デフォルト名はアリスになります。
Digimon Tamers - ネイビーブルーの痕跡 -
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暗い亀裂の下はどういう訳か光溢れる森が広がっていた。
空では何もできない。
そのまま木が生い茂る森に落下。
バキバキと木の枝を降りながら地面に激突。
木の枝と地面の苔のお陰か、奇跡的に無傷だった。
「参ったわね。」
空を見上げると荒野と同じように青い空が広がっている。
これがデジタルワールド。
「全く常識が通じない。」
何も手掛かりがない。
振り出しに戻ってしまった。
「大丈夫でクル?」
油断していた。
足元を見ると小さな白い生き物。
この子もデジモン、だろうか?
敵意は感じない。
立ち上がり身体についた木の葉や枝を落とす。
「啓人たちを知らないでクル?」
小さなデジモンがぴょんっと胸に飛び込んで来る。
アリスはそのデジモンがそのまま落ちてしまわないよう抱えた。
「秋山遼という子には会ったわ。」
「知らないでクル……。」
どうやら何人かこの世界にいるらしい。
「あなた、名前は?私はアリス。」
「クルモンはクルモンです!」
元気よく返事したデジモンはクルモンと名乗った。
「あの、あの!クルモンと一緒に啓人たちを探してほしいクル!」
浮かんだクルモンはアリスの周りをくるくると飛び回る。
次の目標が見つかった。
「……いいわ。」
「やったーでクル!!」
ニコニコと笑いながらさらにくるくる回る。
つん、と肩の上に乗ってきた。
デジモンは色々な個体がいるようだ。
「で、その子達の居場所に心当たりはあるの?」
「わからないでクル……。でも、啓人たちの旗でクル!!」
クルモンが首に巻いた布を一生懸命広げて見せてくる。
「(旗……。)」
アリスにはクルモンが巻いているのはボロ布だと思っていたが、よく見るよ似顔絵がたくさん描かれている。
これだけじゃあ手掛かりにならない。
しかし、ボロ布になるほど探し回ったのだろう。
クルモンの顔についた泥を拭ってあげる。
森の中を歩き始めた。
―――――――――――――
途中で夜になり、休憩を挟んでいた。
周囲が明るくなりクルモンが目を覚ますと再び歩きだす。
遠くから水の音が聞こえる。
水分補給してもいいだろう。
「きゃーーー!!!」
遠くから女の子の悲鳴が聞こえた。
悲鳴が聞こえた方向に向かって走る。
川辺に着くと大きな川があり、上流から女の子が流されて来ている。
アリスは急いで周辺に生い茂る蔦を手繰り寄せ、紐状にする。
そして、太い木の枝を蔦に巻き付け流されていく女の子目掛けて投げた。
同時に反対の端を近くの木の幹に縛りつける。
即席の縄では心許ない。
急いで少女のもとに駆け寄った。
少女は無事に木の枝を掴み、濁流から抜け出していた。
「ありがとう……。レナモン。」
「大丈夫でーすか?クル〜」
クルモンと少女は知り合いらしい。
「クルモン!」
クルモンと少女がお互いに駆け寄る。
「もう、探したんだから。」
「!?……あんた誰?」
少女がアリスに気付いた束の間……。
「瑠姫!!逃げろ!!」
声の方を振り向くと、濁流が迫っていた。
アリスは少女の手を引こうとするも、黄色い影に連れて行かれた。
影はおそろしく早い。
しかし、アリスも速さでは負けていなかった。
水に飲まれる寸前で走り出し黄色い影と共に濁流から逃れようとさらに走る。
自然の力は恐ろしい。
水の勢いは劣らずに後ろを着いてくる。
ついに4人は飲み込まれた。
バシャーーーーーー!!!!!
「きゃーーー!!」
4人を飲み込んだ水は間欠泉の如く、岩の隙間から噴き出した。
空中に打ち出される。
「レナモン!!」
EVOLUTION_
レナモンと呼ばれた人型の黄色いデジモンが大きな狐のような姿に変わる。
宙を舞う少女とクルモンを背負い、華麗に着地した。
アリスは自身で荒野に着地する。
「ありがとう、キュウビモン。……ここは。」
「どうやら、また元の世界に戻ってきたようだ。」
最初に見た荒野の世界。
「さっきも言ったけど、あんた誰。」
「私はアリス。その小さなデジモンと人を探していた。」
少女が眉を寄せる。
「なんであんたがクルモンと居たの?」
「瑠姫!」
キュウビモンに嗜められる。
「……私は牧野瑠姫。キュウビモンのテイマーよ。」
「そう……。」
どうやら色々気に入らないらしい。
「なんでデジモンも連れてないあんたがここにいる訳?危ないんだから早くリアルワールドに戻りなさい。」
「戻り方がわからない。」
言い方はキツイが心配しているのだろう。
「じゃあキュウビモンに乗って。」
言われた通り、アリスがキュウビモンの背に乗る。
しっかりと乗ったのを確認するとキュウビモンは走り出した。
しばらく走ると岩がちな地形になってきた。
「もうそろそろよ。」
遠くの岩場に人影が見えてくる。
全員がこっちを向いていた。
「キュウビモン!瑠姫!あれは僕たちの旗!」
「クルモン!クルモンだ!!」
青いフードをのある服を着た少年が笑顔で迎える。
クルモンが少年に向かって飛び込む。
「心配したよ、瑠姫。」
オレンジのベストを来た少年も前に出てくる。
「ごめん。」
再会を喜ぶ子どもたち。
少し遅れてキュウビモンから降りたアリスに一同の視線が刺さる。
「この子は一体誰?」
クルモンを抱く少年が問いかけてくる。
「私はアリス。」
「が、外国の人じゃないんだ、僕は松田啓人っていいます。こっちはギルモン。」
啓人がぎこちなく答える。
「僕は李健良。」
「ボク、テリアモン〜。よろしくねー。」
「私、加藤樹莉。そしてパートナーのレオモン。アリスちゃん!よろしくね!」
「オレは塩田博一!」
「ボクは北川健太っていいます……。」
各々が自己紹介をしていく。
何人かパートナーデジモンが居ないらしい。
「クルモンも見つかった事だしさっさとリアルワールドに戻ろうよ。」
瑠姫の一言で全員がハッとする。
「そうだね、みんな心配してるだろうし。」
「ジェン、なにしてるの?」
テリアモンが機械をいじる健良に問いかける。
「山木さんに連絡が取れれば、何か分かると思ったんだけど……。」
「だったら遼さんに聞いてみたらいいんじゃないか?」
「そうだな〜。」
「ふん、あんなやつ……。」
「瑠姫、どうしてあの男の事になるとそうムキになる。」
「別にムキになんか……。」
子供達が話をしている中、わずかに殺気を感じた。
崖の上だ、そこに何かいる。
ブゥゥゥゥゥウン!!!!!
