ホグワーツ在学中
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ホグワーツ魔法魔術学校に入学したシリウス・ブラック。ホグワーツ特急に乗り、組分けをして、グリフィンドールのベッドの上で胸を躍らせていた。しかしどんなに楽しい時間を過ごしてもみなみの泣き顔が忘れられない。自分にはどうしようもない。そう言い聞かせて眠りについた。
ホグワーツに入学して数日が経った朝。
シリウスはまどろみながら腕の中のものに気づく。人間のような形と温かさに全く覚えがなく、急激に目が覚め掛けていた布団を剥ぎ取る。
「みなみ?」
そこには別れを惜しんで泣いていたみなみが気持ちよさそうに寝ている。シリウスはまだ夢を見ているのか寝ぼけているのか混乱する。なにせ入学した日に見た夢がまさにみなみも一緒にホグワーツに入学する夢だったからだ。
「おい、起きろ」
言葉の強さとは裏腹にみなみの体を揺さぶる力は弱々しい。夢から覚めたくないのか小さな友達への配慮なのかはシリウスにしかわからない。
一方布団を奪われ揺さぶられているみなみは嫌そうに眉根を寄せて小さく唸っている。かなり眠いのか起きる気配はない。状況を理解できないでいるシリウスだが、なかなか起きないみなみを無理に起こすのも可哀想だと揺さぶる手を止める。どうせ今日は休日だし二度寝してしまおうと剥ぎ取った布団をまたしっかりかけて、どこにも行けないようにしっかりとみなみを抱きしめてて目を閉じた。
次にシリウスの目が覚めたのはルームメイトの大声が聞こえたからだった。誰、いつ、どうやってなどの単語が寝起きの耳に入る。腕の中には寝る前に見たみなみがまだいた。夢じゃなかった。
「うるさいぞ。みなみが起きるだろうが」
シリウスはそう言いながら頭まで布団をかけてやろうかとみなみを見るとうるさいせいか起きていた。
「……シリウスおはよ」
「おはようみなみ」
まるで周りの騒音が聞こえていないかのようにマイペースに挨拶するみなみにつられてシリウスも挨拶を返す。会いたかったと笑うみなみにシリウスは俺もだと小さな体を抱きしめる。
「で、結局誰?」
「どうやってきたの?」
「寝る時はいなかったよな」
「というか女の子、だよね?」
次々浴びせられる疑問にシリウスは閉口する。俺だって知りたい。全員に見つめられたシリウスが視線をみなみへ落とすと、シリウスを見ていた目がそのままみなみに向けられる。
「みなみどうやってここまで来たんだ」
「んーと、いろんなヒトに聞いて、連れてきてもらった」
なんともハッキリしない返答にみなみ以外が視線をかわす。わかるか?わかんねえ。
みなみのふわふわした雰囲気もあり(まだ寝ぼけているだけかも知れないが)もしかして本人も良くわかってないのでは?なんて空気が流れた。先ほどまでの喧騒が嘘みたいに静かになった部屋に響く誰かの腹の音。みんなそれを合図に着替え始める。
「みなみは昔からの友達だ」
と言い残してみなみを連れてシリウスは1番に部屋を出た。
その後、当然ではあるが寮内でも大広間でも注目を浴び(なにせあのブラック家の長男がローブを着ていない女の子を連れている)朝食後ダンブルドアに連れられ校長室に行くこととなった。
シリウスが朝の状況を一通り説明する。
「さて、君はどうやってホグワーツへ来たのかね?」
「……」
ダンブルドアの問いに答えないみなみに、隣に座るシリウスがやきもきして回答を促す。
「おいみなみどうしたんだよ。さっき言ってただろ」
「いろんなヒトに聞いて、連れて来てもらった」
「例えば誰に聞いたのかな」
「……」
またもや黙るみなみの手をシリウスがそっと繋ぐ。
「ケンタウルス」
「他にもいるかね?」
「水中人とかいろいろ」
「では誰に連れて来てもらったのか教えておくれ」
「グレニアン」
「なるほど。君は多くの魔法生物と意思疎通ができるんじゃな」
声には出さず静かに頷く。少し力が入るみなみの手をシリウスは優しく握り返す。
「先生、みなみは小さい時から友達なんだ。悪い奴じゃない。ずっと二人で遊んでた。確かに俺はみなみのことをよく知らないかもしれないけど魔法も使えるし」
「落ち着きなさいシリウス。わしも彼女が闇の魔法使いだとは思っておらん。しかしホグワーツを守るためにいくつか確認したいだけじゃ」
