現パロ文花
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恋戦記は現在一部のお話のみヒロインの名前変換可です薄桜鬼とテニプリは名前変換可、刀剣乱舞はネームレス夢です
恋戦記小説について
現在一部作品のみ名前変換可にしていますが、ヒロインの下の名前「花」が一般名詞でもあるため「花瓶の花」などで巻き込み変換されてしまいます
それでも良い方は変換してお楽しみください。それがダメな方はデフォ名「山田花」でお楽しみください
すみませんが、よろしくお願いいたします
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「文若さんっ、見てください! このお酒、お父さんにもらったんです。一緒に飲みませんか?」
「っ、花…… それは蜂蜜酒、だな……」
金色のパッケージの細身の酒瓶を持ってイキイキとした笑顔を見せる花に、文若はたじろいだ。
実は文若は酒が弱いのだ。それは花も知っているはずなのだが……。しかし、花は無邪気な笑顔で話を続ける。
「うちのお父さんが会社でもらってきたんですけど、飲まないから文若さんにって……。文若さんも飲めないって言ったんですけど」
「そう、か……」
まさかの展開である。当初はどう断ろうか思案を巡らせていた文若だったが、そう来られたら断りようがない。
「甘くて美味しくて、身体にもいいらしいですよ。文若さんはいつも忙しそうだから、これでも飲んで寛いで欲しいって言ってました」
「なるほど、な……。私も酒は飲まんが、お前のご父君からとあれば、口をつけぬわけにも…… いくまい」
観念して、文若は小さく息を吐いた。パッケージに小さく書かれたアルコール度数が意外に低かったことも、文若を安心させた。
しかし、自分だけが酒を口にするのはやはり避けたかった文若は花を巻き込んだ。
「……花、せっかくだからお前も飲んでみるか。お前も大学の付き合いで酒を口にすることくらいあるだろう」
「はい」
「己の限界は予め知っておいた方がいい。どこまでなら問題を起こさず飲めるかということだな」
実は、これは前々からの懸念であった。なにせ花は二十歳を過ぎたばかりの大学生である。何かとお誘いの多い彼女を文若は心配していた。何かあってからでは遅いから。
滔々と語る文若を花は神妙な面持ちで見つめていた。そんな彼女に文若は口元をわずかに緩めると。
「幸いこの酒ならば度数も低い。試すにはちょうどよいだろう。風呂に入ってから少しだけ口にしてみるか」
「はいっ!」
本当に大丈夫なのだろうか。無邪気な花に文若は一抹の不安を覚えるが。
(……いや、考えすぎたろう。この程度の酒で何か起きることもあるまい)
神経過敏な己をなだめるように、小さくかぶりを振った。
そして、風呂上がり。
「……甘くて美味しいですね! 文若さんっ!」
「ああ、そうだな……」
ふたりだけの酒宴を開始して早々に、花はできあがっていた。ほろ酔いご機嫌で頬を桃色に染めている。
いただき物の蜂蜜酒のお湯割りを文若はちびちびと口にしていたが、おおらかな花はそこそこの勢いで飲んでいた。
楽しそうにはしゃぐ花と静かな文若という構図だったが。
元より酔った花を自分が介抱するつもりだった文若は、花につられて深酒をすることもなく正気を保てる程度に酒量をセーブしていた。良識ある大人の対応だ。
「……随分と上機嫌なようだが、花、お前は大丈夫なのか? そろそろ終いにしたほうが良いのではないのか?」
「大丈夫ですよー! 酔ってませんっ!」
蜂蜜酒の入った耐熱グラスを持ったまま、花は元気いっぱいに答える。どうやら彼女は笑い上戸らしく、先ほどから意味もなくニコニコとしている。
「酔っ払いは皆そう言うのだがな……」
文若は苦笑したが、さりとて止めることはしない。
頬を染めて笑っている花は、とてもかわいい。彼女と飲むのは楽しいお酒だ。仕事飲みと違って気安い気持ちでいられる。笑顔の花にほだされて、文若の緊張感も次第にゆるんでくる。
