宴のあと~蜜の残り香~(R18)
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恋戦記は現在一部のお話のみヒロインの名前変換可です薄桜鬼とテニプリは名前変換可、刀剣乱舞はネームレス夢です
恋戦記小説について
現在一部作品のみ名前変換可にしていますが、ヒロインの下の名前「花」が一般名詞でもあるため「花瓶の花」などで巻き込み変換されてしまいます
それでも良い方は変換してお楽しみください。それがダメな方はデフォ名「山田花」でお楽しみください
すみませんが、よろしくお願いいたします
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「――ブドウ……いえ、クロスグリの味がしますね。燭台切光忠に飲まされた酒ですか」
クロスグリはカシスのことだ。唇を離し、不穏な瞳で問いかけてくる長谷部に、審神者はこくりと頷く。
肌を重ねているさなかに他の男の話なんて、それこそ長谷部に斬り殺されてしまいそうなのに。
けれど燭台切と親しくしていた現場は長谷部も間違いなく見ていたはずで、そのような状況で嘘をつくのはかえって悪手と思われた。下手にごまかしたり、はぐらかしたりするのも同様だ。
灯りを落とした薄闇の中、長谷部は剣呑な光を帯びた藤の瞳を細めると、まるで詩歌でも詠むように続ける。
「――あいつも、あなたのことをよくわかっていますね」
「え……?」
「甘い果実酒はあなたに良く似合う。華やかでかわいらしくて……。
それなのにしっかりと酔わせてくれる」
「……っ!」
「その上、美味しくてもっと欲しくなる……。あなたにそっくりだ」
長谷部らしくない歯の浮くような賛辞に、審神者の頬にさっと朱が差す。女性を甘い酒に例えるなんて、それこそ燭台切がしそうなことなのに。
生真面目なふりをしながらも、長谷部もまた結構な酒好きだった。
意外なほどに強く、呑みすぎても顔に出ない。
自分の前では素知らぬふりをしていても、隠れて呑んでいるのを知っている。宴会があったわけでもないのに、厨房の買い置きが減っているのを不思議に思ったとき、燭台切が教えてくれたのだ。
『――……長谷部くんだよ。ああ見えて意外とね』
彼が自分の前では決して見せようとしない姿、男士同士の間でしか見せない飾らない素顔を覗き見て、不思議なほどの昂りを覚えた。ともすれば粗野なその一面を、たまらない男らしさのように感じて。
再び唇を重ねてくる長谷部の背に、審神者は細い腕を回す。ぴんと張られていた敷布に皺が寄り、行為の激しさを物語る。
先に生まれたままの姿になっていた審神者を追うように、長谷部もまた全ての衣服を脱ぎ捨てて、いつしか二人は一糸纏わぬ身体で絡み合っていた。
先ほどの宴席で離ればなれだった寂しさを埋めるかのように、長谷部と審神者は互いの温もりと存在を、貪るように求め合う。部屋を満たす深い夜の気配に、濃厚な酒の香りが溶けてゆく。
辛口の洋酒とクロスグリの豊かな芳香は、不可分なほどに混じりあい、やがて溶け合いひとつになった。
「……っ、長谷部……」
無遠慮に体重を掛けられて、審神者は痛みに眉を寄せる。酒のせいか今宵の長谷部はどこか様子が違った。乱暴な愛撫に審神者の呼吸はすぐに上がり、この調子では最後までもたないかもしれないと彼女は危惧する。
しかしそんな審神者をよそに、長谷部は己の欲望だけを満たすように、身勝手に行為を進めていた。彼女の胸元に顔を埋め、柔らかな肌に唇を寄せる長谷部は、それこそまるで甘い果実酒を味わっているかのようだ。
『……ひとたび口にすれば、もっと欲しくなる……』
求めてやまない存在なのだと、長谷部はその愛し方によっても示していた。彼女の鎖骨に唇を這わせては、きつく吸い上げ痕を残す。
長谷部が彼女の身体に情交の痕跡を残したがるのはいつものことだ。しかし、今彼が痕をつけているのは衣服で隠れない箇所だった。
「っ……! 長谷部……!」
普段から見える場所は駄目だと言っていて、長谷部もそれに従っていたのに。今宵の長谷部はやはりどこか違う。
「ねえ長谷部…… もしかして酔ってるの……?」
おもむろに審神者に尋ねかけられ、長谷部は彼女の身体から唇を離し、思案気な顔をする。