ダンブルドアは一呼吸おいてから続ける。
「みなみ君は魔法を使うために杖は必要かね?」
「いらない」
「ヒトが魔法を使うには杖が必要になる。屋敷しもべ妖精のような存在であればその限りではないがの。わしはそれなりに色々な種族を知っているが君と同じ種族はまだ見たことがない。君は自分がどの様に生まれたか知っているかね?」
「知らない」
「ではみなみという名前は誰が付けたのかな」
「シリウス」「俺が」
二人の声が被った。
「何年か前、みなみと初めて会った時に俺が付けました。名前がなかったから。その時にみなみは俺に会いたかった、と」
「ふむ」
考え込んでいるのか怒涛の質問が止まる。ダンブルドアはまるで頭の中を覗こうとするように黙って2人をじっと見つめる。
しばらくして考えがまとまったのか口を開く。
「特例としてホグワーツの滞在を許可し先生方にも周知しておこう。もっとも、許可がなくともシリウスの行く先々に現れるじゃろうな」
ここでダンブルドアがウインクをする。シリウスはなんとも言えない顔をし、みなみはおそらく後半部分に対して何度か頷いた。
「少なくともホグワーツにいる間は衣服とローブを着用するようにの。後で部屋に届けておこう」
「えっ、お前裸だったのか」
「?服は着てない」
なんとなく違和感がないような姿形をしている(その証拠に今までシリウスが服について疑問に思ったことはない)だけで厳密に言えばみなみは服を着ていない。魔法生物の衣服の着用率は定かではないが、ヒトに近い姿の種族であれば着ていることの方が多いかもしれない。みなみは自在に姿形を変えられるがそれにしても年の近い女の子が裸でいたと思うとシリウスの方が恥ずかしくなり、慌てて自分のローブを被せる。
被せられた本人はもちろん気にしていないしその理由もわからないが、シリウスのローブを着たみなみは満足げに笑っている。毒気が抜かれたシリウスはふと気になった事を聞く。
「みなみの部屋はどうなりますか」
「君と同じにする他ないじゃろうて」
あきれとも諦めともとれるような答えが返ってくる。シリウスは他にもいくつか気になる事を質問してから校長室を出た。
何はともあれみなみとホグワーツで過ごすことができる。その事実がシリウスの胸の奥にあったみなみの泣き顔を消してくれた。
後書き
ホグワーツに乗り込む別案として、大広間で食事中にドアバーンて開けてユニコーンに乗って登場があった。
ホグワーツに入学して数日が経った朝。
シリウスはまどろみながら腕の中のものに気づく。人間のような形と温かさに全く覚えがなく、急激に目が覚め掛けていた布団を剥ぎ取る。
「みなみ?」
そこには別れを惜しんで泣いていたみなみが気持ちよさそうに寝ている。シリウスはまだ夢を見ているのか寝ぼけているのか混乱する。なにせ入学した日に見た夢がまさにみなみも一緒にホグワーツに入学する夢だったからだ。
「おい、起きろ」
言葉の強さとは裏腹にみなみの体を揺さぶる力は弱々しい。夢から覚めたくないのか小さな友達への配慮なのかはシリウスにしかわからない。
一方布団を奪われ揺さぶられているみなみは嫌そうに眉根を寄せて小さく唸っている。かなり眠いのか起きる気配はない。状況を理解できないでいるシリウスだが、なかなか起きないみなみを無理に起こすのも可哀想だと揺さぶる手を止める。どうせ今日は休日だし二度寝してしまおうと剥ぎ取った布団をまたしっかりかけて、どこにも行けないようにしっかりとみなみを抱きしめてて目を閉じた。
次にシリウスの目が覚めたのはルームメイトの大声が聞こえたからだった。誰、いつ、どうやってなどの単語が寝起きの耳に入る。腕の中には寝る前に見たみなみがまだいた。夢じゃなかった。
「うるさいぞ。みなみが起きるだろうが」
シリウスはそう言いながら頭まで布団をかけてやろうかとみなみを見るとうるさいせいか起きていた。
「……シリウスおはよ」
「おはようみなみ」
まるで周りの騒音が聞こえていないかのようにマイペースに挨拶するみなみにつられてシリウスも挨拶を返す。会いたかったと笑うみなみにシリウスは俺もだと小さな体を抱きしめる。
「で、結局誰?」
「どうやってきたの?」
「寝る時はいなかったよな」
「というか女の子、だよね?」
次々浴びせられる疑問にシリウスは閉口する。俺だって知りたい。全員に見つめられたシリウスが視線をみなみへ落とすと、シリウスを見ていた目がそのままみなみに向けられる。
