2話 全校合同合宿
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―ガチャ
「よっと。ちょっと待ってろ?」
そう言って彼はわざわざ椅子に下ろしてくれた。
ここに来るまでというもの、みんなの視線が痛くて恥ずかしくて死ぬかと思った。
宍戸に関しては他校の部員にからかわれてて・・・本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
「あっと・・・これか。」
そのうえ、手当てまでしてくれようとしてる彼にたまらず声をかける。
「あの・・・もう大丈夫なので、部屋に戻ってください」
お姫様抱っこなんてされてここに来たわけだけど、傷はそんなに酷くないし自分でも十分手当てできる・・・はず。
そう思って、言ったんだが彼は引かなかった。
「いいんだよ。こういう時は頼っとけば。」
そうやって笑う彼は手当ての道具を一式持って、私の前に跪く。
「でも・・・」
なおも食い下がる私に彼は
「いいから黙って手当てされとけ」
と、私の頭をぽんぽんとするものだから私はそのまま何も言えなくなってしまう。
「ほら、手。ちょっと沁みるだろうけど我慢な?」
「っ!」
そう言いながら彼は手際よく丁寧に手当てをしていく。
どうやら手も擦りむいていたらしい。
我ながら、ほんと怪我多いな・・・
「よし、もういいぞ。」
「・・・ありがとう」
「鼻血は?」
「ん・・・止まった。」
「よかったな」
彼が優しく微笑む。
「あ、ありがとう、宍戸くん・・・」
私がお礼を言うと彼はなぜか驚いていた。
あれ?私、なんか変なこと言ったかな?
「名前・・・俺、言ったっけ?」
「へ?・・・あ。」
まずった。気が緩んだ。
必死に考えを巡らせて言い訳を考える。
「あ、えーっと・・・長太郎くん?が、そう呼んでたから」
「あぁ。」
どうやら納得してくれたようだ。
まぁ、嘘は言ってない。