いただき物の蜂蜜酒は、甘くて美味しかった。ハーブや果物で風味づけがされていて、飲みやすい味に仕上がっている。
知らず知らずのうちに、文若の酒量がじりじりと増え始める。
元より甘くて美味しくて飲みやすい酒は要注意といわれているのだが、文若はそれが己にも当てはまるとは思わない。
自分は男なのだから、性的な意味で襲われることなどないと思いこんでいた。
そして、文若が酔うと昔語りが始まるのはお約束だ。
「……そういえば、常務も酒がお好きでな。昔はよく付き合わされたものだ」
常務とは孟徳のことだ。文若の勤務先の大手企業の役員をしている彼は文若の大学時代の先輩でもあった。
なかなか聞けない文若たちの学生時代の話に、花は興味をそそられる。
「そうなんですか?」
「ああ。昔はことあるごとにナイトクラ…… んんっ、お前に聞かせるような話ではないな。私もあまり思い出したくはない」
しかし、なけなしの理性を取り戻した文若は咳払いをすると会話を打ち切った。
***
ギラギラに飾り立てた暗室のような店内――ではなく場内というらしい――を極彩色のレーザービームのような照明
が照らしている。
換気の悪い地下はどことなく煙草くさくて、空気が淀んでいた。
金曜夜のこの場所はいつも賑やかだ。そこそこの音量で流されているノリのいい洋楽に、人々の笑いさざめく声。そんな中でひとりの女性に声をかけている青年がいた。
『――ねぇ君カワイイね! VIPどお? 一緒に飲もうよ! ご馳走するし!』
お相手の豊満なバストに視線と心を奪われながらも彼女を堂々と口説いているのは。若かりし頃の曹孟徳そのひとだった。そして、彼の隣にいる黒髪の青年は……。
『――おい孟徳! 俺らテキーラしか呑んでないだろ!』
かつての孟徳の親友、張孟卓だった。孟徳を明るくからかう彼は、孟徳と同期の彼の遊び仲間だった。先ほどもエナジードリンクを酒で割ったものを煽ったばかりの彼は、いつも以上にテンションが高い。
テキーラ。強いお酒の名前を出されて、女性はあからさまな戸惑いを見せる。このままついて行って良からぬ事態に巻き込まれても困るというような。
しかし、警戒心の強い彼女をなんとか丸め込もうとするかのように、孟徳は白々しくとぼけた。
『――えっ、そうだっけ? じゃあ君のために今からシャンパンあけるからさ! 俺らのところにきてよ!』
そのままの流れで、孟徳はさらに相手の女性と距離を詰め、彼女の長い髪に触れた。そして、彼女の耳元に唇を寄せると。
『――君、髪の毛キレイだね…… ずっと触ってたくなる……』
不意に声を低めて。孟徳はそんなことを囁く。クラブの場内は賑やかで、常に音楽がそこそこの音量で鳴っているから。この距離でないと会話もままならないのだ。
しかし、そんな孟徳を指さして孟卓は爆笑した。
『――孟徳! お前、手ぇ早すぎだろ!!』
さっそく女の子にベタベタしている抜け目のない悪友の姿は、孟卓にとっては何度目にしても恰好の笑いのネタでしかない。
しかし『彼』にとってはそうではなかった。
『――孟徳殿っ!! 毎週毎週!! 飽きもせずこのようなところで……!!』
周囲の雑音に負けないように、若かりし頃の荀文若は声を張り上げていた。今宵は彼が元譲の代理で、遊び歩く孟徳を引き取りにきていたのだ。
華やかで浮ついた空気の大人の男女に混じる、まだ学生くささの抜けないいかにも生真面目そうな少年は、その場から激しく浮いている。
『――げっ! 文若!』
露骨に嫌そうな顔をする孟徳とは対照的に、孟卓は飄々としていた。
『――おー、孟徳のところの子供か! ここはガキの来るとこじゃないから帰りな! っていうか、よく入れたな?』
ナイトクラブは入場時のIDチェックがある。入口で顔写真つきの身分証明書を提示して成人であることを証明しないと入れないのだ。
未成年が運良くそれを突破してもフロア内を闊歩しているガタイのいいセキュリティの男性に見つかればつまみ出されることもある。しかし。
