今度は3人で。
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思えば、モンブランとの出会いは小学3年生の時だった。
当時の私は、その存在は知っていたものの、栗のケーキではなく、その色からコーヒーのケーキだと思っていた。
しかし、栗が好物だった私は上にトッピングされている栗が食べたくて、親にねだって買ってもらったのだ。
意を決して食べてみると、口いっぱいに栗とクリームの甘さが広がり、思わず「あれ?苦くない!」と漏らしてしまい、両親に笑われたっけ・・・
「はい」
そんなことを思い出していると、マスターがメニュー表を出してくれた。
「ありがとうございます」
お礼を言ってメニュー表を広げる。
お目当ては・・・あった。
「モンブランと・・・アールグレイのアイスティーお願いします」
「君も、モンブランを食べに来たのか」
クスッと笑いながらマスターがメニュー表をさげる。
「はい。大好物なので」
笑顔でそう答えると、マスターは「ちょっと待ってて」と紅茶の準備を始める。
「・・・おい」
うきうきしながら、マスターの手元を見ていたら後ろから声をかけられた。
突然かけられたその声に肩を震わせ、振り向くと不機嫌そうな顔をした男が立っている。
高い身長に、銀髪を逆立てた特徴的な風貌。
彼が校内で噂される、不良の亜久津仁であることは誰もが一目でわかる。
「テメェ・・・こっち睨んでただろ」
「・・・へ?」
目が合ってすぐに睨んできたあなたに言われたくないのですが・・・?
そもそも私、睨んでないし。
「に、睨んでないです」
「あ?」
本当のことを言っただけなのに何で凄んでくるの~・・・!
「睨んでません・・・見てただけです」
「見てた・・・?」
彼がグイッと顔を近づけてくる。
「あ、あなたがモンブラン片手に笑ってたから・・・!」
「・・・!」
あ、まずい・・・眉間の皺が深くなってる。
「テメェ・・・」
「ひっ!」
彼の追求から逃れようと椅子から立ち上がると、その拍子に私のメモ帳が落ちた。
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