しかし、それもひとときだけのことだった。何かを察したらしい長谷部は、薄い笑みを浮かべると。
「……ええ、酔っていますよ。先ほどの宴席では、つい酒が進んでしまいました。――あなたのせいでね」
囁くように付け加えられた言葉に、審神者の背筋を冷たいものが駆け抜ける。
「あなたという人は本当に悪いお方だ。他の男の酒で酔うなんて……」
一見そうは見えなくとも。先ほど本人も口にした通り、長谷部は相当に飲んでいるようだ。酔ったふりではなく、本当に酒が回っている様子で、彼女が不審に思うほど饒舌で、幼い子供のように素直だった。
しかし、そんな剥き出しの独占欲をこちらに向けてくる彼に、審神者は罪深い高揚を覚える。
恋した男にこれほどまでに求められるのは、まさに女冥利に尽きる。憎しみにすら似た激しい嫉妬を向けられて、強い支配欲を示されるのは、それこそ言外に「あなたがいないと生きていけない」と縋られているようで。
今でも夢を見ているようだ。これほどまでに自分を求めて必要としてくれる人が、この世に存在するなんて。
審神者は小さく喉を鳴らす。
我ながらどうかしている。心に深い傷を抱え、その痛みに苦しむ哀れな恋人が、あまりにも愛おしくて。いけないとわかっているのに、今にもこちらに牙を剥きそうな、手負いの獣のような彼を煽ってしまう。
いまだ赤黒い血をにじませる長谷部の心の古傷は、彼の最も純粋で無防備な部分だ。自分を惹きつけてやまないその愛しい欠落に、
審神者は吸い込まれるかのように手を伸ばす。潔癖な忠義の下の歪み爛れた本性に、すっかり魅入られてしまっていた。
美しい彼が痛みに喘ぐ姿を見たくて、怖ろしい人ならざる彼の欠落に、愛しい人の一番愛しい部分に、審神者はそっと触れた。
強がりの仮面の裏に泥ついた物思いを抱える恋人の、心の最果てにまでさらわれたかった。
「ねぇ長谷部、抱いて……?」
審神者はわざとらしく息を吐き、燭台切に飲まされた果実酒の甘い香りを漂わせる。
他の男の濃厚な気配に長谷部は不快そうに眉を顰めるが、危うい光の宿る冷たい瞳を細めると、生まれたままの無垢な身体を横たえる彼女を見おろして、薄く笑った。
「……ええ。主命でなくとも、そうさせて頂きますよ」
他の男が残した香りを纏った裸の身体を、誰よりも嫉妬深く独占欲の強い恋人に抱かせるのは、この上もなく甘美な罪の味がした。
***
長谷部の手によって、敷布の上に脚を広げて座らされた審神者は、背後から腕を回されて、まるで後ろから抱かれるようにして、その無防備な裸身に淫らな仕置きを加えられていた。
いわゆる四十八手の乱れ牡丹だ。
「……もうこんなに濡らして、そんなにこちらがお好きなのですか?」
「っ……」
脚の間の秘裂を長谷部に容赦なく弄られて、審神者は甘やかな息を吐き、睫毛を伏せて俯く。
その視線の先にある彼女の秘裂には、充血した男性器を模した太い張形が差し入れられ、長谷部の手によって巧みに抜き差しをされていた。
太く長くしっかりとした固さを持った張形の表面には、大粒の真珠のような装飾が螺旋状にびっしりと施されており、そのような異形のものを自らの秘部で受け入れるのに、審神者は戸惑ったが、愛する長谷部の甘言により今やすっかり篭絡されていた。
発情しきった彼女のそこは、異物を埋められているというのに、生身の男の肉棒を咥えているときと同じ随喜の蜜を溢れさせ、彼女が今まさに快楽を享受していることを、長谷部にまざまざと伝えていた。
張形の表面に螺旋状に配された大粒の宝珠は、抜き差しのたびに審神者の女陰にえもいわれぬ刺激を与え、生身の男の肉棒とは違う無機物の冷たさと異物感は、彼女のそこに非日常の快楽を与えていた。
生身の男のものがくれる快楽とは別の心地よさの虜となってしまった審神者は、恍惚に浸った様子で喘ぐ。
愛する男から自身の秘部へと下される淫猥な罰は、心の内に被虐趣味を隠し持つ審神者にとっては、これ以上ないほどの褒美であった。
残酷な捕食者にいたぶられ存分に責められる甘美な被虐の悦楽は、審神者の肉体の最も素直な部分を捕えて離さない。
交合のさなかに道具を使うのは初めてではなかった。自らの主人にさらなる歓びを与えるために、長谷部はときおり玩具を持ち出すことがあった。