『――孟卓殿!! 私は二十歳を過ぎております!! そんなことよりも――!!』
『――面倒くさいのに見つかっちゃったな、逃げるよ! こっちきて!』
文若が孟卓に言い訳をしているうちに、孟徳は声をかけたばかりの豊乳の美女の手を引いて、あっという間に逃げ去ってしまった。
薄暗いフロア内、人混みに紛れられてしまえば探すのも一苦労だと知っている。文若は今宵も場違いすぎる空間を孟徳の姿を求めてさまようことになったのだった。
***
「――なんか、そう言われると気になっちゃうんですが……」
せっかく酒席ならではのここだけの話が聞けると思ったのに生真面目な文若に会話を打ち切られ、花は心なしか残念そうにしている。
しかし、何か言いたげな花に対して、文若は頑として首を横に振った。
「……男同士の付き合いは女人に言えぬことがあるのだ。そこまで気になるのであれば常務に直接…… いや、それはそれで別の問題があるな……」
途中からはただのぼやきだった。誰になんと言われようとも、文若は最愛の花と己の上司をあまり関わらせたくなかった。本当に寝取られてしまったら目も当てられないからだ。
孟徳の仕事に対する能力は信じているが、彼の女性に対する振る舞いは一切信じていない文若である。
若かりし頃の孟徳は、それこそ毎週末盛り場に入りびたりで様々な伝説を打ち立てていた。彼氏持ちも人妻も高嶺の花もことごとく彼の毒牙にかかっていた。
思い出したくないことを思い出し、文若はうんざりとしてしまう。孟徳が起こした揉め事の火消しをしたのは主に自分と元譲だったから。
花とのふたりだけの楽しい時間に、こんなことは思い出したくなかった。完全に話題選びをしくじった。文若は己の選択を悔いると、おもむろに話をそらした。
「……花、常務のことはもうよい。それより、少々眠くなってきたからもう休むか――」
「――えへへ、文若さ〜ん!」
「っ、花!」
「なんだか、くっつきたくなっちゃいました……」
いつの間にか近くまで来ていた花にやにわに抱きつかれて、文若は激しく動揺する。
無邪気で素直な花だが、さすがにここまで大胆な行動を取ることはない。
「酒を、過ごしたのだろう。すぐに白湯を……」
「嫌です、文若さんがほしいです」
「っ、な……!」
なしくずしに、文若は花に押し倒されていた。自分の視界には天井と花の真剣な顔。
これでは、まるで恋愛ドラマのヒロインだ。恋人に飲めない酒を飲まされて、押し倒されて……。
「ダメなら、私を突き飛ばしてください」
「っ…… 花、お前は……」
今宵の花はなぜかとても凛々しくて格好良かった。今の彼女になら、何をされてもいいと思えるほどに。
それに、愛しい花を突き飛ばすなんて文若にできるはずもなかった。腕力ではたしかに勝っているが、気持ちの面で出来ることと出来ないことがある。
しかし、戸惑っているうちに。
「――ッ!!」
文若は花に強引に唇を重ねられてしまった。
花から漂う濃厚な蜂蜜の香りを、文若は媚薬と錯覚する。こんなにも甘い口づけは初めてだった。
(……私もだいぶ、酒にやられているようだ、な……)
けれど、酒が回っているせいか彼女を拒む気にもなれない。そうこうしているうちに、唇の間から花の舌が割り込んでくる。
先ほどまで彼女が飲んでいた酒の味が口内に広がる。まるで口移して飲まされているかのようだ。
酒に酔ったのか、彼女に酔わされたのか。今となってはもうわからない。
「――気持ち、いいですか? 文若さん……」
「っ、花…… お前、は……!」
早速、文若は着衣を脱がされてベッドにいた。花もまた全裸で文若の脚の間に顔を埋めている。花は恍惚に浸った表情で文若のものに舌を這わせていた。
「……男の人はここ舐められるといいって、ネットの記事で見たんです」
花が舐めているのは、文若の反り返った屹立の裏筋だった。感じてしまう場所に刺激を与えられて文若のものはあっという間にその固さを増していく。
花の口淫は意外なほど巧みだった。学習の成果か舌遣いも的確で、ぞくぞくとした快感が間断なく文若の身体を駆け抜けてゆく。再び文若の屹立が脈動し、その大きさと固さを増した。
