MISS YOU MORE 鳥籠(R18)
名前変換設定
本棚全体の夢小説設定薄桜鬼とテニプリは名前変換可、刀剣乱舞はネームレス夢です
※恋戦記小説について
現在一部作品のみ名前変換可にしていますが、ヒロインの下の名前「花」が一般名詞でもあるため「花瓶の花」などで巻き込み変換されてしまいます
それでも良い方は変換してお楽しみください。それがダメな方はデフォ名「山田花」でお楽しみください
すみませんが、よろしくお願いいたします
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長いようで短い、ホリデーシーズンの休暇中。
名前は孟徳と二人でとある高級ホテルにいた。本当は一緒に旅行に行きたかったけど遠出が出来なくて、結局近場のホテルで過ごすことになったのだ。
高層階のスイートルーム。ウェルカムドリンクのノンアルコールのスパークリングワインとフルーツを頂いてから、名前は早速部屋付きのお風呂に入っていた。
ホテルのお風呂はやはりとても綺麗だ。床や壁は大理石で、海に面した壁が巨大な窓になっている。
名前は乳白色の湯船に浸かりながら、窓外の景色を眺めていた。都会のビル群の向こうには輝く水平線が見える。
(……景色、すごいなぁ)
こんなところに泊まり慣れている身分ではない。名前はお風呂の気持ちよさよりも、景色に心を奪われていた。自然と長風呂になる。すると、当然へそを曲げるのはこの人だ。
「……名前ちゃん~~ やっぱり、ダメ?」
扉一枚挟んだ脱衣所から聞こえてくるのは甘ったるい孟徳の声だ。彼が好きな女性に対してだけ聞かせる、すがるようなお願いボイス。しかし、名前はつれなかった。
「ダメですっ!」
力一杯返事をする。同じやりとりをすでに何度もしていた。名前は改めて主張する。
「一緒にお風呂に入るのは、ダメですっ!」
しかし、孟徳はめげなかった。全力で名前に食い下がる。
「ええ~ いいじゃない、何もしないよ? 絶対に何もしないから!」
「も、孟徳さん! 少し前に『男の言う絶対に何もしないは絶対に嘘だから絶対に信じちゃダメ!』って言ってましたよね!?」
「え? やだなぁ、そんなこと言ったっけ?」
特技は暗記なのにもかかわらず、孟徳は堂々と白を切る。そのあまりのわざとらしさに名前は怒った。
「孟徳さんのバカ! もう、一緒にお風呂なんて絶対に――」
「冗談だよ、冗談! 君に嘘はつかない。約束する。だから、ちょっとだけでいいから……!」
(なんていう泣き落としが本当に通じるとはな……)
ダメ元のつもりがまさかの展開である。名前と同じバスタブ、同じ湯舟に浸かりながら、孟徳は僥倖を噛みしめる。嬉しい。本当に嬉しい。
しかし、孟徳は優しすぎる彼女に若干の不安を覚える。
(……他の男にもこんなに甘いなんてことはない、よな? 俺に対してだけ、だよな?)
さすがに名前が自分以外の男と一緒に風呂に入るとは思わない。けれど、優しくて人気者の彼女の周りには、やはり常に男の影があるから。時々不安になってしまうのだ。
(……信じていいんだよね? ……名前ちゃん)
ずっと信じると確かに約束したけど、人間の性格はそう簡単に変わるものじゃない。不意に気持ちが沈みかける孟徳だったが、タイミングよく名前が声を掛けてきた。
「――ホテルのお風呂、綺麗で広いですね」
今の名前はいやに上機嫌だ。さきほど「風呂に入れてよ」「ダメです!」の押し問答を続けていたときは、ちょっとご機嫌斜めだったけど。喉元過ぎて熱さを忘れたのか、今はニコニコとしている。
孟徳は内心の葛藤はおくびにも出さず、しれっとした表情で答える。
「――そうだね。景色もいいし、やっぱりいいよねぇ。ホテルステイは」
高層階の部屋付きの豪華なお風呂。壁一面の巨大な窓からは綺麗な青空と都心のビル群と海が見える。
孟徳の自宅のタワーマンションも見晴らしがいいけど、お風呂から外の景色は見れないしオーシャンビューではないから、彼にとってもこの眺めは新鮮だった。
改めて孟徳は今日泊っているホテルの設備の説明をする。
「お風呂以外だと宿泊者専用のスポーツジムやプールもあるんだよ。いつでも好きに使えるから、行きたくなったら言ってよ。一緒に行こう」
お高めのホテルには、宿泊者限定で自由に使える設備が色々ある。ジムにプール、軽食が楽しめる景色のいいラウンジ、バーもあるからお酒も飲める。
名前と二人で過ごせるせっかくの休みだから、一緒に楽しいことをしたい孟徳だった。
「すごいですね」
名前は驚いたように目を丸くする。彼女の純粋な反応が微笑ましくて、孟徳は我知らず笑みをこぼす。
ベタだけどやっぱり、好きな女の子にこういう反応をしてもらえるのは嬉しい。もっと喜ばせたくなってしまう。
「……君が行きたいなら、俺はどこにでも付き合うよ」