女の身体を善がらせるために作られた、そのものたちによって、もたらされる快楽はたまらないもので、審神者は存分に乱れ喘いでしまったけれど。
自分以外のもので快楽を得る彼女を許容できなかった長谷部のせいで、それらはすぐに使われなくなってしまった。
しかし、今は。他の男士への嫉妬にかられた長谷部によって、まるで仕置きのように長い間、審神者の肉体へと使われていた。
「ああ……っ!」
審神者は無防備な裸の身体を背後に陣取る長谷部に預けて、玩具によってもたらされる悦楽にその身を甘く震わせる。
愛しい彼に抱かれながらその腕の中で喉を反らして、息も絶え絶えにつぶやく。
「気持ち…… いいの…… 長谷部……」
自分自身の体内で、巨木の幹のような男根と美しい螺旋模様を描く大粒の真珠が織りなす快楽の奔流に呑まれながら、審神者は嫣然と微笑む。
激しく渦を巻きうねる海面に呑み込まれるかのようなそれは、審神者の無垢な肉体を捕えて離さず、彼女は自身の全てを打ち捨てて、長谷部によってもたらされる、目も眩むほどの心地よさに浸っていた。
「ああっ…… すごくいい……」
てらいなくそう口にして、ひときわ甘やかな息を漏らす彼女に、長谷部もまた満ち足りた笑みを浮かべる。
「……ええ、存じておりますよ」
もうすでに審神者の秘唇の内側はぐっしょりと濡れ、抜き差しされている張形もそれを操る長谷部の指先も、彼女が溢れさせた蜜によって、雨にでも降られたかのようになっていた。
しかし審神者は、浅ましくもさらなる愛撫を長谷部に求めた。
「ああっ…… 長谷部…… もっと……」
愛の営みのさなかの審神者の素直さは、長谷部の下腹部のその場所をさらに固く熱くさせる。
長谷部は彼女のそこに押し込んだ張形をすぐにでも引きずり出して、自らの灼熱の楔を打ち込みたい衝動をこらえながら、彼女の秘裂の上端の小さな肉芽に指を伸ばす。そのまま、それをきゅっと摘まんだ。
長谷部にとって、それはまるでか弱く愛くるしい子ウサギを嬲る嗜虐の悦楽であった。
情人でもある彼の主人は、湿り気を帯びた荒い呼吸を繰り返しながら、女人の最も感じてしまう肉の宝珠を、長谷部の好きに弄られていた。
男のものを模した玩具を肉体の最奥まで押し込まれ、秘裂の上端の宝珠を長谷部に存分に嬲られている審神者は、今まさにただ一人性の極みへと上り詰めようとしていた。
無防備な裸の背を情人に預けて、白い喉をぐっと反らしながら、審神者は瞳を閉じてひときわ甘く高い声で喘ぐ。
その余裕のない姿からは、もう少し責めてやればいとも容易く彼女が果ててしまうことがうかがえた。
そんな審神者の寸前をたゆたう媚態を楽しみながら、長谷部は彼女の耳殻に甘く歯を立てて、そのまま密やかに問いかける。
「……ここまできちんと道具を使ってみたのは初めてですね。……いかがです?」
愛する男に秘唇と陰核をいちどきに嬲られながら、誰よりも甘い声でそんなことを尋ねられてしまったら、もう嘘などつけるはずもない。
「すごく…… いいの……」
すっかり余裕をなくしている審神者は、形のよい唇を震わせながら、何のてらいもなく自らの浅ましい願いを口にする。
「もっと……よくして……?」
女陰の宝珠への愛撫は、彼女をどうしようもなく素直にさせる。その場所をほんの少し弄られただけでいとも容易く快楽に囚われ、審神者はただ長谷部の言いなりの人形となってしまうのだ。
そんな彼女を見おろしながら、長谷部は唇の端を上げて笑う。
美しく可憐な女主人の唇から、淫らな命を引き出し応える。それは主に仕えることに無上の喜びを見出す長谷部にとっては、恍惚にも似た心地よさを覚えるひとときだった。
「仕方のない方ですね…… それでは――……」
長谷部は審神者に求められるままに、上の口で充血しきった長谷部自身を咥えるように、優しく促してやる。
下の口で巨木の幹のような張形を咥え込みながら、上の口でも長谷部自身を咥えるなど、あまりにも破廉恥な要求だ。しかし彼女の被虐趣味を知る長谷部にとっては、これも奉仕の一環だった。
審神者は小さく頷くと、焦点の定まらぬ瞳で淡い笑みを浮かべる。
「んっ…… っ……」
敷布の上に座する長谷部の脚の間に顔を埋め、審神者は充血しきった長谷部自身を夢中で頬張っていた。
