初めての現世
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「で、なんでまいは元気無いんだ?」
『そ、そんな事急に言われても…』
「そうだよ、柊。
まいも僕達に話しずらい事でも
あるんじゃないかな。」
『二人は、全然悪くないのよ』
まいは二人の表情を伺いながら話し出した。
『じ、実はね…
二人が私と組んでくれたのは貴族出身で、篠原家の娘だからじゃないかって…』
「なんだその噂!?
全然、事実と違うじゃねえかよ」
「まいは僕が
君の出自で近づいたとでも思ったかい?」
『ううん、そんな事ないよ。
でも、他の人からそうやって言われたのが
凄くショックで。
それに流されちゃって二人の事、
疑い始めちゃって。それで自己嫌悪になってたの』
「まいをそう思わさせて
心配させてしまったのは僕の責任だね。
申し訳ない。」
『なんで惣右介が謝るの?』
「いいんだ、君との信頼関係がまだ築けてなかった僕にも非があるよ。
いいかい?まい。
僕は君の持っている信念に惹かれたんだよ。
言っただろ?君は他の人とは違うと。」
『え?どういう事?』
「君は人の気持ちが分かるからこそ
こんな孤独な僕にも理解をしてくれている。
勿論、意外にも柊が僕の抱えている事にも
気づいていたようだがね」
「んな事、分かりきってるっつーの。
惣右介はな、天才過ぎるからこそ
世の中に冷めてるんだよ。
コイツ、何するか分かったもんじゃねぇぞ」
「酷い言いようだな、柊は」
「そうだろ?
お前の見てた世界は、
出自で降り分けられる世界だったもんな」
「そうだね、
藍染の家でも僕の家は分家だったからね。
いくら才があろうが取り立てられる事は無かったからね」
『惣右介…』
「僕の話になってしまったね、すまない。
まいには出自なんかを超える信念を持ってるって確信したんだよ。
今更かもしれないが
僕はまいと一緒に机を並べて学べている事に感謝しているよ。
もしまいや柊が居なければ
更に孤独になっていたかもしれないね」
『惣右介…。
私や柊でよければいつでも話してね。
惣右介がこうやって自己開示してくれた事、
凄く嬉しい。
惣右介のその言葉で
私も一人じゃないんだなって、思えたよ。
ありがとう』
まいは涙ながら
二人を見て感謝の言葉を述べた。
「ったく、二人ともいい感じになって。
俺も、惣右介とまいの事は
大切な同期だと思ってる。
何があっても二人を孤独になんかさせねぇよ」
「心強い味方ができたね、まい」
『うん!惣右介もね!』
三人はお互いの想っていた事を打ち明ける事が出来たのであった。
三人は只の同期としてではなく、
これから生涯に渡って互いに影響し合う仲になるとは夢にも思っていなかったのであった。
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