「ダメだ、花…… これ以上は……」
「ダメとか嫌じゃなくて、いいならいいって言ってください。文若さんがそう言ったんですよ」
これ以上わかりやすいほどに無防備な身体を反応させているくせに。この期に及んで自分から逃げ出そうとする恋人を花はかわいらしく責めた。
「それは、そう、だが……」
完全に立場が逆転している。酒で気が大きくなっているのか積極的な花に文若はタジタジだった。
愛しい花に奉仕されるのは男冥利に尽きるほど嬉しい。けれど、文若の脳裏には泥酔していると思しき年下の恋人に、こんなことをさせていいのかという躊躇いがあった。
それにしても、反り返った文若の楔を舐める花の姿は犯罪めいた可愛らしさだ。可憐な彼女が勃起した男のものを握っている姿は男の劣情をかきたてる。
「……文若さんがイイって言ってくれるまで、私――」
さすがに、これ以上のことをさせるわけにはいかない。文若は観念した。
「わかった、わかったから、花。頼むからこれ以上私を追い詰めてくれるな」
そこまで口にして、一呼吸置いてから。
「……今宵はお前の好きにされるとしよう。良いときは正直にそう伝えればよいのだな?」
「はいっ」
白旗をあげた文若に花は笑顔を見せる。常日頃は控えめなくせに、攻め手に回った花は不自然なほどにいきいきとしている。
しかし、文若は違った。自分が従わねば収拾がつかないと判断して、花の言いなりになることを選んだものの。正気を失っている恋人にこんなことをさせている罪悪感にいまだ囚われていた。
本当は無理やりにでも止めさせるべきなのかもしれない。けれど、やはり文若も人の子だった。本能には抗えない。
いけないと思いつつもこの先の展開を望んでしまう。酒をきっかけに降って湧いたこの幸運を逃したくなかった。
(花、すまん…… 私は、卑劣な男だな……)
哀しき男の性だ。好きな女の子の前では形なし。
「えへへ…… 文若さんの、すごくおっきくて大好きです……」
とろりとした瞳で照れたように微笑んで、花は引き続き文若のものに奉仕する。裏筋を舐め終えると、鈴口と竿の境目――雁首に舌を這わせ始めた。
そこは一番感じてしまう場所で、たまらず文若は熱い吐息を漏らす。
「っ…… は……」
「文若さん、気持ちいいですか?」
「ああ…… いいぞ、花……」
「じゃあ、もう少し続けますね……」
「っ…… くっ……」
これほどまでに執拗に雁首を責められたことなどなかった。
生まれて初めて体験する心地よさに、文若の切れ長の瞳が潤み始める。やがて頬も淡く染まって、呼吸も乱れ始めた。
たまらない気持ちになって、文若は深く息を吐いてからきつく目を閉じると、眉間に手をやった。小さく頭を揺すって軽く俯くと黒い前髪が流れ落ちてくる。
そうやって自分を落ち着けてから、文若はゆっくりと目を開けた。指の間からは自分の脚の間に顔を埋めている花の様子が見える。
小さな口から懸命に舌を伸ばして、文若のぎちぎちに張り詰めた肉の楔を丁寧に舐め上げている花の姿は、背徳的なまでにかわいらしかった。
未成年の少女のような印象の花が口淫に耽る様子は、文若の胸に罪の意識と表裏一体の興奮を呼び起こす。あまりのよさに文若は再び大きく息を吐いた。
「っ…… は……」
けれど、長い睫毛を伏せて文若の雁首を舐めながら、時おり愛おしげに彼の肉棒に唇を寄せる花の姿には。捕らえた獲物に絡みつき今まさに呑み込まんとしている蛇のような蠱惑的な美しさも感じてしまう。
まだ子供だと思い込んでいた年下の恋人にこのような色気があったなんて、文若はこれまで知らなかった。
「花…… っ……」
絶え絶えにつぶやいて、文若は自分の脚の間に顔を埋めている彼女の頭をそっと撫でた。まるで巧みな奉仕への謝意を示すかのように。
花もそれが嬉しかったようで、文若の楔への奉仕の熱量がさらに高まる。
酒に酔った勢いでこんなことをしている。本当はいけないのに、やめられない……。