まるで伸びをする猫のように、頭を低くし膝を立て、腰を高く突き出して口淫に耽っている。
審神者として采配を振るうときの凛々しい姿とは全く違う、雌の動物のような浅ましい彼女の姿を、長谷部は悦に入った様子で見おろす。
充血した男のものを模した玩具に、秘裂の最奥まで貫かれているせいか、今宵の審神者の長谷部への奉仕は、かつてないほど熱の入った丁寧なものだった。
張り詰めた長谷部自身の裏筋や雁首を丹念に舐め上げ、喉の奥までしっかりと口に含むと、巨木の幹のようなそれを何度もきつく吸い上げる。
一体どこで覚えてきたのかと不審に思うほどの彼女の巧みな奉仕に、長谷部は口内で果ててしまいそうになる自分を懸命に律した。
いかに上の口といえども、粘膜による触れ合いはたまらない心地よさで、充血しきった自分自身を包み込む、ぬるりとした快楽から意識を逸らすために、長谷部は審神者の髪を撫でながら、口淫に耽る彼女の艶麗な在りようを鑑賞する。
長い睫毛を伏せて長谷部のものを幸福そうに頬張る審神者は、とても可憐で美しかった。
上下の口を男のもので貫かれながら、恍惚の笑みを浮かべる様子はこの上もなく淫らで、その姿はまるで春画に描かれる、何人もの男たちの手で無垢な裸身をいちどきに愛されて悦ぶ、浅ましい女のようだった。
充血しきった男のものを上下の口でくわえ込みながら、両の乳房を強くつかまれて、無防備な裸の身体を男たちに愛撫されながら性の喜びに浸っている、幸福そうな女……。
『――どんなに貞淑なふりをしていても、見目のよい男たちを侍らせてその無防備な肉体に淫らな奉仕をさせるのが、嫌いな女などいないのだ――』
以前目にした春画にはそのように描かれていたが、一見清らかでしとやかに見える彼女も、そのような浅ましく強欲な女なのだろうか。
自らの独占が脅かされるように感じ、長谷部はにわかに不安を覚えるが、肉体が覚える快楽と彼女の心性は別だと思い直す。
そして。不意に彼女の後方に小さな鏡台を置いていることを思い出した長谷部は小さく喉を鳴らすと、そちらの方に視線をやった。
灯りを落とした薄闇の中、その鏡面には長谷部が求めていた光景が、しっかりと映し出されていた。
細い腰から扇のように広がる女性らしい丸みを帯びた臀部に、控えめに窄まった後孔の下にある、まるで咲きかけた花のつぼみのような可憐な秘裂の在りようだ。
脚を広げて膝を立て腰を突き出していたからか、彼女の脚の間の様子は意外なほどに見通せた。
自分が日頃性器を差し入れている秘唇には今は男根を模した異物が押し込まれ、彼女の上の口での奉仕に熱が入るたびに、その細い腰とまろやかな臀部は、まるで長谷部を誘うかのようにゆらゆらと揺れる。
生まれたままの無垢な姿で、本能のままに長谷部のものを貪る審神者は、まるで自身の痴態を彼に見せつけさらなる愛撫を促しているかのようだ。
長谷部は鏡の中の主人の痴態にひとときの間見惚れた。こんなにも愛くるしい主の姿などこれまでに見たことがない。
自らの秘裂の様子を鏡越しに見られていることになど、気づいていないはずなのに。自分自身の最も淫らな姿を見せつけて、さらなる奉仕をせがんでいるかのような鏡の中の彼女に、長谷部はよりいっそう魅入られる。
あまりにも破廉恥で美しい二輪挿しだ。女の裸体はこのようにして楽しむこともできるとは……。
長谷部は改めて自分の脚の間に侍る主人を見おろし、艶やかな髪をそっと撫でた。
「まさかあなたが、ここまでしてくださるとはね……」
感嘆しつつもどこか嘲るようなその言葉は、審神者の耳には届いていないようだ。相変わらず恍惚に浸った様子で、口唇での奉仕を続けている。
先ほどの宴席での深酒と、上下の口に入れられた二本の男のものによって理性を奪われてしまった審神者は、伸びをしている猫のようなその姿と相まって、まるでさかりのついた四つ足の獣のようだった。
口腔と秘唇の両方を男の肉棒で貫かれている審神者は今まさに、幾人もの男たちと絡み合いながら肉欲の饗宴を愉しんでいるかのような、無上の悦楽のただ中にいた。
己の空想の中で、審神者は無防備な裸の肉体を次々と男たちに抱かせ、様々な体位を愉しんだ。その後は何本もの逞しい腕に自身の肉体の隅々までまさぐらせ、恥ずべき女の秘部の全てを暴かせた。
