神代編
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伸ばされる手。その手を私は掴まなかったけれど・・・
それでも本当は
貴方が手を伸ばしてくれた事が嬉しかったのよ?
だから今度は私じゃなくてあの子にその手を差し伸べてあげて
それじゃあ行ってくるね×××、×××。
***
「・・・?何を考えてたんでしたっけ?私。」
ハッと意識を戻せば真っ赤な夕焼けが道を照らしていた。
ーーーそうだった。確か夕飯の買い物をしていたんだった。
今日の献立はどうしようか。やはり大人数だから鍋が最適だろうか。そんな事を取り留めなく考えながら目の前のスーパーの自動ドアを潜る・・・と。
一面の青が広がっていた。
「・・・。」
一瞬反応が遅れて違和感を感じ、そこから更に遅れて異常に気がついた。
一歩下がる、自動ドアが戻る気配は無い。
改めて店を見る、店そのものが一面の青に変わっている。
ーーー此処は、異常だ。
引き返そうともう一歩。下がろうとして、違和感。
足元を見ると、床そのものが消失していた。
遅れて、衝撃、降下。
落下。
落ちて落ちて落ちて、ただひたすらに落ちていく。
「つう、あ・・・。」
止まらない、変わらない。
「あ、あああ。」
一面の青、延々の青。
永遠の青。
「ああああああああああっ」
只々、為すすべなく私は落下した。
***
何かが落ちる衝撃音と、ビリビリと伝わってくる衝撃の余波らしき振動で男は目を覚ました。
ムクリと起き上がって薄着のまま部屋を出る。
少し歩いて中庭に出ると見張りをしていた青年が息を切らしながら男の前まで走ってきた。
「い、インドラ様!!大変ですっ何やら得体のしれない者が空から!!」
青年は堰を切ったかのように話し出す。
その話をひとしきり聞いた男はふむっと少し頷くと「持ち場に戻れ」と一声かけてそのまま歩き出した。
ギシギシと歩くたびに軋む床板の音だけが響くなか、老年の男・・・インドラは黒だった瞳を、後の世で写輪眼と呼ばれる瞳に変化させると一気に歩く速度を速めた。
***
「・・い・・・きろ」
ーーー誰かの声が聞こえる。
ふわふわと心地の良い微睡みの中でうるさいくらいに自分を呼ぶ声が聞こえる。
邪魔しないでほしいと縁はそれを拒否した。
やめて欲しい。
もう少し夢を見させて。起こさないで。
起きたってきっと・・・きっと
希望何てありはしないのだから。
そんな不確かで、不安定な感情をそのままに夢を消去して頭が覚醒していく。
瞼を開いてクルリとその場を回る。
「あら?」
どうやら縁は現在何やら特徴的な集団に取り囲まれているらしかった。
その特徴的な装いは何処となく日本で言う縄文・弥生時代くらいの人々の装いに似ている。しかし、髪型はその時代の代表的な型であるミズラなどではなく短く整えられていたり、伸ばした髪を括っていたりとさまざまであった。
「・・・?」
更に周りに目を凝らすと住居らしき建物もそのころの建築様式よりかなりしっかりしており不自然というか・・・ミスマッチ、と言った方がいいのだろうか。
「・・・いつの間に時間朔行を・・・私のいる軸に繋がった縄文、弥生時代とは違うみたいだし・・・この場合絡んでくるのは第二か第五あたりかしら・・・けどそんなの心当たりはないし・・・」
ポソポソと呟いた縁は口元にもっていった己が手。正確にはそこから続く腕に掛かる衣服に目が行く。
「・・・私、確か制服を着ていたはずなのだけれど。」
どこからどう見ても現在縁が着ている服は十二単である。不思議と重さは感じないがどう見てもスーパーに着ていくようなものではない。
そんなことを考えているとカチャカチャと周りの集団が武器らしきものを握る音が聞こえる。
向けられる縁は悲鳴の代わりにはあっと溜息を一つ零して瞼を閉じた。
「刻印、起動ーーー閉じなさい、揺り籠のあやし手。」
発現と同時に閃光が奔る。
それがやむころには縁の周囲には半透明な繭のようなものが展開されていた。
周りの集団はそれに怯んだのか構えるのみにとどまっている。現状が知りたかった縁はさてどうやって会話までもっていこうかと悩んでいると、そこに新たに土を踏む音が聞こえた。
現れたのはおそらく60前後の男であった。
「こんにちは。」
場違いなことは承知の上で笑顔で挨拶する。
が、男はその返事を返すわけでも、表情を崩すでもなくただ縁を見かえすのみだ。
「貴様は」
ぽつりと男が呟いた。
「貴様は何者だ。」
「え?」
ただ問われた。それだけだ。
その筈だ。と、言うのに。
ズルズルと縁はその場に倒れこんで、意識を失った。
ーーー私はだあれ?