快楽に溺れているのは花も文若も同じだった。そしていよいよ文若の理性のタガが緩み始める。
まるで心の中にある何かが壊れていくかのような感覚だ。今にも崩れかかっている砂上の楼閣。そして、文若は己の胸の内でそれが崩落する瞬間の音を聞く。
「――心地よい、ぞ…… 花…… たまらなく、なるな……」
「文若さん…… 文若さんの、くわえてもいい、ですか……?」
「……ああ、構わんぞ。今宵の私はお前のものだから、好きにしてくれ」
歯の浮くような台詞がすらすらと出てくるのは、酒で自制心が薄れているせいだろうか。素直な願望が出てきてしまう。『私はお前のものだから』本当はずっとそう伝えたかった。
「嬉しいです……。わたしも、文若さんだけのもの、ですよ……」
「っ…… 花」
「気持ちよくなって、ください……」
そして、ついに。花は大きく口を開けて文若の屹立をくわえ込んでしまった。
ぬるついた温かな粘膜に包まれて、文若は花の口腔内を性器内と錯覚する。
「――っ、は……!」
もう、出してしまいそうだ。けれど、まだ出したくはない。
ようやく挿入を果たしたばかりだから、というのもあるが、花の粘膜の温もりをもっと感じていたかったのだ。この状態での花の奉仕も体験してみたかった。
口内と性器内。温かく濡れているところは似ているが、もちろん違うところもある。
「っ…… 花っ……!」
花の口内で彼女の舌が、文若の裏筋を丹念になぞり始める。裏筋をなぞられるのは二回目だ。けれど、強すぎる快楽にいまだに慣れない。
文若のものが花の口内でどくんと大きく脈動し、ますます質量を増してゆく。
裏筋を舐め終えた花の舌は、今度は先端の雁首に這わされた。舌先を尖らせて境目の奥まで丁寧に刺激して、文若を追い立ててゆく。
「――っ、たまらんな…… 花、とても良い、ぞ…… そのまま、続けてくれるか……?」
花は目でうなずき奉仕を続ける。自分の愛撫で文若のものが育ってゆくのが嬉しい。
口腔内では彼のものの変化がより直接的に伝わってくる。どくんと脈打つたびにむくむくと大きくなって、いまやぎちぎちに張り詰めている文若の肉棒に、花はたまらない気持ちになる。
いつもこれに貫かれながら、存分に愛されている。なんて幸せなんだろう。
花の脳裏に文若と交わっているときの己の様子が鮮やかに蘇り、自然と奉仕の熱量が高まってゆく。
普段はなかなか褒めてくれない文若が手放しで褒めてくれて、ご機嫌な様子でさらなる愛撫をせがんでくるのも嬉しかった。
口淫を続けながらも花は文若をこっそりと見上げた。眉を寄せて快楽に耐える彼の姿はとても色っぽい。
時折身体を震わせて漏らす「……っ、は」という吐息や「くっ……」という何かをこらえるような喘ぎも花の胸を熱くさせる。
潔癖で隙のない文若がこんな無防備で艶めいた表情を見せてくれるなんて、普段の彼主導の性行為では考えられない。
こんなにも乱れてくれる彼の姿はなかなか見られないから、花は文若をさらに追い詰めたい衝動に駆られてしまう。
いつも冷静な彼が乱れる姿をもっと見たい。余裕をなくして慌てる可愛い姿や、恥ずかしがる姿を見てみたい。
文若も普段自分に対してこのような感情を抱いていたのだろうか。やっと彼の気持ちがわかった気がする。
舌先での愛撫を終えた花はおもむろに、口内の文若の楔を思いきり吸い上げた。
「――っ、あ……! ああっ……!!」
その瞬間。文若がひときわ甲高い声で喘ぎ、大きく上体をのけぞらせた。
こんなにも切羽詰まった様子の彼の姿は初めて見た。
文若は頬を染めて肩で息をしながらも切なげに眉を寄せて、今まさにもたらされている性の快楽を無防備な肉体の全てで懸命に受け止めようとしていた。
そんな彼の姿を見つめながら、花は満ち足りた気持ちになる。恋人が自分の手でこれほどまでに乱れてくれているその事実が嬉しい。
愛の営みの最中の男の人が、こんなにも劣情を煽る可愛らしい振る舞いをしてくれるなんて、花は知らなかった。
勃起した肉棒を吸われながら、全裸で喘ぐ文若は色っぽくてかわいくて格好いい。