節くれだった男の指が審神者の素肌を滑るたびに、審神者は破廉恥な声を上げ。
しかしその可愛らしい上の口に欲を煽られた男たちは、彼女の小さな唇にかわるがわる自身の肉棒を押し込んで、白濁した精を射出するまで、その雄の象徴を彼女に吸わせた。
子を為すためではなく快楽のみを求める性の営みは、渦を巻くような興奮と、たとえようもない心地よさを、審神者の女陰にもたらしていた。二つの口をいちどきに満たされて嬲るように愛されるのがこんなにも善いとは知らなかった。
自制を失った今の彼女に恥じらいといった感情はもはやなく、審神者はそのまま悦楽の波にさらわれ堕ちてゆく。
自身の本能が求めるまま男の性器を貪る審神者は、まるで古の書物に描かれる美貌の淫魔のようで、その背徳の美しさに長谷部は釘付けとなってしまう。
敬愛する女主人を臣下である自分の前で跪かせ奉仕をさせる、その倒錯した快楽は長谷部の心の隙間に容易く入り込み、まるで神経性の毒のように痛みを感じさせることなく、彼自身を支配していた。
「お上手ですよ…… そのまま…… もっと俺を楽しませてください……」
無痛の毒に侵されていることに気づかぬまま、長谷部は自らの主人にさらなる奉仕を要求し、審神者もまた自らの闇に蝕まれた情夫に煽られるままに、口内の彼自身にさらなる愛撫を施してゆく。
固さをもった彼の肉棒をきつく吸い上げて扱き上げ、倦んだ熱を持った欲望の化身を追い立ててゆく。
やがて、長谷部のものが限界まで張り詰めた、そのとき。
長谷部はようやく審神者の上の口から自分自身を引き抜くと、審神者を起き上がらせて、敷布の上に組み敷いた。
驚きに息を呑む審神者を見おろして薄く笑うと、長谷部は無言のまま、審神者のそこに入れられた張型をひと息に引きずり出した。
「ああっ……!」
無垢な裸身をぶるりと震わせて、審神者はひときわ甘やかな喘ぎを漏らす。そのあまりの可憐さに、長谷部は藤色の瞳を細めると。
「そのような可愛らしい声を出さないでください。……ひどくしたくなる」
『ひどくしたい』長谷部のその囁きに、自身の被虐の欲望を刺激された審神者は、あまりにもわかりやすい反応を返してしまう。
「……っ!」
彼女の頬にさっと朱が走り、無防備な脚の間からはとろりとした蜜が滴る。
「……次は別のものをいれてみましょうか」
限界まで充血し、天を向いて反り返る自らの肉棒に手をやりながら、長谷部は審神者に不敵な笑みを向ける。
いよいよ近づいてきたそのときを察知し、審神者は長谷部を見上げてこくりと頷くと、期待に満ちた瞳を彼に向け、長谷部自身を欲しがった。
大きく脚を広げて、先ほどまで入れられていた玩具とは違う、本物の男のものを求めて震える下の口を、長谷部に広げて見せながら、審神者は自らの切なる願いを口にする。
「長谷部…… 入れて……?」
愛くるしくも浅ましい主人に、このようにして自分自身を望まれることこそが、長谷部にとってはこの上もない幸福であった。
敬愛する主であり、ただ一人の愛する女性でもある審神者に、臣下としても男としても必要とされることは、根深い劣等感と欠落を抱える長谷部の心を癒してあまりある喜びで。
だからこそ長谷部は、自分を求めてくれる主人の心身を存分に満たしてやらねばと、真摯に彼女に尽くすのだ。それが今の彼の生きる意味ですらあった。
「仕方がないですね……」
長谷部は薄く笑うと審神者の腰を押さえつけ、ひくひくと震える彼女のその場所に、張り詰めた自分のものを宛がった。
「……愛しています」
そう口にして、長谷部は自らの腰をぐっと進めた。
淫らな水音とともにようやく、審神者の身体の最も柔らかな部分に、長谷部の肉の楔が押し込まれる。
「っ……!」
審神者は無垢な裸身を、一匹の美しい魚のようにびくびくと跳ねさせながら、彼のものを受け入れた。
ずっと待ち焦がれていた男の肉棒は、先ほどまで入れられていた玩具とは比べ物にならない心地よさを、審神者の秘部にもたらした。
長谷部の肉の楔から伝わるぬるく温かな熱は、まさに極上の媚薬そのもので、審神者の心身にいまだ絡みつく見えない何かを、どこまでも優しくほどいてゆく。
「あっ…… ああ…… 長谷部っ……」
