4話 刃傷沙汰…?
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「む、無理無理!そんなの無理ぃ!」
せっかく不動峰が割り当てられたのに、駄々をこねているのは、もちろん彩乃だ。
来た時は、嘘だと言って中々信じてくれなかったくせに、本人を前にするとこれである。
「何で?タオルとドリンク渡すだけじゃん!」
そして正直、私はこの状況を楽しんでいる。
だって未だかつてこんなに女の子らしく恥じらう、彩乃を見たことがないもの。
「主が先に行きなよ・・・」
にやにやしながら彼女の返答を待っていると訳の分からないことを言ってきた。
昨日、死ぬほど恥ずかしい思いをした私にとって、そんなのお茶の子さいさいである。
というか、昨日の一件で、不動峰メンバーに顔を覚えられていた。
彼らが覚えてるということは、恐らく他校生も覚えてるだろう・・・恥ずかしい!
「で?誰に持って行けばいいの?」
そう聞くと、予想に反した答えが出てきた。
「て、鉄とか・・・?」
え?何で、鉄?よりにもよって鉄?
彼女のことだから、橘さんあたりを提案してくるのでは、と思っていたのだが・・・
「ん、分かった」
「えっ?ちょっ!」
あっさりと私が受け入れたことは、どうやら彼女の意に反した行動だったようで、彼女が慌てる。
それはそうだ。
彼女は、あの恥ずかしい珍事件を知らないのだ。
私も、あれがなければ彼女の様に、少々ごねていたかもしれない。
不動峰の練習場に来たときにアキラが「あ。お姫様抱っこの・・・」と口にし、彩乃に「なんのこと?」と聞かれたが「さぁ?」としらを切った。
彼女に本当のことを話せば「バカじゃないの?」と言われて、説教されるのがオチである。
「石田くん、お疲れさま!」
「あぁ!マネージャーの・・・足、大丈夫?」
私が、へこへこと捻った足を庇いながら歩いてたから心配される。
「走ったりしなければ、平気よ!どうぞ!」
「そうか・・・良かった。ありがとう、助かるよ!」
そして、私は難なくミッションをこなして彼女の元に戻る。
「さぁ?私は、持ってったけど?」
そう言って彼女の様子を見ると無言で目を泳がせていた。
・・・なんか、こう見ていると彼女が言う「無理」も相まって、某ほにゃららマスターの森○保乃々ちゃんに見えてきた。
こういう反応を見ると、やはり意地悪したくなっちゃうよね。
それに今回のことは、彼女のためでもあるのだから。
「ってか、お前何でやたらと怪我してんの?」
「へ?」
突然そんなことを聞いてくるから驚いた。
・・・って、話を逸らすんじゃないよ。
「まぁまぁ!お気になさらずに・・・行きましょうね~♪」
「む、むーーーりーーー!」
彼女の背中を文字通りぐいぐい押してやると、完全にぼ○のさんになってしまった。