5話 無装備豪雨
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「何で、こんなことに・・・」
ぶつくさ言いながら彩乃が、とぼとぼと歩く。
「仕方ないじゃん。伴じぃが、行けって言うんだから。」
大雨の中に、何の装備も無く追い出されたので、思わず愚痴っぽくなる。
「あぁもう・・・!ただでさえ、行きたくないのに・・・」
跡部と忍足が居るからだろうが、そこまで言ってやらんでも。
「どんだけ嫌いなんだよ・・・まぁ、お前に拒否権はないよ。」
「主!?何、さらっと怖いこと言ってんの!?私にも拒否権くらいあるからね!?」
声を大にして、抗議してくる。
・・・。
「え~と・・・氷帝のコートは、こっちだったかなぁ?」
「ねぇ!無視!?無視なの!?」
大雨のせいか、いつもより声量が出てるなぁ・・・
「ところで・・・何で、こんな草いっぱいのとこ通ってるの?」
「途中で道間違えたら、ここに出た。」
私は地図を理解することは出来るが、それを現実のそれと照らし合わせるのが苦手なのだ。
所謂、方向音痴というやつだな!
私だって、まだ捻った足が痛いんだから・・・
出来ることならば、こんな道なんて通りたくなかったよ。
現に、出発した時よりも痛みが強くなってるし・・・
「どうやったら、こんなとこ来るんだ!バカ!」
「おっしゃるとおりです!」
声を荒げる彼女に対して、ふんぞり返ってみせる。
「だが、私に道案内を投げた・・・お前も同罪だ!」
「威張ってんじゃねぇ!」
彼女に頭を殴られたのは、言うまでもない。