子供時代
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
暑い暑い夏のある日、気づいたらそこに立っていた。
「誰だお前」
「…」
何者なのかは問われた本人にもわからない。漠然と目の前にいる男の子に会いたくて来た。何故かはわからない。本人ですら。
「名前は」
「ない」
親という概念も知らないソレに名前などあるはずがない。そもそも種族だってわからないのだ。ヒトなのか動物なのか生物なのか。何もわからないままそこにいた。
「シリウスに、会いたかった」
それしかなかった。
知らない子供に名前を呼ばれたシリウスはとても驚く。誰だってそうだろうが。
嫌々連れて行かれたパーティで紹介された人の顔も名前も碌に覚えてないが、少なくとも名前がない人はいなかった。
「俺になんか用か?」
ソレはゆるく横に頭を振って再度会いたかった、と。敵意や嫌な感じはしない。シリウスは自分の感覚を信じる事にした。
「遊ぼうぜ、みなみ」
「みなみ?」
「お前の名前。ないと不便だろ」
ややあってソレはとても嬉しそうに笑った。見た人全員が嬉しいと分かるとびきりの笑顔で。
シリウスに『みなみ』と名づけられた時に曖昧な存在だったソレは人になった。
それから毎日のようにシリウスとみなみは遊んだ。原っぱで、川で、山で、海で。約束をしなくてもいつもどこでもすぐ会うことができた。考えると不思議だけどシリウスはちっとも気にならなかった。だって家はつまらないし窮屈で親とはそりが合わなかったから。
シリウスとみなみが出会って数年経ったある夏の日。シリウスは嬉しそうに言った。
「明日からホグワーツだな!」
楽しみでたまらない。勿論みなみもそうだと、学校でこれまでと同じ様に過ごせると思った。
「ホグワーツって何?」
「は?」
なのに予想外の答えが返ってきてシリウスの顔から表情が消えた。
「手紙きてないのか」
「?きてない」
みなみも自分と同じで魔法が使えるからホグワーツに入学すると信じて疑わなかった。いやまて、そういえば年齢を聞いたことはない。なんとなく同い年だと思ってたけど、こいつは小さいしきっと年下なんだ。早ければ来年遅くても数年後には入学するだろ。
「そういやみなみは何歳なんだ?」
「わかんない」
シリウスは足元が崩れるような気持ちだった。それなのに目の前の友達はただただ不思議そうにしている。
「ホグワーツ行くとどうなる?」
「……しばらく会えない」
「や、やだ!」
「俺だって嫌だけど仕方ないんだ」
明日からしばらくシリウスと会えない。そのことを理解したみなみは涙をぼろぼろ溢して大きな声で泣きだしてしまう。数年一緒にいて初めて見るみなみの泣き顔。小さな肩を震わせて泣き続ける痛々しい姿にシリウスはどうしていいかわからない。
「俺だって寂しい」
ぽつりと出た言葉は大声で泣いているみなみの耳にはきっと届いていない。それでもシリウスは泣き続けるみなみを抱きしめて、困ったようにたどたどしく背中をさする。明日から会えない分を埋めるようにずっとそうしていた。
「誰だお前」
「…」
何者なのかは問われた本人にもわからない。漠然と目の前にいる男の子に会いたくて来た。何故かはわからない。本人ですら。
「名前は」
「ない」
親という概念も知らないソレに名前などあるはずがない。そもそも種族だってわからないのだ。ヒトなのか動物なのか生物なのか。何もわからないままそこにいた。
「シリウスに、会いたかった」
それしかなかった。
知らない子供に名前を呼ばれたシリウスはとても驚く。誰だってそうだろうが。
嫌々連れて行かれたパーティで紹介された人の顔も名前も碌に覚えてないが、少なくとも名前がない人はいなかった。
「俺になんか用か?」
ソレはゆるく横に頭を振って再度会いたかった、と。敵意や嫌な感じはしない。シリウスは自分の感覚を信じる事にした。
「遊ぼうぜ、みなみ」
「みなみ?」
「お前の名前。ないと不便だろ」
ややあってソレはとても嬉しそうに笑った。見た人全員が嬉しいと分かるとびきりの笑顔で。
シリウスに『みなみ』と名づけられた時に曖昧な存在だったソレは人になった。
それから毎日のようにシリウスとみなみは遊んだ。原っぱで、川で、山で、海で。約束をしなくてもいつもどこでもすぐ会うことができた。考えると不思議だけどシリウスはちっとも気にならなかった。だって家はつまらないし窮屈で親とはそりが合わなかったから。
シリウスとみなみが出会って数年経ったある夏の日。シリウスは嬉しそうに言った。
「明日からホグワーツだな!」
楽しみでたまらない。勿論みなみもそうだと、学校でこれまでと同じ様に過ごせると思った。
「ホグワーツって何?」
「は?」
なのに予想外の答えが返ってきてシリウスの顔から表情が消えた。
「手紙きてないのか」
「?きてない」
みなみも自分と同じで魔法が使えるからホグワーツに入学すると信じて疑わなかった。いやまて、そういえば年齢を聞いたことはない。なんとなく同い年だと思ってたけど、こいつは小さいしきっと年下なんだ。早ければ来年遅くても数年後には入学するだろ。
「そういやみなみは何歳なんだ?」
「わかんない」
シリウスは足元が崩れるような気持ちだった。それなのに目の前の友達はただただ不思議そうにしている。
「ホグワーツ行くとどうなる?」
「……しばらく会えない」
「や、やだ!」
「俺だって嫌だけど仕方ないんだ」
明日からしばらくシリウスと会えない。そのことを理解したみなみは涙をぼろぼろ溢して大きな声で泣きだしてしまう。数年一緒にいて初めて見るみなみの泣き顔。小さな肩を震わせて泣き続ける痛々しい姿にシリウスはどうしていいかわからない。
「俺だって寂しい」
ぽつりと出た言葉は大声で泣いているみなみの耳にはきっと届いていない。それでもシリウスは泣き続けるみなみを抱きしめて、困ったようにたどたどしく背中をさする。明日から会えない分を埋めるようにずっとそうしていた。