パーシヴァルさんと
おなまえは?
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
船内の廊下を歩いていたら、パーシヴァルさんとばったりあった。
こんばんわ、と挨拶すると、あぁ、と返してくれた。けど、何か疲れた声だった。どうかしたのかなと思って聞いてみると、度重なる任務で疲れが溜まっているそう。彼の今の格好も鎧を着けておらず、部屋でゆっくりしてるときの格好だから、時間的には早いけれどもう休むだけだったりするのだろうか。早く休めるように早々と立ち去った方がいいとはわかってはいたが、でもお疲れの彼に何か私に出来ないかなと思い、……あ、そうだ。
「あの、パーシヴァルさん。その、お疲れみたいなので、よければですが……………ぎゅー、します?」
私のその提案にぱちりと瞬き1つだけして無言でじーっと見つめてくる彼。というか何か考えている様子。
め、迷惑だっただろうか。てかこのまま沈黙が長くなると、私の羞恥心がどんどん大きくなって言ったことを撤回したくなる気持ちがめちゃめちゃ強くなってくる。どうしよう。これ何か疲れたときにはぎゅーされると癒される!みたいな話を思い出したから言ってみたんだけども……や、やっぱやめとこ、
「……そう、だな」
「えっ」
突然の肯定の言葉と共に彼の手が私の腕を引いて、そしてぎゅーされた。えっ。ほんとにされ、た……??
パーシヴァルさんの胸に飛び込む形で抱きしめられた私。彼の部屋着は胸元が緩やかに、っていうか結構開いているから、暖かな素肌がダイレクトに頬に触れた。何が起きたのかわからず一瞬放心状態になったが、目の前の触れている彼の胸から聞こえるどくんどくんという心臓の音で正気に戻る。わわわわわてか何これ近いまって??!?
思わず彼から離れようとするが、そうはさせまいと頭に彼の大きな手が回り、ぐぐっと更に近づけられる形に。その手は優しく私の頭を撫でて、ゆるゆる髪をすいたりくるくるしたりしてる。調度私の頭の上に彼の顎がくるからなのか、ぽんって何かがのる感覚と共に、彼がほぅって力を抜く感じが…………ってまってちょっとなにこれキャパオーバーするなにこれなにこれ?!!???
「ぱぱぱぱパーシヴァルさん?!!??」
めちゃめちゃ困惑だし恥ずかしいしで思わず叫んだら、無言で更にきつく抱き締められた。
黙ってそのままでいろってことだろうか。離さないし、さっきほぅって感じで力を抜いてたってことは私をぎゅーしてることで少しでも癒しになってたりするのかも。それなら彼が満足するまでこのままでいよう、かな。は、恥ずかしいけど!!嬉しいから!!
そう思って……というか思い込ませて、そのままの状態で体感的に10分分くらい経った(気がする)。だが、未だぎゅーされたままの私。彼は時折私の頭にすりすりとすり寄りながら離す様子は全くなくて。
えっこれどうしたらいいんだろう。一応声かけてみようかな……って、あれ??
遠くから団員の誰かの話し声が聞こえる。気のせいかと一瞬思ったが、耳をすますと届くその声がどんどん大きくなってるからあってる。どうやらこちらに近づいているようだ。……近づいてる??
これ、やばいんじゃないだろうか。このままだと彼にこうしてぎゅーされてるとこが団員の方に見られてしまう。いやでも彼の身体に包み込まれてる感じだしだいじょ…………いや大丈夫じゃない駄目だ。彼的には大丈夫なのかわからないけれど、私的にはむりだ。恥ずか死んでしまう。は、離してもらわなければ……!!
「あ、あの、パーシヴァルさん。何か誰かがこっちに来てるみたいなので、その、離してもらえたら……」
「…………」
「……パーシヴァル、さん??」
声かけても返事なくて離す様子がない。それどころかさっきより抱き締める力が強く……??ちょ、ま、ちょっと苦しいし、は、離してもらわないと困る……!!!
離さないなら自分から離れようともぞもぞと動いたがまず身動きひとつ出来ない。抱き締める力が!!強すぎる!!!!何これ!!!!めちゃめちゃホールドされてる首も回らない!!!!
抜け出すのが無理ならば離して欲しいアピールをしようと思ってバシバシ叩いてみたが彼には全く影響がなく、それどころか私の手にダメージが。何なの流石筋肉が素晴らしいお身体……。
てか聞こえる声は先程より大きくなってるし、てかあと少ししたら鉢合わせるだろう。ううう……ほんとどうしたら、と思ってたら
「……………俺とこうしているのは嫌か?」
上から聞こえた彼の問い。何故かいつもと違って……何というか、弱々しく聞こえて
「嫌では、ないです!!」
言った自分でもびっくりするほどスパッと言葉が出てきた。ちょっといい淀んだけども速答してた。
「あの、別にこうされるのは全然嬉しいです。ほんとに。ただ、その、人に見られるとかは恥ずかしいだけで………………二人だけのときなら、いいですけど」
最後の言葉は彼に届くかわからないほどの、呟きのような小さい声になってしまった。だって恥ずかしいし。恥ずかしいし!!!!
でも耳元で囁けるぐらい近くにいる彼にその声はきちんと届いていたようで
「……なるほど」
その言葉と共にやっと緩んだ彼の腕。よかった、ちゃんと伝わったんだと思ってホッとする。これで近づいてる人たちに見られて恥ずかしい思いせずにす、
「ならば、俺の部屋でならいいな?」
…………なんて??
「二人だけのときなら構わないと自分で言っただろうが」
確かに言った。言ったけども。
「俺はここでも部屋でもどちらでも構わないが……ほら、聞こえるな?」
彼の言葉で耳をすますとわいわいと離す声が凄く近くなっている。このままだとあと少しで、
「えええええ、えっと、」
「どうする」
どうするって、え、あの、
「俺と共に、部屋に、くるな?」
その後??彼の無言の圧力に負けて頷いて彼のお部屋で思う存分ぎゅーされて、最後には抱き枕状態でしたが何か??
疲れた時には
(ぎゅーするのがいいそうです。)
(もう当分しませんが!!)
(ぎゅーするのがいいそうです。)
(もう当分しませんが!!)
5/8ページ