自然と微笑みを浮かべていた。好きな子はやっぱり甘やかしてあげたいのだ。何でもわがままを言って欲しい。相手が名前であればなおさら。
しかし、孟徳の姫君はちょっと驚いたような表情を浮かべると、真面目な顔で彼の申し出を辞退してきた。
「……ありがとうございます。でも私は、孟徳さんがしたいことがしたいです」
「えっ」
「……今日は、二人でのんびりしましょう」
孟徳の目をまっすぐ目を見つめて、名前は心からの気遣いをしてくれた。
確かに、自分はいつも疲れていた。仕事で忙しく飛び回ることが多いから、本当は休みの日はのんびりしたい。
けれど、そんな理由で自分と一緒にいる女性を退屈させてしまうのは、孟徳の男としてのプライドが許さなかった。
それに何より、大切な名前を退屈させたくなかったのだ。自分と一緒にいるときは、心から楽しんでいて欲しい。そういった理由があっての先ほどの発言だったのだが。
やっぱり名前はさすがだ。自分の気遣いを見抜いて、こうして思いやりを返してくれる。男の優しさに甘えるだけの子ではないのだ。
「ありがとう、名前ちゃん……」
孟徳は素直に感動してしまった。らしくないのかもしれないけど、これも相手が名前だからだ。自分にとっての唯一の存在。
名前もまた照れたような笑みを浮かべると。
「……孟徳さん、そっちにいってもいいですか?」
なんと、自分から孟徳の腕の中に納まってしまった。バスタブの中でのバックハグ。孟徳はここでも幸せを噛みしめる。
何もしないという約束だったのに、なんとなく雰囲気に甘いものが混ざり始める。
「……こうやって君と一緒にのんびり過ごすのが、俺にとっては一番の贅沢だよ。俺のそばにいてくれて、ありがとね」
孟徳は名前の手を口元にもっていき、その甲に優しくキスをした。ちょっとしたお姫様扱いだ。
ほのぼのとした雰囲気に忘れそうになるけど、一緒にお風呂というシチュエーション。お互いの素肌を隔てているのはバスタオルの布一枚だけで。
それをようやく思い出したのか、名前がにわかにソワソワとし始めた。今になってやっと自分がすごく大胆なことをやらかしてしまったと気づいたらしい。
だけど、好きな人と触れ合いたいという気持ちは名前の方にもあるらしく、彼女は孟徳の腕の中から逃れようとはしなかった。気恥ずかしそうにしながらも、彼の腕の中におさまったまま。
このチャンスを逃す孟徳ではもちろんない。孟徳は名前の首に顔を埋めて、嘘にならない程度にそれらしい小芝居を打つ。
「ん~ なんか眠くなってきた……」
「えっ、大丈夫ですか……?」
すると、孟徳の演技を真に受けたのか、名前は焦った返事をする。彼女が動いたせいで湯舟がばしゃりと揺れた。
「あはは、冗談だよ。なんかね、こうしてると幸せだなって思うんだ……。こうやって、君と一緒にいられるだけで、俺は満足だよ」
ひとまずそう返事をして、孟徳は名前と一緒に温かなお湯に浸かりながら、しばらくの間外の景色を眺めていた。
そして、ようやく。孟徳は名前を毒牙にかけることに成功する。
「――絶対に何もしないって言ったじゃないですか……」
「――ごめん、やっぱり無理だった……」
とりあえずの謝罪をしながらも。孟徳はなし崩しで愛の行為に及んでいた。名前を抱きしめて、後背から愛撫をしている。
すでに二人とも裸で、身体に巻いていたタオルは行方不明になっていた。広い浴室内には名前の甘い喘ぎとシャワーの音が反響している。
浴室で行為に及ぶとき、孟徳はシャワーを出しっぱなしにするのが好きだった。
水音を聞きながらの愛の行為は、なんとなく雰囲気が高まるのだ。相手の女性も背徳感を刺激されるのか、反応が目に見えて良くなる。
それは名前も例外ではなく、今日の彼女はいつもよりずっと可愛らしくて淫らだった。
抵抗らしい抵抗もせず、無防備な裸身を孟徳の好きに弄らせてくれる。脚の間もすっかり柔らかく解れていて、いつでも孟徳のものを入れられそうだ。
出しっぱなしのシャワーのお陰で浴室内は温められていた。湿度の高い閉鎖空間は、いかにも風呂場らしい。
名前の素肌はほんのりと火照り、首筋にはうっすらと汗が浮かんでいた。その汗すらも愛おしく思えて、孟徳はそれを舐め取る。すると、名前がぴくりと身体を震わせた。
(……孟徳さん、雰囲気作りうまいな)
いつものこととはいえ、名前は改めて孟徳の旺盛なサービス精神に舌を巻く。SはサービスのSでMはわがままのMだって言うなら、今の孟徳はSだと思う。きっと。
(他の女の子ともお風呂でしたことあるのかな。あるんだろうな、きっと……)
シャワーを出しっぱなしにしながら、浴室の壁に両手をつかせた裸の女性を背後から愛撫して、その人の体液を舐めとっていたに違いないのだ。今このときと同じように。
(……っ)
孟徳に抱かれながらも、名前はつらつらと考えなくてもいいことを考えてしまう。
