今度は3人で。
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「・・・?」
彼がそれを拾い上げようとしてピタッと止まる。
たまたま開かれたページを食い入るように見ている。
「おい」
「はいっ!」
声をかけられて驚き、声が裏返る。
「テメェ・・・ここ行ったのか?」
「・・・は?」
彼が拾ったメモ帳を見せてくる。
1カ月前に行った洋菓子店のページだ。
「はい・・・行きましたけど・・・」
「・・・どうだった?」
ん?何を質問されてるんだ?
「お待ちどうさま」
マスターがモンブランとアイスティーをカウンターに置く。
彼はそれを凝視している。
「君は常連さんだから、あまり強くは言えないけど・・・うちで喧嘩はしないでね」
そう言ってマスターが、彼の前にコーヒーを置く。
「これ、サービスね」
「チッ・・・」
舌打ちをして、彼がカウンター席に座る。
どうしていいのか分からなくて呆然としているとマスターが「召し上がれ」と声をかけてくれた。
「あ・・・い、いただきます」
慌てて座って、紅茶を一口飲んでモンブランに口をつける。
「ん~!おいしい~!」
思わず口に出してしまい、ハッと隣の彼を見るとこちらには気にせず、コーヒーを飲みながら私のメモ帳を見ていた。
「あの~・・・返していただけませんか?」
思わずそう言うと彼から帰ってきたのは意外な言葉だった。
「・・・どこが良かった?」
思いもよらなかった言葉だったため、呆けてしまう。
「おい、テメェ!シカトしてんじゃねぇ!」
彼の怒声で我に返る。
「えっと・・・この中では、こことここと・・・あと、ここもおすすめ!」
彼に失礼な態度をとられても教えてあげたのは、何だか彼が噂通りの悪い人だとは思えなかったからだ。
「あ!あと、このメモ帳には載ってないんだけど、えーと・・・お店の名前なんだっけなぁ・・・」
「おい。・・・この後、暇か?」
「え?えっと・・・駅前に新しくできたパティスリーに行こうかと・・・そこにもモンブランがあってね!」
「行くぞ。・・・さっさと食え」
「へ?ちょっと待って・・・これは味わって食べたい!」
そう意気込んで言うと、彼は変なものを見るような顔で見てきたし、マスターはくすくすと笑っていた。
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