう言ったら
「まぁお前の願いだ、忘れてやってもいい。……が、」
……が?
「もしお前のその呟きを忘れたとしたら、俺はこれを今度のステージで他の者たちの前で普通にやるからな」
「え、っ」
やるの?パーシヴァルさんが?この投げキッスを?他の人の前で?私以外に、普通にやるの??そして見た人たちは彼に胸をときめかせて好きになるかもしれない。そんな、そんなの、
………………い、いやでも!
「も、元々、やる予定のですし、別に、構いませんが……」
本音は違うとすぐわかるバレバレな苦し紛れの言葉に、わかっていたという顔でくつくつと笑いながら「本当に、いいのか?」と。
……そんなの、そんなの絶対、
「………………よくない。……嫌、です。だから、わすれないでください…………」
「ふ、あぁ了解した」
愛しいお前の滅多にない願いだからなって、めちゃめちゃ甘ったるいと言ってもいいほど恋情を含んだ声と共にぎゅうと抱き締められて、何かもうとてつもなく恥ずかしいし悔しいので何も言わず目の前の彼の胸に顔を埋めた。
「…………まぁでも、元々お前にしかやるつもりはなかったがな」
「……?今なんて」
ぼそっと言われた一言が聞き取れず聞き返そうとしたが、その声は先程の彼の声と同じくらい甘い口付けによってかき消された。
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