つい先日、夢の中で若い頃の彼と遭遇したからなおさら、他の女性を抱いている孟徳の姿を生々しく思い描いてしまう。
鈍い嫉妬心がこみ上げて、名前の胸がちくりと痛む。
けれど、過去のことは責められないから、名前は今だけに集中しようとする。彼の今と未来は自分にだけ捧げられているのだから、我慢しないと。
しかし、胸の奥の痛みは消えない。
本当は孟徳の全てをこの身体に縛り付けてしまいたい恋心。孟徳を愛するうちに、いつしか名前の中にもそういった感情が芽生えていた。
彼の身も心も、過去も未来も。彼の人生すべてを乗っ取って、この身に縛りつけられたら、どれほど満足できるだろう。
孟徳の熱く濡れた息遣いと場数を踏んだ慣れた愛撫で、脚の間を浅ましく濡らしながら、名前は懸命にこみ上げる妬心を抑える。
(……でも、もしかしたら)
孟徳もこうやって、自分のことを縛りつけておきたかったのかもしれない。名前は不意にそのことに思い至る。
消えない不安を打ち消すために鎖で繋いで、自分だけの鳥籠に。
湿度の高い閉じられた世界で、孟徳に無垢な裸身を愛されながら。名前は彼の手によって造られた、永遠の牢獄を夢想する。
ひとときの間、無益な空想に浸ってから。不意に名前は我に返った。まだ、彼との交合は終わっていない。
高級ホテルの浴室内というシチュエーション。こんなところに避妊具はないから、自然と出来ることは限られる。
名前の脚の間の肉の名前弁が孟徳の手によってしっかりと広げられ、その中央に彼の屹立の竿の部分がぴったりと押しつけられた。
「……っ」
そのまま、孟徳は名前に太ももを閉じさせる。充血した孟徳の肉の楔が名前の両脚にきっちりと挟まれた。
楔の先端を名前の裂け目に押しつけているわけではないから。このまま孟徳が腰を揺らしても挿入には至らない。前後に擦れ合うだけだ。
孟徳は自分の楔の下部を片手で支えるようにしながら、もう片方の手で名前の腰を掴んだ。
「今日はこれで、動くね……?」
「――あっ…… つっ……!」
名前にとっては生まれて初めての体験だった。入れてないけど入れているみたいで、なんだかすごく気持ちいい。
孟徳が前後に腰を揺するたびに、孟徳の楔の先端が名前の一番感じてしまう肉芽に当たる。疑似挿入のじれったさも相まって、心地よさに溶けてしまいそうだ。
自分の裂け目の内側がさらに濡れていくのを、名前はしっかりと感じとっていた。過剰な潤いはすぐに溢れて、孟徳の屹立に伝わってしまう。
こんなにわかりやすい反応をしたら、きっとまたからかわれる。けれど、我慢しようとすればするほど、名前の身体はどうしようもなく淫らに昂ぶった。
女性の体液が潤滑油代わりになるのは、普通の行為と変わらないのだ。そしてさっそく、抜け目のない孟徳が煽ってくる。
「……体液が溢れてきたね。名前ちゃんも、気持ちいいんだ?」
「っ……!」
「このまましっかり感じて、沢山濡らしてね。その方が俺も都合がいいし……」
甘く錆びた声で囁いて、孟徳は名前の首筋に唇を触れさせた。そのまま、きつく吸い上げる。そこは服で隠れない場所。
「……っ、ダメです、そんなとこ」
痕をつけられたくなくて、名前は身をよじってささやかな抵抗をする。彼女の腰の角度が自然と変わるが、孟徳は彼女の身体を優しく抑えつける。
「……こら、勝手に動いたら俺のが入っちゃうよ? だから君は動いちゃダメ」
「……っ!」
「今日は大人しく、俺の好きにされること」
「っ、そんな……」
そんなのひどい。
けれど、孟徳の言う通り避妊具をつけていない彼のものが入ってしまったら大変だから。名前は仕方なく、何の抵抗もせずに孟徳の愛撫を受け入れた。
「……っ ……んっ」
首筋に唇を這わされて、時おり熱く濡れた舌で舐められて。名前は孟徳に無防備な素肌を幾度となくきつく吸い上げられた。
見える場所に痕はつけないで欲しいのに、孟徳の口づけと濡れた舌がくすぐったくて、名前は甘く喘いでしまう。一糸まとわぬ裸の身体を彼の好きにされるのが心地よい。
「あっ…… も、うとく、さ……っ」
「……ん、いいよ。君の中からいっぱい溢れてきてる……。首筋舐められるのも好きなんだね」
「っ、ちが…… いま……」
「嘘だね」
「っ」
「……君はやっぱり可愛いな。素直で、すごくいい。ずっとそのままでいて?」
「……っ」
なんだか、またしても上手く嵌められてしまった気がする。
だけど愛の営みの最中に名前が孟徳を出し抜くなんて不可能だ。場数を踏んだ大人の彼にはやっぱり敵わない。いつもこの手にやられてしまう。
「……ねぇ、もっと濡らして欲しいな。次は何してあげようか? 君はどうされるのが好き?」
「……っ!」
身体を重ねているときの孟徳は意地悪だ。筋金入りのいじめっこ気質で、今も名前を困らせて楽しんでいる。
しかし。名前もまた孟徳のわかりやすい煽りに身体を反応させていた。脚の間の秘部からは体液をいよいよ溢れさせ、孟徳の屹立をしとどに濡らしてゆく。