何処かで誰かが呟いた気がした。
それでも本当は
貴方が手を伸ばしてくれた事が嬉しかったのよ?
だから今度は私じゃなくてあの子にその手を差し伸べてあげて
それじゃあ行ってくるね×××、×××。
***
「・・・?何を考えてたんでしたっけ?私。」
ハッと意識を戻せば真っ赤な夕焼けが道を照らしていた。
ーーーそうだった。確か夕飯の買い物をしていたんだった。
今日の献立はどうしようか。やはり大人数だから鍋が最適だろうか。そんな事を取り留めなく考えながら目の前のスーパーの自動ドアを潜る・・・と。
一面の青が広がっていた。
「・・・。」
一瞬反応が遅れて違和感を感じ、そこから更に遅れて異常に気がついた。
一歩下がる、自動ドアが戻る気配は無い。
改めて店を見る、店そのものが一面の青に変わっている。
ーーー此処は、異常だ。
引き返そうともう一歩。下がろうとして、違和感。
足元を見ると、床そのものが消失していた。
遅れて、衝撃、降下。
落下。
落ちて落ちて落ちて、ただひたすらに落ちていく。
「つう、あ・・・。」
止まらない、変わらない。
「あ、あああ。」
一面の青、延々の青。
永遠の青。
「ああああああああああっ」
只々、為すすべなく私は落下した。
***
何かが落ちる衝撃音と、ビリビリと伝わってくる衝撃の余波らしき振動で男は目を覚ました。
ムクリと起き上がって薄着のまま部屋を出る。
少し歩いて中庭に出ると見張りをしていた青年が息を切らしながら男の前まで走ってきた。
「い、インドラ様!!大変ですっ何やら得体のしれない者が空から!!」
青年は堰を切ったかのように話し出す。
その話をひとしきり聞いた男はふむっと少し頷くと「持ち場に戻れ」と一声かけてそのまま歩き出した。
ギシギシと歩くたびに軋む床板の音だけが響くなか、老年の男・・・インドラは黒だった瞳を、後の世で写輪眼と呼ばれる瞳に変化させると一気に歩く速度を速めた。
***
「・・い・・・きろ」
ーーー誰かの声が聞こえる。
ふわふわと心地の良い微睡みの中でうるさいくらいに自分を呼ぶ声が聞こえる。
邪魔しないでほしいと縁はそれを拒否した。
やめて欲しい。
もう少し夢を見させて。起こさないで。
起きたってきっと・・・きっと
希望何てありはしないのだから。
そんな不確かで、不安定な感情をそのままに夢を消去して頭が覚醒していく。
瞼を開いてクルリとその場を回る。
「あら?」
どうやら縁は現在何やら特徴的な集団に取り囲まれているらしかった。
その特徴的な装いは何処となく日本で言う縄文・弥生時代くらいの人々の装いに似ている。しかし、髪型はその時代の代表的な型であるミズラなどではなく短く整えられていたり、伸ばした髪を括っていたりとさまざまであった。
「・・・?」
更に周りに目を凝らすと住居らしき建物もそのころの建築様式よりかなりしっかりしており不自然というか・・・ミスマッチ、と言った方がいいのだろうか。
「・・・いつの間に時間朔行を・・・私のいる軸に繋がった縄文、弥生時代とは違うみたいだし・・・この場合絡んでくるのは第二か第五あたりかしら・・・けどそんなの心当たりはないし・・・」
ポソポソと呟いた縁は口元にもっていった己が手。正確にはそこから続く腕に掛かる衣服に目が行く。
「・・・私、確か制服を着ていたはずなのだけれど。」
どこからどう見ても現在縁が着ている服は十二単である。不思議と重さは感じないがどう見てもスーパーに着ていくようなものではない。
そんなことを考えているとカチャカチャと周りの集団が武器らしきものを握る音が聞こえる。
向けられる縁は悲鳴の代わりにはあっと溜息を一つ零して瞼を閉じた。
「刻印、起動ーーー閉じなさい、揺り籠のあやし手。」
発現と同時に閃光が奔る。
それがやむころには縁の周囲には半透明な繭のようなものが展開されていた。
周りの集団はそれに怯んだのか構えるのみにとどまっている。現状が知りたかった縁はさてどうやって会話までもっていこうかと悩んでいると、そこに新たに土を踏む音が聞こえた。
現れたのはおそらく60前後の男であった。
「こんにちは。」
場違いなことは承知の上で笑顔で挨拶する。
が、男はその返事を返すわけでも、表情を崩すでもなくただ縁を見かえすのみだ。
「貴様は」
ぽつりと男が呟いた。
「貴様は何者だ。」
「え?」
ただ問われた。それだけだ。
その筈だ。と、言うのに。
ズルズルと縁はその場に倒れこんで、意識を失った。
ーーー私はだあれ?
何処かで誰かが呟いた気がした。
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