「っ、は…… これはたまらんな…… 花、もう一度頼めるか……?」
言われずともそのつもりだった。花は再び彼の肉の楔をきつく吸い上げる。
「――っ、ああっ……! くっ……!」
再び、文若が大げさな喘ぎを漏らして、大きく身体を震わせる。相変わらず、とてつもない反応の良さだ。
深酒で自制心が薄れているせいか、今日の文若はまるで媚薬でも飲まされているかのような、見ごたえのある痴態を披露してくれている。
先ほどからことあるごとに発している、興奮にうわずった引き攣れた喘ぎ声もすごくいやらしい。
普段とは逆で、今夜は自分が彼を犯しているような気がする。
「……良かったぞ、花。……今度は、私のものを喉奥までくわえ込んでから、強く吸ってくれるか」
瞳の奥に危うい光をのぞかせながら、文若は花にさらなる愛撫を求めてきた。
一応質問の形を取っているけど、これは事実上の強要だ。今の文若であれば快楽を得るためならどんなことでもやりかねない、ような気がする。
喉の奥までくわえこむのはすごく大変だけど、意を決して。花は彼に乞われるまま、張り詰めた文若のものを己の口内の奥の奥まで、ゆっくりと押し込んだ。
「――っ!」
異物感と圧迫感に反射的にえづきたくなったが、それをこらえて。花は文若の肉の楔を、そのままひと息に吸い上げた。その瞬間。
「――っ、っあっ……! ……ああっ!」
先ほどよりさらに甲高い、興奮に掠れた文若の喘ぎが寝室に響いた。文若がぐっと喉を反らしながら、びくんびくんと大きく身体を震わせる。誰の目にも明らかなほどに、彼の限界は近い。
性的に追い詰められている文若の姿はすごくかわいい。花の胸に好奇心がもたげる。どうせなら文若が達する瞬間を見てみたい。
「……っ、は ……心地よいぞ、花 もう一度、やれるか?」
おあつらえ向きに、文若の方からもねだってきた。
頬を淡く染めて瞳を潤ませながら、照れと喜びがないまぜになった表情で文若は花にせがんでくる。
明らかに興奮した様子の彼はすごく無防備だ。お酒が入っているせいか今日の文若は随分と隙だらけな気がする。これが彼の素なのだろうか。
普段は理知的で大人らしく振る舞っている文若の新たな一面を発見して、花は嬉しくなってしまう。
小さなうなずきを返すと、花は再び彼の楔を慈しむ。途中で息継ぎを挟みながら、繰り返しきつく吸い上げた。
「――……っ、このままでは、果ててしまいそうだな……」
「……出してください、文若さん」
「花……」
「……続け、ますね」
「ああ…… っ…… あっ……!」
再び、文若は喉を反らして天井を仰いだ。己の肉の楔を彼女に吸われるのが、ここまで心地よいとは思わなかった。今や文若は完全に花に翻弄されていた。
「……っ ……よもやお前に、ここまで追い込まれるとはな。……骨抜きに、されてしまいそうだ」
忘れられない快楽を、植え付けられてしまった。『あのときのような奉仕をまたして欲しい』とことあるごとに彼女にせがむ未来の自分を、文若はありありと幻視する。
愚直な己だからきっと浅ましくとも真っ直ぐに乞い願うことしかできないだろう。
今までは女に責められることになど興味がなかった。女は大人しく男に組み敷かれてよがっていれば良いとさえ思っていたけれど、新たな扉を開いてしまった。
愛する人に翻弄される楽しさと、一方的に尽くされて振り回される幸せだ。
射精直前の余裕のなさで、文若は花の首の後ろに手を回すと彼女の了承も取らないうちに、己の肉棒を彼女の口内深くに押し込んだ。
「――んっ! んんっ……!!」
驚きに目を見開き苦しげにする花だったが、すぐに落ち着きを取り戻すと再び愛撫を再開した。
花の容赦のない吸い上げに、文若はますます追い上げられる。
「――っは……! ああっ、っあ……!」
張り詰めた肉棒の先端から根本まできつく吸われて愛されて、文若は間断なく引き攣れた喘ぎを漏らしてしまう。大の男が情けないと思うのに止められない。
そしてついに、文若はたったひとりその瞬間を迎えてしまった。