孟徳は腰を前後に動かして、名前の秘部に自らのものを擦りつけて快楽を得ながらも、空いた方の手で名前の乳房を弄り始めた。
「あっ…… つっ……」
こんなことをされてはたまらない。二方向から同時に押し寄せる快楽の波に攫われて、名前は無防備な裸身を仰け反らせる。
今日の行為は、全て孟徳がリードしてくれていた。今も彼の屹立が名前の中に入ってしまわないように手で抑えながら、腰を規則的に動かしている。
けれど、それは裏を返せば全てが彼の手の上ということだ。
孟徳がその気になれば、避妊具をつけていない彼の屹立はいともたやすく名前の中に入り込んでしまうだろう。
(もし、そんなことになったら、どうしよう……)
さすがに孟徳がわざとそんなことをするとは思わないけど、事故を起こしてしまう確率はゼロではなく、名前は興味を抑えられなかった。
避妊具をつけていない彼のものを入れられたら、一体どうなってしまうのだろう……。
まだ、生のままでの挿入は体験したことがなかった。名前の胸の内に浅ましい好奇心が湧き上がる。
すると、まるで心を読んだかのように孟徳が囁きかけてきた。
「なんか、こんなことしてたら、そのまま入れたくなってきたね……」
「え……?」
言うが早いか、孟徳は自分のものの角度を不意に変えてきた。避妊具をつけていない彼の楔の先端が、名前の裂け目にずぷりと押し込まれる。
「っ! あっ……!」
名前は呼吸を詰めて喘ぐが、孟徳は腰を止めなかった。
優しく前後にゆらゆらと揺すって、自分の生身のままの屹立を名前の中に埋め込んでゆく。
「っ……!」
名前はぎゅっと目を閉じて甘い吐息を漏らした。もう何度も感じたことのある、身体に馴染んだ孟徳の肉の楔。
自分の秘部から伝わってくる感触からいっても、すでにその大部分が挿入を果たしているはずだ。
生まれて初めて感じる痺れるような心地よさに、名前は浸った。
まさかこんな形で初めての生身での挿入を体験してしまうとは思わず、たまらない気持ちになってしまった名前は、大きすぎる快楽を逃すかのように唇を噛んだ。
本当は今すぐに全部欲しい。このまま避妊具をつけていない彼のものを身体の奥まで押し込まれて、そのまま最後までしてしまいたい。
しかし、このような浅ましい情動に流されて過ちを犯したくはなかった。名前は自身の淫らな本能を必死に抑え込み、孟徳を懸命に拒もうとする。
「っ…… ダメ……で、す…… この、まま…… は……」
けれど、いくら名前が理性で拒もうとしようとも。彼女の……他人の心の弱さを見逃す孟徳ではない。
「――嘘ばっかり。本当はこのまま、入れてもらいたいくせに」
名前の淫らな本心を見透かしながら、孟徳は酷薄な声音で彼女をからかう。
「っ……!」
己のはしたなさを白日のもとにさらされて、名前の頬がさっと朱に染まった。
「出すときは外でするから大丈夫だよ。それに、もしできても俺の奥さんになればいい」
生で入れても外で出せば平気、責任は取るから……。孟徳の言うことは一理あるといえばそうだけど。
「そ、それでも、だめです、つけてないなら……」
このまま、生身のままの孟徳としてみたい気持ちはすごくあった。興味もあった。
しかし、名前はきちんと彼を拒んだ。大好きな孟徳相手でもなしくずしにされたくなかったのだ。
すると、不意に孟徳が柔らかく微笑んだ。
「……じゃあ、つけてればいいってことだね?」
「え?」
「ちょっと待ってて、今からつけるから」
「えっ、え……?」
「実は用意してたんだ」
四角い個包装を見せられて、名前は言葉を失う。
「っ、そんな……」
全然気がつかなかった。反射的に『どうして』と思うが、あらかじめ風呂場に置いていたのかもと思い至る。お風呂の用意をしてくれたのは孟徳だから。
名前が動揺しているうちに、孟徳は手早く避妊具を装着してしまった。そして。
「……ちゃんとつけたから、入れるね?」
「えっ! ――つっ、あっ……!」
あっと思う間もなく。名前はあまりにもあっさりと、その場所を孟徳に貫かれてしまった。限界まで硬さを増した孟徳の屹立は、名前の肉体の最奥までひと息に到達する。
全身を突き抜けるような強い快楽と衝撃に、名前の瞳に生理的な涙が浮かぶ。
これまでずっと求め続けていたものが、ようやく与えられたのだ。孟徳の手による容赦のない挿入の心地よさに抗えず、名前はぎゅっと瞳を閉じた。
けれど、彼に言ってやりたいことがあった。名前はゆっくりと目を開けると、裸の身体をぷるぷると甘やかに震えさせながらも、唇を開いた。
「も、うとくさんの…… バ、カぁ……」
彼の楔を自身の秘部に受け入れながら、無理やり喋ろうとしているのだ。
孟徳を甘く詰りながらも、名前の声音は淫らにかすれ、明らかな喜色が乗っていた。
彼女が男のものを入れられて善がっているのは誰の目にも明らかで、こんなものは彼女に恋する男からしたら極上の褒美でしかないだろう。
