Find a Way
◼︎ 想い巡らせ
ものすごいことをしてもらった──
良太はいつの間にか帰宅し、二階の自室のパイプベッドに腰掛けていた。
一体自分がどうやって帰ってきたか記憶が定かでない。多分いつも通りにバイクで帰って来たのだろう、と思う。
じっと己の右手を見れば、つい数十分前までこの右手の内側に榊のしなやかな手指が重なっていたことが思い出される。のみならず、あの人の手が自分のこのジーンズの下におさまっているものを扱いたのだ。白く綺麗な指が、自分の張り詰めた陰茎に絡み付いて吐精を受け止めて──
これはもうほぼセックスでは⁉︎
あれ?いや違うな。
抜いてもらって、いい思いしたのは俺だけだもんな。
性的なことをするならば互いに気持ちよくなってこそ、というのが良太の理想だ。さらにどっちかといえば自分の方が榊に快楽を与え、それによって自分も満たされたい願望がある。奉仕欲を叶えたいとでもい言うおうか。
そのためにわざわざ、基本的に異性愛者でありながら男同士で交わる際の手順などを調べたりしているわけで、今回のように自分だけが自慰行為に相手の身体を「使う」ようなやり方は好みではない。たとえそれが、榊自らの積極性によるものであってもだ。
俺だって榊さんを良くしてあげたいし。
してもらったこと、それ以上のことを榊さんにもしたい。
あの人の快楽に昂ぶる顔を見たい、声を聞きたい、性器に触れたい。
だが今日のお返しだ、という理由を振りかざして迫り、無理矢理に性的刺激を与えようものなら間違いなく破局だ。せっかくここまで漕ぎ着けた関係を壊したくない。
なにせ榊は少年期にαの男からひどい性的暴行を受けているのだ。自分が男性型αというだけでマイナスからのスタートといっても過言ではない。辛い過去を彷彿とさせるような真似は絶対にしたくなかった。そこで良太が考えついたのは、
「オナニーのお手伝い、致します」
であった。相手が性的に催した時にお許し頂けたら協力を致します、というわけだ。これならばこちらが強引に迫るわけでもないので安全圏ではあるまいか?彼の方が自分を「使う」のなら全然構わない、むしろありがたい。
使ってもらうといってもまだどっちがどっちか保留なので、まさか尻を貸せとは言われない、ような気がする。たぶん。
良太は不安を紛らわせるようにスマホの写真フォルダを開く。おびただしい数の榊龍時の画像は、いずれも高校時代に撮影したものだ。当時の榊は二十歳くらい。顔貌や体型にはまだどことなく繊細な少年の面影が残っている。
画像と比較するように現在の榊の姿を思い浮かべる。
髪の色は当時のままだが長さが違う。顔立ちからは少年の甘さが消えて、大人っぽく艶やかになった。肩幅も広くなったみたいだし、胸筋の厚みも増しているのが押し上げられた上着の生地の様子からよくわかる。尻の筋肉などもまたズボンの皺と張りから見るに、胸と共に成長しているのが明らかだ。もともと低めの声もさらに深みと色気が増している。
有り体にいうと、全体的にエロくなってるのであった。
だからといって榊龍時という男が性欲旺盛であるかどうかは別だ。ましてや男が好きだから男と付き合っているわけでもない。良太はいわば特別枠なのだ。
同性でも良太に対しては嫌悪感が無いとはいえ、それが即ち性的接触への欲求に繋がるかといえば──
わっかんねえな、ほんと。
お手伝いしますとか、ドン引きされるかも。
順番からいけば今の俺らの関係の一歩先はそういうことなんだろうけど。
でもまだどっちがどっちとか決まってないから、一歩は無理でも半歩進めるとしたらソロの補助?は妥当な線なんじゃないか。
榊さんだって俺にしてくれたし。
なら不自然ではないはず!
そうと決まれば次に会うときは「お手伝い」の交渉だ。さてどんなタイミングがいいか?何と切り出そうか?拒否されたらどうしようか?あの人のことだから意外とあっさりOKしてくれるかも?
