5話 無装備豪雨
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『今日は各地、とてもいい天気となっております。雨のところはないでしょう!』
ザァーーーーー
・・・・・・・・・。
みんな、言いたいことは分かるぞ・・・。
『以上、お天気でした!』
『つづいてはー・・・』
「ん?少し黙ろうか?」
そう言って、指の関節をポキポキ鳴らしながらテレビに近寄っていく真琴を慌てて深雪が止める。
「ちょっと落ち着こうね!?テレビ相手に何しようとしてんの!?」
まぁ、真琴の気持ちも分からないでもない。
「ありえない・・・でも嬉しい・・・」
「ほんの10分前まで、晴れてたのにね」
彩乃に、美夜子ちゃんが答える。
これってスコールってやつなのかな?
それにしては、長く降ってるな・・・
ゲリラ豪雨ってやつか?
「ねぇ、これってすぐ止むのかな?」
そう言う私に対してみんなが顔を歪める。
予定表には『雨天時は即時中止、室内メニューに切り替え』とはなっているが、天気予報が天気予報なので、どうにも判断しづらい部分がある。
みんなで共有スペースで、うんうん唸って考えていると館内アナウンスが流れた。
『ん!コホンッ!・・・えー、今日の練習は中止だ!繰り返すよー!今日の練習は・・・』
「スミレちゃんだ」
「スミレちゃんだね」
「スミレちゃんだわ」
と、口々に放送主の名前を言い合う。
すると、そこに伴じぃが慌てた様子で走ってきた。
「あぁ!ちょうど良かった!跡部くんと連絡が取れないんですが、見てきてもらえませんか?」
そう頼まれたのは、私と彩乃だった。
たぶん担当校だからである。
「え?連絡取れないって・・・どういうことですか?」
驚いて、そう返す私に伴じぃも困った様子で返す。
「何度も鳴らしてるんですが・・・跡部くんだけ、どうしても連絡が取れないんです・・・!」
鳴らしているというのは、"連絡が取りやすいように"と、各校の部長に渡されている端末のことだろう。
「うーん・・・合羽か傘って、お借りできます?」
そう伴じぃに聞くと、また困ったような顔をする。
「それが・・・備蓄しているはずなんですが、見つからないんですよ」
は?
つまり・・・ノーガードで、跡部達を迎えに行けって言ってるのか?
この、じじぃ・・・!
「大変申し訳ないのですが・・・」
「はぁ・・・分かりました。行きますよ・・・」
伴じぃの声を遮って、その頼まれごとを引き受ける。
こうなりゃ、自棄だ。
「ありがとうございます。助かります」