名前の秘部もまた入れられている男のものを間断なく締めあげ、涎のような蜜を垂らしながら、挿入の謝意を伝えていた。
孟徳はそんな名前を見おろしながら、心の中でつぶやいた。
(……今日の彼女はとんでもないな。最高の反応の良さだ)
可憐な年下の恋人の意外なほどの淫乱さに舌を巻きながらも、孟徳は優越感に薄い笑みを浮かべる。
清らかな彼女からこれほどまでの淫らさを引き出した男が、自分だということが嬉しい。
元より愛の営みに積極的で、男の身体に貪欲な女の方が好きだった。自分との行為のさなかに相手の女性がどれだけ乱れようとも、孟徳は今さら何も気にしない。
孟徳は存分に乱れる名前を見おろしながら、歯の浮くような台詞を口にする。愛の行為のさなかに、相手の女性からバカとなじられたときに返す、お約束の……。
「――バカでいいよ。俺は君のためならどんな愚かな男にだって成り下がれる」
裸の名前を抱きしめて落ち着かせてやったあと。孟徳は名前の胸を揉みながら、首筋に口づけを落としていた。
そんな彼の愛撫を受けながらも、名前は黙考していた。
甘い台詞に甘い振る舞い。孟徳は女の子が欲しい言葉をくれて、して欲しいことをしてくれる。だけど、だからこそ逆に胡散臭い。言い慣れてる感というか、他の人にも言っていそうな模範解答。
けれど、それでも嬉しく思えてしまう自分が浅ましい。名前は孟徳に無防備な裸身を愛されながらも唇を噛んだ。
孟徳が好きだ。ずるいところも含めて全部。彼が与えてくれる惜しみない快楽を噛み締めながらも、名前の脳裏にはほろ苦い寂しさがこみ上げる。
この人は、きっと。真の意味で自分だけのものにはなってくれない。
今と未来を捧げてくれても「女性はもう名前だけだから」と本人が何度口にしようとも。
孟徳は多忙でなかなか一緒にはいられない。職業人としての彼もまた、いつだって大勢の人たちから求められている。
けれど、その苦しみを飲み干すことも、孟徳への愛の証だから。甘いだけではない彼の全てを、華やかさと表裏一体のその陰ごと、彼を愛したい。
いつしか、名前の身体から痺れるような挿入の圧迫感が消えていた。かわりにじんわりとした心地よさが訪れる。
すると、タイミングを計ったかのように囁きかけられた。
「……そろそろ動くね。たくさん気持ちよくなって?」
甘く錆びた孟徳の声が降り落ちてくる。彼に優しく導かれながら、名前は理性を手放してゆく。
***
「……っ、ん…… っ……」
何かをこらえるかのような喘ぎを漏らしながら。名前はバスタブのへりに手をついて、孟徳に背後から愛されていた。いつもと違う場所でするのは、やはりとても興奮する。
名前の目の前には巨大な窓があり、都心のビル群と海が見えていた。臨海地区の高層階。今はちょうど夕方で、茜色の太陽が水平線の向こうに沈もうとしている。
壮大な夕暮れは非現実的なまでに美しい。そして、名前の耳を終始くすぐっているシャワーの水音……。
背後で孟徳が腰を揺らしているから、時おり肌と肌とがぶつかる音が浴室内に響いて、それがたまらなく生々しかった。
名前が与えられる快楽に浸っていると、不意に孟徳がシャワーの湯を止めた。水流が弱まりシャワーの音がなくなる。
「もう……とく、さん……?」
「――今度は向かい合ってしてみようか。……こっちを向いて、窓辺に腰掛けてごらん」
孟徳は自分のものを抜いて、名前にこちらを向かせると、再び彼女の中に侵入を果たす。
「……っ! ん…… っ……」
名前は甘やかな喘ぎを漏らすと、まるで甘えてすがるかのように孟徳に抱きついた。
ラグジュアリーホテルの大理石のバスルームで、巨大な窓から差し込む夕日に照らされながら抱き合う裸のふたり。
まるで、恋愛映画のワンシーンのようだ。それほどまでにロマンチックなロケーション。
「名前ちゃん可愛い…… そうやってもっと俺に甘えてよ」
可愛らしい名前に抱きつかれて孟徳はご機嫌だ。何かにつけて孟徳は名前を甘やかしたがる。
「ほら、もっと俺の腰に足を絡めて」
孟徳に命じられるまま、名前は彼の腰にゆるく脚を絡めた。挿入がより深くなり、孟徳のものが名前の最奥まで届く。
そのまま彼の屹立に身体の奥を優しく何度も小突かれて、たまらなくなった名前は甘やかな吐息を漏らす。
「あっ…… んっ…… っ……」
「……すごくいいよ。名前ちゃん。中もトロトロになってる……。わかる?」
孟徳の問いかけに名前は恥ずかしそうに瞳を揺らすが、彼の発言を認めるようにこくりと頷いた。そんな彼女に孟徳は満足げに微笑んで、話を続ける。
「……俺がほんの少し動くだけでも、ほら」
くちゅっ、ずぷっ。生々しい水音が浴室内に反響する。
「……っ」
名前はあまりの気恥ずかしさに息を呑むが、孟徳は攻め手を緩めない。
「……これだけ濡れてると、俺も止まらなくなりそうだよ、君をめちゃくちゃにしたくなる」
