Find a Way
◼︎麗子さんにご報告
ベッドが届いた日、榊は午後からは食料品や日用品を買いに出かけた。
地元のスーパーマーケットとドラッグストアで買い物をした帰り、小田桐洋菓子店、通称オダカシに寄る。
菓子を買うついでに、麗子に報告をしておこうと思ったからだ。良太と付き合うことになったと。
「あら、いらっしゃい」
ショーケースの向こう側から麗子が声をかけた。
花園地区に戻ってきた榊が彼女に会うのは今日で二度目だ。一度目と同じく、昔から好物のタヌキケーキと焼き菓子を包んでもらった。
「実はご報告があって」
「なあに?」
「良太と付き合うことになりまして」
と榊が報せると、
「そう!ようやく!」
と麗子は目を見開いた。
「榊くんも腹を括ったってことか」
「そうなるんですかねえ。相手も自分も大人になった、ということで」
「良太はどんな感じよ」
「今のところ、αらしい束縛みたいなものは発揮されてないですね。付き合い始めてからまだ一週間ですけど」
「もし何か困ることがあったら遠慮なく知らせて。あたしはあんた達にβだとかαだとか、そんなことで不幸になって欲しくないからね」
「すみません、この後に及んで」
「いいのいいの。もしあいつが何処の馬の骨とも知れない奴と浮気でもしたら、あたしが捥 いでやっからさ」
軽くいうが麗子は本気である。
「あははは、それは自分でやります」
笑っているが榊も本気である。
そうして歓談してからオダカシを後にした榊はアパートへ帰宅した。
ベッドが届いた日、榊は午後からは食料品や日用品を買いに出かけた。
地元のスーパーマーケットとドラッグストアで買い物をした帰り、小田桐洋菓子店、通称オダカシに寄る。
菓子を買うついでに、麗子に報告をしておこうと思ったからだ。良太と付き合うことになったと。
「あら、いらっしゃい」
ショーケースの向こう側から麗子が声をかけた。
花園地区に戻ってきた榊が彼女に会うのは今日で二度目だ。一度目と同じく、昔から好物のタヌキケーキと焼き菓子を包んでもらった。
「実はご報告があって」
「なあに?」
「良太と付き合うことになりまして」
と榊が報せると、
「そう!ようやく!」
と麗子は目を見開いた。
「榊くんも腹を括ったってことか」
「そうなるんですかねえ。相手も自分も大人になった、ということで」
「良太はどんな感じよ」
「今のところ、αらしい束縛みたいなものは発揮されてないですね。付き合い始めてからまだ一週間ですけど」
「もし何か困ることがあったら遠慮なく知らせて。あたしはあんた達にβだとかαだとか、そんなことで不幸になって欲しくないからね」
「すみません、この後に及んで」
「いいのいいの。もしあいつが何処の馬の骨とも知れない奴と浮気でもしたら、あたしが
軽くいうが麗子は本気である。
「あははは、それは自分でやります」
笑っているが榊も本気である。
そうして歓談してからオダカシを後にした榊はアパートへ帰宅した。