10話 看病
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コンコン―
音のした方を見るとドアが開いてその隙間から##NAME2##が、にゅっと顔を出す。
「やっほー!元気・・・なわけないかぁ・・・」
彼女なりに気を使って元気に接しようとしたのだろうが、
俺の様子を見た彼女はすぐにしょんぼりしてしまった。
しかし、すぐに笑顔を作り直して手に持っていたものをこちらに見せる。
「これね!食べやすいかと思って、ゼリー作ったから食べないかなぁ・・・って。」
こちらを伺う彼女に「食べる」と返事をして身体を起こそうとするがうまくいかない。
昨日よりも熱も上がっていて、うまく力が入らない。
「大丈夫?!」
そんな俺の様子を見て、彼女が俺の元に飛んでくる。
手に持っていたゼリーをサイドテーブルに置く。
「ちょっと待ってね」
そう言った彼女は隣の長太郎のベッドから枕を取ってくると、俺の上にまたがる。
「力、入んないんだよね?・・・よっと!」
そう言いながら俺の腕を彼女は首にかけさせ、
ぐっと俺を抱き起し、空いた隙間に枕を差し込む。
そっと枕にもたれ掛からせてくれる。
彼女の甘い匂いが鼻孔をくすぐる。
・・・このままだと熱のせいで変な気でも起こしそうだ。
この間、告白まがいのことをされたし、嫌でも意識してしまう。
そんなことを考えていると「ひゃっ!」と彼女が変な声を上げて俺の胸にもたれ掛かってくる。
・・・俺の素直に反応した、その膨らみに触れてしまったらしい。
そりゃあ、こんな体制だしな・・・
動けない彼女に「すまん」と今にも消え入りそうな声で言うと、びくっと彼女の肩が震えた。
「あ、や・・・その、せ、生理現象!仕方ないことだから!」
そう言いながら彼女は、俺の上から何とか降りてベッドの端に座る。
「ゼ、ゼリー食べられる・・・?」
そう聞いてくる彼女の声が少し上ずっている。
この間あんなことした時は余裕そうだった彼女なのに、今は妙にどぎまぎしている。
・・・もしかして、相手から来られるのは苦手なのか?
「宍戸?」
彼女が心配そうに覗き込んでくる。
そんな彼女を見ていると口が勝手に動いた。
「・・・食べさせて。」
「へっ?!」
彼女が驚くのも当たり前だ。
言った俺が一番驚いている。
「えーと・・・」
目を泳がせて明らかに困っている彼女。
しかし、意を決したようにゼリーの器とスプーンを手に取る。
「あーん・・・」
そう言ってゼリーを掬ったスプーンを俺に差し出す。
耳まで真っ赤だ。
俺がじーっと彼女を見ていると、目を逸らしていた彼女と目が合った。
「た、食べるなら早く食べてよ!」
彼女が限界のようなので口を開くと恐る恐るスプーンを口に彼女が運ぶ。
口の中に桃の甘さが広がる。
「・・・うまい」
そう口にすると彼女が「よかった」と微笑んだ。
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