審神者はうわごとのように愛する刀の名を呼びながら、随喜の涙を溢れさせる。
あまりの開放感の虜となった審神者は、まだ長谷部の肉棒を迎え入れたばかりだというのに、たった一人性の頂点を極めてしまいそうになっていた。
そんな彼女を見おろしながら、長谷部は不遜な笑みを浮かべると、
自らの主人を奉仕として蹂躙すべく、その細い腰を掴み自分の身体にしっかりと引きつけた。
「……っ! ……あッ」
やはり道具などよりも、彼のものの方が遥かに善かった。
確かな質量と充分すぎるほどの太さと長さを持ちながら、それでいて末端までもがしっかりと固い愛する男の血の通った肉体は、審神者の無垢な身体と心とに甘やかな幸福を与えてくれる。
審神者は息も絶え絶えに、長谷部の背に両腕を回す。
「……長谷部、大好きよ」
その囁きに、長谷部は一瞬だけ驚いたような顔をしたが、すぐに彼らしい皮肉めいた笑みを浮かべると。
「ええ……。俺もです」
そう口にして、淫らな抽送を開始した。
最初の数度こそ緩やかだった抜き差しは、あっと思う間もなく早くなる。
深酒も手伝って理性の緩んだ彼に、力の限りに激しく突き上げられながら、審神者は今まさに被虐の快感に浸っていた。恋する男に思うまま激しく犯されるのは、彼女にとって極上の褒美であった。
嫉妬や怒り、あるいは深酒によって自制を失った彼に性器を道具で責められるのも、力任せに乱暴に突き上げられるのも、審神者にとっては性の快楽を増幅させる装置だった。
今宵の情交のあまりの素晴らしさに、彼女は長谷部の腰に両脚を絡めて夢中で喘ぐ。
これこそが彼女が最も求めてやまない長谷部からの愛だった。嫉妬に身を焦がす彼に容赦なく嬲られて、審神者はその無防備な裸体の全てから、随喜の蜜を溢れさせていた。
体格差のある長谷部に組み敷かれ、身体の重みをかけられながら突き上げられ、容赦なく揺さぶられるのは痛いほどだったが、彼の『逃しはしない』という意思を感じて、仄暗い喜びを覚えてしまう。
(長谷部…… 長谷部……)
激しい愛撫を受けながら、審神者は心の内で彼を呼ぶ。
広い裸の背に回した腕に力を込め、審神者は汗で湿った長谷部の素肌に爪を立てた。彼の背中にこのような傷を残せるのは、主であり情人でもある自分だけに違いない。
そんな甘やかな優越に浸りながら、審神者はそっと瞳を閉じ、さらなる愛欲の深みに堕ちてゆく。
誰よりも愛しい、唯一無二の刀だ。その胸に深い傷を抱え、自分からの愛を誰よりも強く求める健気な姿に、すっかり虜にされてしまった。彼になら何をされても構わない。自分がこの先誰かの手によって命を落とすのであれば、彼がいいとさえ思う。
自らの欲望に従順な審神者は、無防備な裸身を長谷部に思うまま嬲られて、ついに彼の白い欲望を肉体の最奥に注がれる。
繋がりあったまま吐精されるのはいつものことだったが、今宵の情交ではより深い性の悦びを、審神者は自らの女陰で感じ取っていた。
(……中に出されちゃった……)
長谷部からの深い愛と、憎しみにも似た激しい独占欲を噛みしめながら、審神者は自分自身の秘部にきゅっと力を込め、体内に残る長谷部のものを締めつけた。
彼の白く濁った精液のひとしずくも逃したくなく、また、自分の肉体の内にある彼自身と離れてしまいたくなかったからだ。
長谷部は黙ったまま審神者の身体の上に倒れ込むと、彼女を強く抱きしめる。これまで欠かしたことのない、情後のきつい抱擁だ。このひとときもまた、審神者の身体と心とに無上の幸福と喜びを与えていた。
長々とした激しい律動を終えた長谷部は、荒い呼吸に厚い胸と広い肩を上下させ、その額に玉の汗をにじませており、情事のあとの荒々しくも男らしい彼の姿に、審神者は陶然とした笑みを浮かべる。
戦いのあとですらなかなか見られない彼の乱れた姿に、愛しさがこみ上げた。
「長谷部…… すごくよかった……」
熱いため息を吐きながら、溶けそうなほどに甘い声で囁く審神者に、長谷部は口の端だけを上げて答える。
「……そうですか」
***
「まだ足りない」と長谷部が口にしたから、審神者はなし崩しに、敷布の上で裸の身体を彼に愛されていた。怠さの抜けない情後の身体に覆いかぶさられ、好きに弄られている。
