桜舞う中で
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結局、宍戸くんには何も聞けないまま・・・
私はのこのこと高校を卒業してしまった。
そして隣の家の彼に会うこともなく、日々をだらだらと過ごしていた。
進路に関してはずっと前から決めていたことで、
この春めでたく大阪の調理専門学校に行くことになった。
憧れている料理人さんがその学校の講師を務めていると聞いて、行かないわけにはいかなかった。
親はもちろん、担任の先生にもすごく驚かれたのをよく覚えてる。
「都内にも学校はたくさんあるのに」とか「誰に教わったっていいじゃないか」とか・・・
でも、ちゃんと心から説明したらみんな分かってくれた。
「忘れ物はない?」
「あっても送ってやるからかまわないよ」
そんな両親の会話を上の空で聞いていた。
今日で私はこの家を出る。
「足りないものは向こうで買いましょうね!」
「そうだな。」
そう言って父がエンジンをかける。
宍戸くんは、数日前に引っ越ししていたのを見た。
きっとあれが最後のチャンスだったはずなのに・・・
結局、私はあなたに何も言えないまま・・・
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