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「ん、ごちそうさま・・・」


最後の一口を食べ終わり、彼女にそう告げる。


「いえいえ、お粗末様でした」


そう言ってにっこり笑う。

どうやらこの状況に少し慣れてきたらしい。

さっきの気まずさも今はなかった。



コンコンッ―


不意にドアがノックされる。


長太郎かと思って「おぅ！」と声をかけると予想外の人物が姿を現した。




「やぁ。宍戸、体調は・・・って君は・・・」

滝は部屋に##NAME2##がいることに驚いているようだった。


「あ。##NAME1## ##NAME2##です」

「そうだったね。改めてよろしく。」


お互いに軽く挨拶をした後に、突然彼女が再び頭を下げる。


「この間はお騒がせしてすみませんでした・・・」

「あぁ。かまわないよ・・・ここが君たちにとっては漫画の世界だなんて面白いよね」


そう言って滝が##NAME2##に笑いかけると彼女は予想外の反応を見せた。


「うわぁ・・・！生萩だぁ・・・！」


彼女がにこにこしながら、嬉しそうな声を上げるので思わず、ムッとする。

その様子を見た滝が、一瞬目を丸くしたがすぐに表情を戻して聞いてくる。


「で、宍戸。体調は？」

「別に・・・大したことねぇ・・・」


我ながら素っ気ない返しになってしまった。

でも、滝は驚くことなく寧ろ楽しむようにこちらを見ている。



「大したことない訳ないでしょ？さっきだって力入んなかったじゃん・・・」


心配そうな顔をして##NAME2##が覗き込んでくる。

正直言うと、かわいい。

滝さえいなけりゃどさくさに紛れて抱きしめたい。


「クスクスッ・・・宍戸、ちょっとこの子借りてもいいかな？」

滝にそう言われてなるべく平静を装いながら返す。



「あ？・・・別にかまわねぇけど・・・」

「ふーん・・・じゃあ、行こうか？」

俺の反応に滝は面白くなさそうにして、彼女に声をかける。




「へ？ちょっと待って・・・お皿、お皿っと・・・」


彼女がお盆に器とスプーンを載せている姿をじーっと見ていると滝が「へぇー？」と声を漏らす。

「・・・何だよ？」

「別に？」


俺が食ってかかっても、滝はにこにことかわす。


「じゃあね、宍戸。お大事に」

そう言ってドアを離れる滝の後を##NAME2##が追いかける。

ドアに片手をかけたところで振り返る。


「宍戸、ちゃんと寝るんだよ？後でまた見に来るからね？」

「おう」


まるで母親のような小言を言う彼女に返事をすると、ばたんっとドアがあっけなく閉まる。






「・・・他のやつにあんな顔見せてんじゃねぇよ・・・嬉しそうな顔しやがって・・・」



ドアを名残惜しそうに眺めていると、そんなことが口をついて出た。


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