1話 落ちる
夢小説設定
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「今、ここに来る直前のこと思い出してたろ?」
「えっ・・・うん・・・」
言い当てられて、なんとも歯切れの悪い返事になる。
「僕は、それを見てたんだ!」
彼のそんな言葉に対して、真琴が両腕で自分のことを抱き込み、顔を引きつらせてこう言い放つ。
「え・・・ストーカー・・・?」
・・・私も似たようなこと思った。
「違うよ!そうじゃない!!僕は魔法使いで、色んな世界を旅してるんだ!」
また何を訳の分からないことを・・・
「30歳まで童貞を貫けば魔法使いになれるんだっけ?・・・あんた、そんな歳いってるの?」
思わず真顔でそう言い放てば彼は訳が分からないという顔をした。
「なんだ、それは・・・?よく分からないけど僕に歳はない。正確には・・・永い年月、旅をしてるから覚えてないんだ」
・・・ということは、ものすごく年寄りってこと?
あの見た目で、こんな子供みたいな話し方するのに・・・?
「旅の途中で面白そうな事があれば、魔法を使ってイタズラをする・・・たまたま君たちを見て面白そうだなぁって。漫画の世界でもなんでも僕にかかれば訳ないからさ。」
いや、そりゃあ・・・
トリップって・・・夢にも見たことだけど自分の身に本当にそんなことが起こるなんて・・・
「ハイ!とりあえず、これは明日の荷物ね」
彼がそう言うと私たちの目の前に紺、橙、桃のキャリーケースが出てくる。
ちょっと待って・・・
今、突然目の前にポンッて出てきたよね?
しかもご丁寧に私たちが好きな色である。
「ほら。ちゃんと中も入ってるよ」
そう言って彼が指を振ると、キャリーケースがひとりでに、ぱたんっと開く。
「すごい・・・中の服や小物も私好みだ・・・」
右に同じである。
「ところで明日って・・・何かあるのかしら?」
美夜子ちゃんの疑問はもっともだ。
彼はこれを出すときに「明日の荷物」と言った。
来て早々・・・旅行にでも行けと?
「何って・・・明日は、全校合同合宿だよ」
「「「はい?」」」
何やら前途多難そうである。
To be continued...