良太は狭いベッドに寝転び、次に会った時に備えてあれこれと想いを巡らせた。
ものすごいことをしてもらった──
良太はいつの間にか帰宅し、二階の自室のパイプベッドに腰掛けていた。
一体自分がどうやって帰ってきたか記憶が定かでない。多分いつも通りにバイクで帰って来たのだろう、と思う。
じっと己の右手を見れば、つい数十分前までこの右手の内側に榊のしなやかな手指が重なっていたことが思い出される。のみならず、あの人の手が自分のこのジーンズの下におさまっているものを扱いたのだ。白く綺麗な指が、自分の張り詰めた陰茎に絡み付いて吐精を受け止めて──
これはもうほぼセックスでは⁉︎
あれ?いや違うな。
抜いてもらって、いい思いしたのは俺だけだもんな。
性的なことをするならば互いに気持ちよくなってこそ、というのが良太の理想だ。さらにどっちかといえば自分の方が榊に快楽を与え、それによって自分も満たされたい願望がある。奉仕欲を叶えたいとでもい言うおうか。
そのためにわざわざ、基本的に異性愛者でありながら男同士で交わる際の手順などを調べたりしているわけで、今回のように自分だけが自慰行為に相手の身体を「使う」ようなやり方は好みではない。たとえそれが、榊自らの積極性によるものであってもだ。
俺だって榊さんを良くしてあげたいし。
してもらったこと、それ以上のことを榊さんにもしたい。
あの人の快楽に昂ぶる顔を見たい、声を聞きたい、性器に触れたい。
だが今日のお返しだ、という理由を振りかざして迫り、無理矢理に性的刺激を与えようものなら間違いなく破局だ。せっかくここまで漕ぎ着けた関係を壊したくない。
なにせ榊は少年期にαの男からひどい性的暴行を受けているのだ。自分が男性型αというだけでマイナスからのスタートといっても過言ではない。辛い過去を彷彿とさせるような真似は絶対にしたくなかった。そこで良太が考えついたのは、
「オナニーのお手伝い、致します」
であった。相手が性的に催した時にお許し頂けたら協力を致します、というわけだ。これならばこちらが強引に迫るわけでもないので安全圏ではあるまいか?彼の方が自分を「使う」のなら全然構わない、むしろありがたい。
使ってもらうといってもまだどっちがどっちか保留なので、まさか尻を貸せとは言われない、ような気がする。たぶん。
良太は不安を紛らわせるようにスマホの写真フォルダを開く。おびただしい数の榊龍時の画像は、いずれも高校時代に撮影したものだ。当時の榊は二十歳くらい。顔貌や体型にはまだどことなく繊細な少年の面影が残っている。
画像と比較するように現在の榊の姿を思い浮かべる。
髪の色は当時のままだが長さが違う。顔立ちからは少年の甘さが消えて、大人っぽく艶やかになった。肩幅も広くなったみたいだし、胸筋の厚みも増しているのが押し上げられた上着の生地の様子からよくわかる。尻の筋肉などもまたズボンの皺と張りから見るに、胸と共に成長しているのが明らかだ。もともと低めの声もさらに深みと色気が増している。
有り体にいうと、全体的にエロくなってるのであった。
だからといって榊龍時という男が性欲旺盛であるかどうかは別だ。ましてや男が好きだから男と付き合っているわけでもない。良太はいわば特別枠なのだ。
同性でも良太に対しては嫌悪感が無いとはいえ、それが即ち性的接触への欲求に繋がるかといえば──
わっかんねえな、ほんと。
お手伝いしますとか、ドン引きされるかも。
順番からいけば今の俺らの関係の一歩先はそういうことなんだろうけど。
でもまだどっちがどっちとか決まってないから、一歩は無理でも半歩進めるとしたらソロの補助?は妥当な線なんじゃないか。
榊さんだって俺にしてくれたし。
なら不自然ではないはず!
そうと決まれば次に会うときは「お手伝い」の交渉だ。さてどんなタイミングがいいか?何と切り出そうか?拒否されたらどうしようか?あの人のことだから意外とあっさりOKしてくれるかも?
良太は狭いベッドに寝転び、次に会った時に備えてあれこれと想いを巡らせた。