昼と夜の境目の時間。
オレンジ色の夕日を浴びながら熱っぽい瞳で囁く孟徳は、とても男らしくて艶めいていた。琥珀の瞳の奥に宿るぎらついた光は、獲物を狙う肉食獣そのもの。
「……お風呂場でするの、好き? ベッド以外の場所でするほうが、君は興奮できるのかな?」
優しく穏やかな口調ながら明確に名前を羞恥を煽ってくる孟徳に、名前は返答に窮して口をつぐんだ。けれど、孟徳は執拗に追撃してくる。
「――それとも、ここが明るいからドキドキしてるの?」
「っ……!」
「……俺は君が相手なら、どこでだって興奮できるよ」
「孟徳さん……」
相変わらず孟徳は口がうまい。けれど、そうやって甘やかされるのが嬉しくて、名前の中はきゅっと締まって、とろりと体液を溢れさせた。
また孟徳の楔に快楽を与えてしまった。あまりにも素直すぎる己の秘部の浅ましさに恥ずかしくなってしまった名前は、孟徳の首筋に顔を埋めた。
ささやかな照れ隠しだ。今の自分の顔を見られたくない。
すると。恥じらう名前の姿に欲望を刺激されたのか、孟徳はぽつりと呟いた。
「――名前ちゃんかわいい……。なんかもうほんとに、ゴムなしで突っ込みたくなってきたよ。ねぇ、外してしちゃってもいい?」
さっきまでの格好つけはどこへやら。孟徳は名前に甘えるように、とんでもないお願いをしてきた。
「名前ちゃんのここも、こんなになってるしさ……」
まるで何かのついでのように、孟徳がぽつりとこぼした呟きに、名前の頬が赤く染まる。
経験の多い孟徳が驚いてしまうほど、あの場所を濡らしている自分が恥ずかしい。けれど……。
「つ、つけずにするのは…… だめ、です……」
「……わかってるよ。今はしない」
先ほども似たやり取りをした気がする。
けれど、孟徳に水を向けられて。名前はつい先ほどの、避妊具をつけない生身のままの挿入を思い出してしまった。あのときは、すごく気持ちよかったけど……。
「――俺のお姫様は、もしかして…… さっきつけずに入れられたこと、思い出してる?」
「っ、それは……」
「ねえ、答えてよ」
楽しげに口の端だけを上げて笑って、孟徳の腰が再び律動を始めた。ゆったりと大きく、まるで名前を堕とそうとするかのように。
孟徳に嘘は通じないから。肯定しても否定しても、彼に本心が伝わってしまう。さすがに気恥ずかしくなってしまった名前は、沈黙を貫こうとしたが。
「……早く言ってよ。思い出してたんでしょ?」
孟徳の言葉には、彼特有の絶妙な威圧感が乗っていた。これは本当に言うまで離してもらえなさそうで、名前は腹を括る。
孟徳の琥珀色の瞳を見つめて、名前は自身の本音を打ち明けた。
「っ…… 思い出して…… ました……」
恥ずかしさに唇が震える。もう消えてしまいたい。嘘の分かる孟徳は、名前のこの言葉が本心だとわかったはずで。
けれど、孟徳は名前をからかうこともせず、満足げに瞳を細めた。
「よく言えました」
「……っ!」
「君は本当にいやらしくていけない子だね。だけど、すごく可愛い」
「……孟徳さん」
愛の行為に及んでいるとき。孟徳は名前が積極的になるといつも手放しで喜んでくれる。今も上機嫌を隠そうともせずに名前を褒めながら、彼女の髪を優しく撫でていた。
「生で入れられたのどうだった? 気持ち良かった?」
「はい……」
「ならよかった。またしたくなったら、遠慮なく言ってね」
「え……?」
これまではゆったりとしていた孟徳の腰の動きが、にわかに早くなる。
名前は圧迫感に眉を寄せたが、振り落とされてしまわないように懸命に彼にしがみついた。
「っ…… 孟徳…… さ……」
「――大好きだよ、名前ちゃん。……ずっと俺だけのものでいてね?」
まるで自分だけの籠の鳥を愛でるかのような彼に、名前は甘い眩暈を覚える。
気がつけば、窓の外には輝く夜景があった。
愛の行為を最後まで終えて倒れ込んだ名前にバスローブを着せてから、孟徳は彼女をお姫様抱っこで抱えあげた。そして、楽しげに瞳を細めると。
「お疲れ様。今日は楽しかったよ。ごちそうさま」
甘く囁いて、無抵抗の名前からサラリと唇を奪う。孟徳はずるい。またしても、してやられた気がする。
(……っ)
名前は今日の愛の行為を反芻した。疑似挿入をしていたら本当に挿入されて、さまざまな初体験を済ませてしまって……。
けれど、巨大な窓から見える海と夕日がすごく綺麗で、またひとつ新たな快楽を教わった気がする。
ホテルのお風呂場でするのって本当にすごい。けれど。
(今度は普通に、お風呂に入りたいかな……)
孟徳はともかく、あれほどまでに大胆な愛の行為は、自分にはまだ早いように思えた。
***
「――大丈夫? のぼせてない?」
行為を終えたあとはいつも、孟徳は優しく労わってくれる。今だって先ほどまでの煽りは鳴りを潜めて、甲斐甲斐しく名前の世話を焼いていた。