長谷部は審神者の白い肌に舌を這わせ、ときおりきつく吸い上げて、見える場所にばかり口づけの痕を残していた。先ほども同じことをして咎められていたのに、懲りていないようだ。
しかし、審神者は長谷部を責めたりはせず、されるがままになっていた。見える場所にいくつもの痕を残されても拒まない。
先ほどとはあまりにも違う彼女を長谷部は揶揄する。
「抵抗なさらないんですね……」
しかし、その言葉にはがっかりしたような響きが滲んでおり、明らかに興を削がれた様子の長谷部に、審神者は無言で瞳を逸らした。
長谷部はそれを許容と受け止めたのか。
「……お嫌でないのでしたら、俺の好きにさせてもらいますよ」
営みの最中はいつも自分の好きにしているくせに、白々しくそう口にして、行為の余韻でまだぼんやりとした様子の裸の審神者を、長谷部は姫抱きで抱え上げる。
そのままさらうようにして、彼女を寝室のさらに奥に連れて行く。
大きな姿見の前に審神者を座らせて、長谷部はその背後に腰を下ろした。掛け布のされていない鏡面は、薄明りの室内においてもはっきりと、二人の情後の裸身を映し出す。
「こんなのあったの……?」
「……つい先日、あなたのために購入したんです」
「私のため……?」
不審がる審神者に薄い笑みを浮かべて答えると。
「さあ、続きを致しましょう」
長谷部はそう口にして、彼女の返事も待たず、その無防備な裸体を開かせる。
深酒をした上に、長谷部との激しい交合を終えたばかりの審神者の身体に、彼に逆らう気力が残っているはずもなく、あまりにもあっけなく、審神者は鏡の前で脚を大きく広げてしまう。
「……っ!」
鏡に映し出されるあまりにも浅ましい自身の姿に、審神者は息を呑む。脚の間の秘裂からは、誰のものともつかない白く濁った体液が溢れ、無垢な裸身のあちこちには、長谷部が残した小さな痣が散らばっていた。
これが情事のさなかに長谷部がいつも見ている自分の姿なのかと思うと、あまりのはしたなさと淫らさに、審神者は再び肉体の最奥を濡らしてしまう。
自分自身の長谷部を求める女としての欲深さと、浅ましさを思い知らされた審神者は、その白い喉をごくりと鳴らした。
いままで意識せずにいた自分自身のいやらしさや強欲さを眼前に突きつけられて、審神者の心の奥底に眠る欲求が再び疼き始める。
……ああ、この姿見の前でもう一度、長谷部からの仕置きを受けたい。愛する彼の奉仕を受けながら、愛欲の宴を愉しんでみたい……。
「お美しいですよ……。こうやって俺の腕の中にいるあなたが一番お綺麗だ」
「……っ!」
「もう一度、俺に抱かれてくれますね……?」
まるで甘い毒を、それこそしっかりと酔える果実酒を、無防備な身体に注ぎ込まれるように囁かれ、審神者はまるで操られるかのように頷いてしまう。
元々の深酒に加えて、先ほどまでの性の営みの悦楽に、したたかに酔わされてしまった。審神者は焦点の定まらぬ瞳で、その薔薇色の唇にうっすらとした笑みを浮かべる。
「抱いて…… 長谷部……」
鏡の前で行う交合への期待に肉体の最奥をとろけさせながら、審神者はもうたまらないといった様子で長谷部を求める。
彼女の脚の間の秘唇からは、長谷部の精とおぼしきどろりとした体液が伝い、その様子は磨かれた鏡面にありありと映し出されていた。
白く濁った蜜にまみれた秘唇を晒して男のものを欲しがる、美しくも浅ましい主人を揶揄するように、長谷部は酷薄に笑う。
「――ええ、主の思うままに……」
◆以下あとがきです
あとがき
お久しぶりです、作者です。
今回は全てを酒のせいにして愛し合うという、ありがちなお話でした。
私の場合だと、そうでもしないと特殊プレイを入れられないので、
このような展開になってしまうのですが、ちなみに作者は酒が飲めません。
アルコールが少しでも入っているともう飲めないので、のんある派です。
のんあるは大好きでよく飲みます。
お酒の味についてはグーグル先生に教わりながら、適当に書きました……。
さて今回。
燭台切さんを当て馬にしたのですが、むしろ連携プレイでしたね。
燭台切さんが審神者ちゃんを酔わせてちょっかいを出して、
それに長谷部くんが激怒して嫉妬して、
酔った審神者ちゃんを激しく×××してしまうお話なので……。