「――花、出す……! っ、ああっ……! っ……!」
なけなしの理性で、己の肉の楔に奉仕する花の頭部を掴みながら。
興奮にうわずった叫びを上げると同時に、文若は花の口内から己の肉棒を引きずり出し、その先端から勢いよく白い体液を射出させた。
文若のつるりとした赤黒い鈴口からどろりとした白濁が吹き出していく瞬間は、花の目にはまるでコマ送りのように映っていた。
男の人が射精する瞬間を、生まれて初めて目にしてしまった。まるで見てはいけないものを見てしまった気がして、花は背徳感に興奮してしまう。
達する瞬間も眉間にしわを寄せていた文若は、なんだかとても彼らしくて愛おしかった。苦しげで切なげな表情もすごく良かったと思う。
だけど、それはそれとして。胸元を中心に盛大に飛び散って乳房をどろどろに汚している彼の精液をどうしていいかわからない。
「ぶんじゃく、さん…… あの……」
「っ、花……」
浅ましい欲のすべてを吐き出してようやく多少の冷静さを取り戻した文若だったが、先ほどまで彼への奉仕に使われていた花の口元に吸い寄せられてしまう。
裸の身体に精液をかけられて戸惑っている花の姿はかわいらしい。粘膜色の唇は口淫を終えた今もなお薄く開かれており、まるで何かを求めているかのように見えた。
おもむろに、文若は花の乳房を汚している己の白濁を指ですくいとると、彼女の口元にもっていった。
「――舐めて、くれるか……?」
自分は何をやっているのだろう。酒に酔った彼女に何を求めているのだろう。
けれど、理性のタガはゆるんで自制心も弱ったまま、自分自身を止められない。こんなにも浅ましい欲望が自分の中にあったなんて。
しかし、花は小さな声で「はい」と口にすると、文若の指をあっさりと口に含んでしまった。
今度は文若の長い指に花の舌が這わされる。文若の体液が丁寧に舐め取られ、そのまま花はごくんと喉を鳴らし、文若のもの己の唾液ごとを飲み干した。
まさか、こんなことまでしてもらえると思っていなかったから。文若は驚きに目を見開いて小さく息を呑んだ。
「……っ! 花……」
精液の独特の風味に戸惑っているのか、花はしばらくの間わずかに顔をしかめていたが。不意に文若を見つめると照れたような困り笑顔を見せた。
「……ちょっと、苦かったです」
この反応は駄目だと思う。あまりにも罪づくりな、男を狂わせる可憐な笑顔だ。
「っ――!」
不意に彼女に対して仄暗い衝動を覚えた文若だったが、かぶりを振って冷静さを取り戻す。
「……っ、これ以上はさすがに、いかんな。……すまないな、花。今、綺麗にしてやるから待っていろ」
何かを誤魔化すように早口でつぶやいて、文若は近くに置いていたティッシュの箱を手に取った。花の胸に散らされた己の欲望の残滓をふき取ってやる。
花の乳房もまた、本人に似てかわいらしい。控えめながらも丸みがあって柔らかくて、桃色に色づいた先端もふるいつきたくなるほどに魅力的だった。
こんなところに己の体液をかけてしまって、文若は罪悪感を覚える。そのような行いをしたのは今日が生まれて初めてだった。
全てを終えて冷静さを取り戻しつつあった文若は不意に明日の朝が不安になってくる。こんなことまでさせてしまって、大切な花に対してどのような申し開きをすればよいのだろうか。
きっかけを作ったのは彼女の方だが、それに焚きつけられてここまでやらかしてしまった己も大概だ。
しかし、過ぎたことはどうにもならず文若は腹を括った。怒られて泣かれたら謝るしかない。
小さく息を吐いて、文若は使い終えたティッシュをゴミ箱に捨てながら背後の花に声をかけた。
「――花、今宵はとても…… その…… 刺激的だったように思う。お前の色香にやられてしまったな」
しかし、こちらが話しかけているのに不自然なほど彼女の反応がない。
「……おい、花? 聞いているのか?」
不審に思って振り返ると、無邪気な姫君は一糸まとわぬ無防備な姿で可愛らしい寝息をたてていた。
「……眠って、いるな」
文若はあまりの展開に呆気にとられるが、そのとき。