そして、名前はといえば。ホテルの室内着に着替えてベッドで横になっている。
「……孟徳さんのせい、です」
「ごめんごめん。でも、君だってあんなに気持ちよさそうに――」
しかし、孟徳は反省の色もなく名前をからかうような言葉を口にしたから。名前は彼を思い切り睨みつけた。
「……ほんとごめん、冗談」
いっそ珍しいほど素直に、孟徳は淡く苦笑して謝ってきた。名前が彼の真意を測りかねていると、孟徳は恥ずかしそうに瞳を逸らして頬を掻く。
「なんかね、スイッチ入ると止まらなくなっちゃうんだよね。君相手だと、どうしようもないね」
狼藉を働いてしまったのは、相手がほかならぬ君だから……。
女の子が欲しい言葉をくれる孟徳だけど、百点満点の回答だからこそ逆に怪しい。この言い訳を他の女性に対してもしてきたのかなと思わせてしまう。これまでの孟徳の振る舞いを考えればなおさら。
気恥ずかしそうにしながらも、明らかに何かを誤魔化そうとしている孟徳に、名前は口をへの字に曲げた。
でも、孟徳のそんなところを責めるのは、それこそ今更だ。
昔からずっと、精神安定のために女性の肌が必要だったのだろう。女性でしか埋められない心の穴。孟徳にはきっと、それがあるのだ。
名前と結ばれてからその性質は鳴りを潜めていたけど、根本のところは変わっていない。ふとした瞬間に顔を出す。
結局、人間の本質なんてそう簡単に変わらないのだ。愛で全てが救われましたなんて、おとぎ話の世界にしかなくて。
けれど、そんな身も蓋もない事実に、名前は負けん気を刺激された。
「……じゃあ、今度は私が孟徳さんを気持ちよくしてみせますっ」
「えっ?」
強い瞳で彼を見つめながら、名前は孟徳ににじりよる。
さっきまで散々好き勝手してくれたこの人に、目にもの見せてやりたい気持ちがあった。それはもう意地のような。
「ちょっ……! やめようよ名前ちゃん……! さっきまで風呂場であんだけっ……!」
まさかこのタイミングで、そんなことを言われるとは思わない。孟徳は慌てて話題を変えようとしたが。
「あっ、お、お腹すいてない!? 名前ちゃん! ルームサービスでなにか頼んで、ひと休みでも……」
名前にかかれば孟徳だってこの体たらくだ。予測不可能な振る舞いに幼い少年のように振り回されている。
懸命に名前を翻意させようとする孟徳だったが、彼女の意志は揺らがなかった。
(……なんだってまた、こんなことに……)
心の中でぼやく孟徳とは対照的に、名前は全力で頑張っていた。
なし崩しでのもう一戦。さっきは孟徳に好き勝手されてしまったけど、今度はその逆を目指して名前が主導権を握っていた。
(……すごい景色だな)
自分の体の上で積極的に行為を進めようとする名前を見上げながら。しかし、孟徳はそんな彼女に見惚れていた。自然と目尻が下がる。
「……そんなに頑張らなくていいのに」
囁きには甘さと愛おしさが乗る。自分のために頑張ってくれる女の子を眺めるのが好きだ。それが名前であれば嬉しさもひとしお。
けれど、孟徳の甘やかしに対して、名前は毅然とした様子で首を振った。年下の恋人は可憐でありながらも意地っ張り。
(……名前ちゃんは可愛いけど、調子に乗って煽りすぎたな)
先ほどの意地悪を少しだけ後悔しながら、孟徳は名前の性格を思い出していた。
(だけど、そうだよな…… この子はこういう子だった)
絶妙な負けず嫌い。ただ大人しく男に食われるだけの子ではないのだ。必ずお返しをしようとしてくる。
だからこそ愛しているんだけど、今回ばかりは。
(いいのか悪いのかわからなくなってきたな……)
攻められるより攻めるほうが好きだ。腐っても追いかけたいタイプの男。
姫君に狩られるよりは狩る方がいい。チャンスを逃さず近づいて、美しいドレスを脱がして彼女の全てを自分のものに。
(……でもまぁいいか、楽しいし気持ちいいし。名前ちゃんも、結構楽しそうだし)
今まさに孟徳に跨って、彼の屹立を自分の裂け目に埋めようとしている裸の彼女を見上げながら、孟徳は唇の端に笑みを乗せる。
相手の女の子が自分との行為を楽しんでくれるのは素直に嬉しい。男冥利に尽きるとは、まさにこのことだ。
ゆっくりと時間をかけて、孟徳の楔の先端を体内に入れ終えると、名前はそのまま腰を落とし始めた。
「んっ…… っ……」
切なげな甘い喘ぎとともに、孟徳の楔の全体が名前の秘部に沈み込んでゆく。そして。
「あっ…… っ……」
ようやく孟徳のものを最奥までのみ込んで、名前はぶるりと体を震わせた。挿入の圧迫感を逃しているのだろう。孟徳はそんな彼女に声をかけてやる。
「……よく頑張ったね。お疲れ様」
心からの労いの言葉をかけて、孟徳は名前を見上げながら、上体をわずかに起こした。
名前の細い腰に手を添えて支えてやりながらも、女性上位のときの動き方を彼女に丁寧に教えてやる。名前は頬を淡く染めながらも、頷きながら聞いてくれた。