他のわき役の男士、宗三や日本号や薬研も書いていて楽しかったです。
刀剣はどの子もみんな可愛いですね。
R18で長谷部に「悪い女性(ひと)だ」と言われたい。あと嫉妬もされたい、
拗らせてて独占欲と嫉妬心の強い、イケメンヘラな彼にヤンデレられたい、
今回はそういうお話でもありました。
当初は二輪挿しというか、二本同時挿入の疑似複数プレイが書きたかったのですが、
(我ながらひどい発言だなと思うのですが、エロのあとがきなのでお許しください)
書いているうちにむしろ、お酒と嫉妬がテーマのお話になりました。
そしてヤンデレ長谷部くんにあてられて、病んでいくヒロイン……。
長谷部くんのようなイケメンヘラにヤンデレられたら、
ノーマルな女の子でも普通に闇落ちしちゃいますよね。
今までド健全しか書いたことがなかったので、
病み系のお話を書いているときは、新鮮な気持ちになります。
この手のお話も書いてみると楽しいですね。
キャラをいかに闇落ちさせていくかを考えるのはわくわくします。
あとは、長谷部くんの意外と結構お酒が好きというオリジナル設定は
織田舞台の最後あたりの内番衣装のシーン、長谷部くんが不動くんに向けた台詞の
「馬糞掃除の前に酒が飲めるか」からきています。
他の方も書かれていましたが、この台詞ってお酒好きの人の発想だと思うんですよね。
お酒興味ない人って、こういう発想や言い方をしないと思うんですよ。(私見です)
生真面目なふりをして実は結構いけるくちで、
嫌なことがあると審神者ちゃんに隠れて呑んでる、素行不良な長谷部くんが愛おしいです。
今回もBGMはラルクでした。XXX(キスキスキス)と花葬です。
上記の曲は病んでてかっこよくてセクシーなので、
長谷部くんのヤンデレエロを書くときは、いつもお世話になってしまいます。
キリスト教の要素が入っているのも、長谷部くんっぽくて嬉しいですね。
ラルクいいですね。いままで守備範囲外でしたが、ここにきて初めて興味が出てきました。
イケメンヘラな長谷部くんに似合う、妖艶でかっこいい曲を探してみたいです。
長谷部くん以外のところでは、今回の助演男優賞は燭台切さんですね。
ホストクラブ燭台切というか、バー光忠というか、
燭台切さんに審神者ちゃんが口説かれているシーンは、書いていてとても楽しくて、
がっつり長くなってしまいました。へしさになのに申し訳ないです。
嫉妬ネタや逆ハー好きな方に楽しんでいただけたらと思います。
次点は宗三さんですね。
「僕はよく食べる籠の鳥……」といった返しに困る左文字ギャグを、
また書けたら嬉しいなと思っています。
冒頭の酒席で燭台切さんと宗三さんに挟まれて、審神者ちゃんがわたわたするところは、
ホストクラブ本丸いいな~と書いていて思いました。
他所の男の子たちと羽目を外して派手に遊んでいたら、
ガチギレしたイケメンヤンデレ彼氏が迎えに来てさらわれて、
そのままお仕置きエロ突入とか、
ティーンズラブでありそうな展開で、様式美最高だと思いました。
とはいえ、いつかネタがおりてきましたら、
健全で明るいお話も別シリーズで書いてみたいです。
謎解きはディナーのあとでのような、毒舌近侍長谷部×勝気お嬢様審神者みたいな、
かわいくて明るいお話を書いてみたいです。ネタさえおりてくれば……!
あとは極の長谷部くんのお話ですね!圧倒的光属性で主は泣きそうに嬉しいです…。
MVPボイスと破壊ボイスには特に胸熱でした…。さらなる沼に落ちてしまいそうです。
このあたりはまた別の機会に語ろうと思っております。
極でまた長谷部くんが大好きになりました。
Wくんの極長谷部も見てみたいです。黒と金のお衣装もかっこいいですね。
つらつらと書いてしまいましたが、
日程がかなり鬼畜ですが、刀ステのジョ伝も楽しみですね。
Wくんの長谷部くんにまた会えると思っていなかったので、本当に嬉しいです。
(チケットが取れる気がしないので、個人的には小田原の配信に期待しています)
あとは、秋の新作ミュのMくんの三日月様も楽しみにしています。
リアルがごたついていまして、加えてネタもおりてこず、
なかなかお話の更新は難しいのですが、公式は楽しみに追いかけていこうと思います。
それではまた。