12話 突撃、みんなの晩御飯
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練習を終えた選手たちが晩御飯を求めて、食堂は人でごった返していた。
料理は厨房のシェフたちが用意してくれ、それを私たちが表まで運び、みんな好き勝手に食べるという、所謂バイキング形式というやつだ。
体調を崩した人たちの料理もシェフたちが用意してくれているが、深司と宍戸さんは例外。
##NAME2##が宍戸さんのご飯を作りたいと言い出し、私もそれに便乗した。
私の申し出に##NAME2##は一瞬驚いてたけど、実は私が一番驚いていた。
・・・誰かのために何かしたいって、こんなに強く思うなんて・・・自分でも驚きだ。
「##NAME4##」
そんなことを、ぼーっと考えていると不意に名前を呼ばれた。
「深司・・・」
いつの間にか、彼も晩御飯を食べに来たらしい。
「好きなとこ座って、待ってて!」
彼にそう言って、厨房に準備していた彼の晩御飯を乗せたトレーを取りに行く。
正直、ご飯に関しては私は最後の最後まで抵抗したのだけど、にやける##NAME2##とシェフたちが結局炊き上げてしまった。
「あ!アキラ!」
今まさにご飯をよそおうとしているアキラにちょうどいいとばかりに声をかける。
この、ご飯待ちの列に並んで深司を待たせる訳にはいかない。
「深司の分も、よそってもらっていい?」
「ん?いいぜ・・・ほら。」
アキラは快く承諾してくれ、ご飯をよそったお茶碗を私の持っているトレーに乗せてくれた。
「ありがと」
素直にお礼を言ってその場を後にする。
「はい。どうぞ」
言われた通り座って待っていた深司の前にトレーを置く。
「ん、ありがとう。美味しそうだね」
「##NAME2##と作ったから味は保証するよ!」
そう胸を張って言うと彼が笑う。
「何それ・・・いただきます」
彼が手を合わせて、箸を進めていく。
「どう・・・かな?」
不安になりながら彼にそう問う。
「ん、美味しいよ。でもやっぱり最初だから少し塩辛いね」
そう言ってご飯とぬか漬けを食べ進めていく。
「そっか・・・でも一先ず安心・・・」
「・・・何?」
彼の言葉に、ほっと胸をなで下ろしたのだが、彼の所作が綺麗で、彼の食べている物が美味しそうに見えてくる。
じゅるりっ。
「食べる?」
あまりにも見ていたせいか、彼がそんなことを言ってくる。
「え?」
思ってもいなかった展開に、思わずそう声を漏らす。
「はい。あーん」
「え?!」
深司が今、「あーん」って言った・・・?
私が深司の口から「あーん」を引き出させた・・・?
え・・・ちょっ・・・破壊力半端ない・・・勘弁して・・・
・・・かわいすぎか!
「あーん」
「あ、あーん・・・」
深司が、こっちに箸を突き出してくるものだから断り切れずに口を開ける。
「美味しい?」
そう聞いてくる彼に、「・・・美味しい」と返すけど本当のところは、一杯一杯で味なんて分からない。
「・・・時に##NAME2##、ホントに赤飯にしたんだね」
そう言って赤飯がよそってあるお茶碗に深司が目を落とす。
「いや・・・その・・・私は抵抗したんだけど・・・」
シェフまでも味方につけられたら、こっちに勝ち目はない。
「あー・・・##NAME2##って有言実行ってタイプだよね」
「確かにそうかも。二言目には「善は急げ」とか言って行動しちゃうタイプ」
「分かる気がする・・・でも、いつも強引なのはいい加減にして欲しいかな。ちょっとは振り回されるこっちの身にもなって欲しいよ」
「・・・深司、今日はおしゃべりだね?」
ふとそう思い、口に出す。
「え・・・?」
そう言って彼は驚いたような顔をする。
「・・・俺、##NAME4##といる時は沈黙がないように気をつけてるから・・・」
「えっ?」
そう彼に続けられ、思わず顔が熱くなる。
「迷惑ならやめるけど・・・」
「迷惑なんかじゃない!むしろ・・・その・・・うれしい・・・」
「そう・・・だったら良かった」
そう言って笑う彼に、また私の顔に熱が集まった。
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