「……ん ……ぶんじゃくさん ……だいすきです」
シーツをぎゅっと握りしめて、むにゃむにゃとつぶやく子供のような彼女の姿に、文若の口元が緩んだ。
「――つくづく、お前は変なやつだな」
酒は理性を弱らせて人間の眠れる欲望を引き出すのだという。だとしたら……。なんだか笑いが込み上げてくる。自分も彼女もよほど欲求不満だったらしい。
けれどその欲を満たした今、思い残すことは何もない。
文若は裸の花に毛布をかけて寝室のエアコンをつけた。風邪を引いたら可哀想だからあとで服を着せてやろうと思う。
「――おやすみ、花」
また明日。こうして、ふたりだけの夜は更けていった。
END
あとがき 約1500文字
お疲れ様です、作者です。
今回のお話はシチュエーション切り取り型の18禁ショートショートを短納期で書いてみたい!と思って書きました。文花でフェ○するだけのお話で約1万文字で、制作期間も普段より短めでいけたので、良かったなと思いました。
これまでのような短編1本3万字制作期間3週間〜みたいなのは書くのも読むのも大変だと思うのでこれからは短いお話を量産できたらいいなと思っています
でも量産できるほど沢山のネタはないし、書いているとつい書きたいことが増えて長くなってしまうんですよね、もっとサクサク作業ができればいいのですが……。
今回の内容についてです。文若さんはセクハラされるのが似合いますね。真面目でカワイイ男の人はついからかいたくなります。なので文花で泥酔イチャイチャを書きました。
蜂蜜酒をハネムーンの語源通りにキャラたちに利用してもらいました。結婚したばかりの男の人に飲ませて子作りを頑張らせる、というあれです。
今回は花ちゃんがオオカミ役ですね。お目当ての可愛い子(文若さんのことです)を酔わせて、いやらしい悪戯をしちゃう花ちゃんは肉食系女子というか、だいぶ逞しいです。ですが筆者の都合でキャラ崩壊させてしまってすみません……
花ちゃんがあまり肉食すぎるので、文若さんを酔わせて襲うためにお父さんからお酒をもらったと嘘をついた、までありそうだなと思いました(笑)
今回の文若さんは可愛くセクシーに沢山喘いでいますが、ノマカプの男(攻め)が喘ぎまくる描写が苦手だった方には、すみませんでした。
筆者の他作品ではこんなに喘いでいないですし、ちゃんと男らしくてカッコいいドS貴公子攻めの文若さんを書いていますので、本作の喘ぎまくりのカワイイ文若さんが苦手だった方は本作以外を見ていただけると嬉しいです……
ですが文若さんが感じまくって喘いでいる描写は書いていてとても楽しかったので、読み手さんにそれが少しでも伝わっていたら嬉しく思います。
普段かっこいい男の人が、追い詰められてかわいくなっちゃう瞬間も良いですよね……
あと、今回の回想シーンで若孟徳さんと孟卓さんのクラブナンパがかけてよかったです。
巨乳美人の胸をチラチラ見ながらチャラい口説きをする孟徳さんと、それを見ながらゲラゲラ笑う孟卓さんが、普通にサイテーで大好きです。
若孟徳さんや孟卓さんにナンパされて雑に口説かれたいです……(笑)
今から完全にコンプラ的にアウトなことを言うんですけど、若孟徳✕女夢主人公✕孟卓の両手にヤリチン的な3Pも楽しそうではあります。
倫理的には終わっていますが両手にイケメンはきっと楽しい。酒の勢いで楽しくやらかしてしまいたいですね。この二人はきっと今夜もクラブのvip席で女の子と楽しく遊んでいると思います
イケメンエリートで陽キャでチャラくてヤリチンでちょっとゲスくてサイテーなこの二人が大好きです。それにキレてる文若さんや、呆れている元譲さんも大好きです。
最後に、念の為となりますが、泥酔した相手にセクハラをするのは普通に犯罪ですので(汗)真似などなさらないようにお願い致します。
本作は創作なのでこのような内容になっていますが、酒は飲んでも飲まれるな!ということで、お酒とは程よいお付き合いでお願いします。
それではまた次回。お読みくださりありがとうございました。