「みなみどうやってここまで来たんだ」
「んーと、いろんなヒトに聞いて、連れてきてもらった」
なんともハッキリしない返答にみなみ以外が視線をかわす。わかるか?わかんねえ。
みなみのふわふわした雰囲気もあり(まだ寝ぼけているだけかも知れないが)もしかして本人も良くわかってないのでは?なんて空気が流れた。先ほどまでの喧騒が嘘みたいに静かになった部屋に響く誰かの腹の音。みんなそれを合図に着替え始める。
「みなみは昔からの友達だ」
と言い残してみなみを連れてシリウスは1番に部屋を出た。
その後、当然ではあるが寮内でも大広間でも注目を浴び(なにせあのブラック家の長男がローブを着ていない女の子を連れている)朝食後ダンブルドアに連れられ校長室に行くこととなった。
シリウスが朝の状況を一通り説明する。
「さて、君はどうやってホグワーツへ来たのかね?」
「……」
ダンブルドアの問いに答えないみなみに、隣に座るシリウスがやきもきして回答を促す。
「おいみなみどうしたんだよ。さっき言ってただろ」
「いろんなヒトに聞いて、連れて来てもらった」
「例えば誰に聞いたのかな」
「……」
またもや黙るみなみの手をシリウスがそっと繋ぐ。
「ケンタウルス」
「他にもいるかね?」
「水中人とかいろいろ」
「では誰に連れて来てもらったのか教えておくれ」
「グレニアン」
「なるほど。君は多くの魔法生物と意思疎通ができるんじゃな」
声には出さず静かに頷く。少し力が入るみなみの手をシリウスは優しく握り返す。
「先生、みなみは小さい時から友達なんだ。悪い奴じゃない。ずっと二人で遊んでた。確かに俺はみなみのことをよく知らないかもしれないけど魔法も使えるし」
「落ち着きなさいシリウス。わしも彼女が闇の魔法使いだとは思っておらん。しかしホグワーツを守るためにいくつか確認したいだけじゃ」
ダンブルドアは一呼吸おいてから続ける。
「みなみ君は魔法を使うために杖は必要かね?」
「いらない」
「ヒトが魔法を使うには杖が必要になる。屋敷しもべ妖精のような存在であればその限りではないがの。わしはそれなりに色々な種族を知っているが君と同じ種族はまだ見たことがない。君は自分がどの様に生まれたか知っているかね?」
「知らない」
「ではみなみという名前は誰が付けたのかな」
「シリウス」「俺が」
二人の声が被った。
「何年か前、みなみと初めて会った時に俺が付けました。名前がなかったから。その時にみなみは俺に会いたかった、と」
「ふむ」
考え込んでいるのか怒涛の質問が止まる。ダンブルドアはまるで頭の中を覗こうとするように黙って2人をじっと見つめる。
しばらくして考えがまとまったのか口を開く。
「特例としてホグワーツの滞在を許可し先生方にも周知しておこう。もっとも、許可がなくともシリウスの行く先々に現れるじゃろうな」
ここでダンブルドアがウインクをする。シリウスはなんとも言えない顔をし、みなみはおそらく後半部分に対して何度か頷いた。
「少なくともホグワーツにいる間は衣服とローブを着用するようにの。後で部屋に届けておこう」
「えっ、お前裸だったのか」
「?服は着てない」
なんとなく違和感がないような姿形をしている(その証拠に今までシリウスが服について疑問に思ったことはない)だけで厳密に言えばみなみは服を着ていない。魔法生物の衣服の着用率は定かではないが、ヒトに近い姿の種族であれば着ていることの方が多いかもしれない。みなみは自在に姿形を変えられるがそれにしても年の近い女の子が裸でいたと思うとシリウスの方が恥ずかしくなり、慌てて自分のローブを被せる。
被せられた本人はもちろん気にしていないしその理由もわからないが、シリウスのローブを着たみなみは満足げに笑っている。毒気が抜かれたシリウスはふと気になった事を聞く。
「みなみの部屋はどうなりますか」
「君と同じにする他ないじゃろうて」
あきれとも諦めともとれるような答えが返ってくる。シリウスは他にもいくつか気になる事を質問してから校長室を出た。
何はともあれみなみとホグワーツで過ごすことができる。その事実がシリウスの胸の奥にあったみなみの泣き顔を消してくれた。
後書き
ホグワーツに乗り込む別案として、大広間で食事中にドアバーンて開けてユニコーンに乗って登場があった。