9話 キングからの頼み事
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コンコンッ――
「入れ」
声に応じて中に入る。
「来ましたけどぉ・・・」
故意ではないが嫌そうな声が出た。
「あぁ・・・急に呼び出してすまな・・・何だその顔は?」
今の私はめちゃくちゃ不細工な顔をしていると思う。
いや、普段の顔がかわいいとはとても言えないけど。
「跡部ぇ・・・タイミングが悪いよぉ・・・」
時と場合ってやつを考えて欲しい。
というか一々、館内放送を使って呼び出すのは勘弁していただきたい。
「何だ?何か作業でもしていたのか?」
どうやら跡部は私がマネージャーの仕事をしていたと勘違いしたらしい。
宍戸が弱ってるこんなおいしい状況を放って仕事するほど出来た人間じゃないっす。
ん?
作業・・・?
「あ!」
「・・・今度は何だ?」
跡部が眉間に皺を寄せる。
「いやほら、倉庫の片づけをしたらどうかなぁって!」
とんと忘れてた。いけねぇいけねぇ。
「アーン?何でそんな必要があるんだ?」
私の意味不明な発言に跡部が顔を顰める。
「ほら!一昨日、雨が降ったでしょ?んで、お迎えに行かされたでしょ?」
「あ、あぁ・・・そうだな・・・」
跡部が気まずそうに目を逸らす。
「その時にさ、合羽か傘を借りようと思ったんだけど、伴じぃが『備蓄してるはずなのに見つからない』って言ってたんだよ」
仕方なく、そのまま迎えに行って全身びしょ濡れになったのは言うまでもない。
「見つからないってことは、倉庫の物が整理できてないんじゃないかなって思ってさ」
緊急の時なんかに「あれがない」「これがない」なんて言ってらんないしね。
「宍戸の看病の合間でいいなら私やろうか?」
自分の部屋は片づけるの苦手だけど、他人の部屋を片付けるのは好きである。
「あぁ。それなら自主トレしてるやつらに声かければ、そんなに時間はかからないだろ」
端末を取り出して「ちょっと待ってろ」と各校の部長に連絡を取り出した。
こういうところはさすがとしか言えないな。
社会人になったらスマートに仕事こなしそうだよな、跡部は。
あれ?っていうか私が呼び出されたんだよね?
完全に私の頼みを聞いてもらってるよね、これ?
私への用事は何だったんだろうか・・・
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