エンジンを蒸す音が轟く。
大きなバイクに乗った何者かが飛び出して来た。
アリスは子供達とその何者かの間に立つ。
「何者。」
「この間のバイクデジモン。あぁ〜なんかすっげぇやな感じ!」
テリアモンが睨みつけた。
健良が手元の緑色の機械を眺める。
仮想モニターには何も表示されない。
「データが表示されない……。ということは、お前もデーヴァか!?」
「さぁ?どうだかなぁ」
全身黒ずくめのバイクに乗ったデジモンが答えにならない答えをする。
すると、キュウビモンがなにか気付いたらしい。
「(まさか……。)」
「お前は、インプモン。」
一同が声を上げる。
キュウビモンがインプモンと呼ばれたデジモンの前に立つ。
もしや知り合いなのか?
「インプモンだあ?ふん、そんな奴はもう居ねえ。今の俺はベルゼブモンだ。」
「ついに進化したのか。」
「ベルゼブモン、究極体。魔王型デジモン。必殺技はダブルインパクト。」
先ほどの仮想モニターにベルゼブモンの姿が映し出される。
分析されたデータを健良が読み上げた。
「こいつの事よ。」
二つ銃口が並んだ拳銃をキュウビモンの顔に突きつける。
「俺はお前らを……。殺す!!」
一同に緊張が走った。
「インプモン、すごく怖くなっちゃった。」
「インプモンって前に会ったあいつだろ?」
「うん」
「あの小憎らしいけどちょっと可愛いデジモンが……。」
それぞれがインプモンに対して語る。
「インプモンが何よ!」
瑠姫が動く。
カードを取り出して青い機械にスキャンさせる。
光がキュウビモンを包み込んだ。
EVOLUTION___
「タオモン。」
空が暗くなる。
風が強くなり、砂嵐が吹き始めた。
ノイズのように視界を遮り、小石のせいで目を開けるのも大変だ。
「オン―――」
「また今度だ!!」
戦闘が始まるかと思いきや、ベルゼブモンはバイクで崖を登り逃げてしまった。
ピシャリと落ちてくる稲妻。
タオモンが貼ったバリアのおかげで何事もなかった。
しかし、砂嵐の向こうに影が見える。
「愚かな人間共よ。」
「何やつ。」
瑠姫のディーアークに仮想モニターが表示され、デジモンのプロフィールが読み込まれる。
「チャツラモン、完全体。聖獣型デジモン。」
「デーヴァ!?」
一同が動揺する。
「はぁぁぁぁあ!!!!!」
チャツラモンが口から気を吐く。
タオモンのバリアが破壊され、稲妻も相まって消失した。
突風が子供達を吹き飛ばす。
その隙にチャツラモンがクルモンを連れ去ってしまう。
タオモンが再びバリアを貼るが啓人、健良とテリアモンが外れてしまった。
2人が光の柱に連れて行かれる。
突然砂嵐が止んだ。
残されたのは、アリス、瑠姫、樹莉、健太、博一、そしてギルモン、レナモン、レオモン。
クルモンと啓人と健良とテリアモンを探すべく、一行は荒野を歩き始めた。
「クルモン大丈夫かな」
「クルモンは彼らにとって大事な存在だ、おそらく大丈夫だろう。」
樹莉とレオモンの会話。
クルモンがはぐれてしまっていたのは何か原因があるらしい。
「瑠姫ちゃんもそう思う?」
不意に話しかけられ足を止める瑠姫。
「樹莉。」
「なあに?」
「『ちゃん』はやめて。」
ぶつぶつと文句を言う瑠姫。
二人のたわいもない会話を他所に、アリスは空を見上げていた。
この子たちは自分が住んでいた世界を離れて寂しくはないのだろうか?
子供たちを最後尾で観察していたがみんないつも明るい。
多少の衝突はあるがそれはそれぞれの素直さ故なのだろう。
などと、ぼーっと考えながら歩いていると、博一が地面に沈んでいく。
それを合図に足元がぐにゃりと歪み、浮遊感がぶわりと全身を包む。
また、別の世界へ落ちて行った。