かつて彼女に避妊具の付け方を教えたことを思い出して、孟徳は苦笑する。
こんなに純粋で可愛い年下の女の子を相手に避妊具の付け方を教えて、騎乗位のやり方まで教えて。つくづく自分は何をしているのかと思うけど、これもまた年下と付き合う醍醐味なのだろう。
「――名前ちゃんかわいい……。大人っぽくなったね。胸も大きくなって、腰も細くなって、前よりもっと綺麗になった」
今まさに、自分の上でゆったりと腰を動かし始めた名前に向かって。孟徳は彼女が喜びそうな言葉をかけてやる。
高級ホテルの寝室で孟徳との情事に耽っている名前は、彼の正式な恋人でありながらも、さながら情婦のようだった。彼に囲われて飼われている、愛玩動物であり籠の鳥。
孟徳の籠の鳥はまさに今、彼の身体の上で可憐な囀りを奏でていた。
これほどまでに素晴らしい見世物もなかなかない。孟徳は年下の恋人の淫らな成長を喜びながら、彼に跨って懸命に腰を揺らす裸の彼女に、熱い視線を送った。
少女のように華奢な名前の裸身は、孟徳の本来の好みとは違っても素晴らしい美しさだと思う。
自分との行為を、しっかりと楽しんでいるのがわかる淫らな表情に、身体の動きに合わせて大胆に揺れている裸の胸。大きく開かれた脚の間の下生えの奥には、孟徳の楔を呑み込んでいる裂け目がある。
己の情婦の好色さにますます機嫌を良くした孟徳は、まるで褒美を与えるかのように、彼女の下生えの先端を優しくくすぐった。そこは、ちょうど女性が一番感じてしまう場所。
「そこ、だめっ……」
ぶるりと大きく身悶えて。名前は甘やかな悲鳴をあげて仰け反った。
けれど、言葉とは裏腹の『うれしい、もっと』という彼女の本心を、男の本能で嗅ぎ取って。孟徳は名前のそこばかりを責め立てた。包皮を剥いて刺激してやると、名前の反応が目に見えてよくなる。
やはり口では拒もうとしても、身体は素直で正直だ。人間ならみんな持っている浅ましい本能。女性にだってそういった欲望はあるのだ。それは名前も例外ではない。
孟徳に肉芽をくすぐられながら、無防備な裸身を悶えさせている名前を見上げて。孟徳は心の内でぽつりとつぶやく。
(女の子はやっぱり、ここで落ちちゃうんだねぇ……)
ひときわ甲高く囀り、飼い主を楽しませている手の中の小鳥。
風切羽を切らずとも己から離れようとしない愛しい存在に、孟徳は満ち足りた気持ちになる。
だからこそ、彼は追い打ちをかけるように、言葉でも彼女を嬲ってやった。
「名前ちゃん、すごく気持ちよさそうだね。俺の上で感じてる姿、とっても綺麗だよ」
歯の浮くような台詞を臆面もなく口にできるのは、ひとえに余裕のなせる技だ。愛されている自信と愛している自信からくる、男の余裕。
「っ……!」
名前が小さく息を呑み、頬を染めたのを見届けて。孟徳は名前の肉芽から指を離して、再び上体を起こすと、彼女の胸の膨らみに触れた。
なめらかでしっとりとした吸いつくような肌は、女性ならではの素晴らしさだ。ふくらみの先端をつまんでやるたびに甘い喘ぎを漏らす名前に、いよいよ孟徳の興が乗る。
愛の営為のさなかであっても。名前がここまで無防備に、裸の身体を好きにさせてくれることはないから。孟徳はこのままずっと、名前の肉体を愛でていたい気持ちになる。
けれど、自分の下肢の屹立はさらなる刺激を欲していた。やはり彼女の腰の動きだけでは満足できない。
孟徳は男としての切実な衝動に駆られるものの、表向きだけは笑顔を作って、おもむろに口を開いた。
「……そろそろ気が済んだ?」
「え?」
「今度は俺の番」
出し抜けに、孟徳は裸の名前を抱き寄せて身体の上下を入れ替えた。無防備な彼女を優しくベッドに組み敷く。
「……っ!」
女性上位の交合を楽しんでいる名前の裸体をずっと弄って遊んでいたら、やはりというべきか本格的に責めたくなった。
女の柔らかな肉体は、やはり組み敷いて蹂躙してこそだと思う。主導権を握るのは、上に立つのは、やっぱり自分の方でいたい。
孟徳は戸惑う名前を見おろして淡く笑うと。
「……もう意地悪しないから、このまま最後までいかせてくれる?」
先ほどとは逆だ。今度は懇願する形で、孟徳は名前を思い通りに操ろうとする。
愛しい姫君のご機嫌取りも忠実なる臣下の務めだ。これ以上拗ねられても面倒だから。
「……君は頑張らなくてもいいよ」
とはいえ、本音は言葉の細部に乗ってしまう。『頑張らなくていい』ではなく、頑張らなく『ても』いいのだと。
「でも……」
「……こういうときくらい、ちゃんと俺に甘えること。俺にも格好つけさせてよ」
責められるばかりでは嫌なのだと、それとなく伝えながら。孟徳は殺し文句を口にする。
「最後は、君と抱き合って果てたいから」
「……っ」
「――いや?」
こう言えば優しい彼女は拒めないと知っている。
やっぱり好きな女性には甘えるに限る。それらしく言いくるめて、今度こそ最後まで。