君の好きなところは………―――




私、六日坂茶子には彼氏がいます。
一つ上の先輩で、テニス部に所属しています。
委員会は美化委員で、好みのタイプは真面目な子だそうです。
部活では副部長をしています。
少し頼りないかもしれませんが、白石先輩をよく支えていると先生や部員からも頼りにされています。

好きな食べ物はパセリと、すごく変わっています。
前にどうしてパセリなのかと聞いてみたら三時間ほどギャグを混ぜながら説明されたため二度と聞くまいと誓いました。
でも、楽しそうにパセリのことを話す彼はテニスをしている時くらい好きでした。
彼と食事に行くとき、付け合わせのパセリを最後に美味しそうに食べる彼を見ているのも好きです。

彼の趣味のボーリングを一緒にしたときは、
いつもは手を握るのも照れているのに投げ方を密着しながら教えてくれたのが印象的でした。
いつもこのくらい積極的なら、とも思ったのですがいつもこんな調子だと心臓がもたないなと思いました。
真剣に教えてくれる彼はいつもより凛々しくて、ドキッとしていまいます。
…ガチすぎて周りが見えなくなるのは玉に瑕ですが。

私の彼氏は
白石先輩ほどかっこよくはないし
忍足先輩より話すのは上手くないし
千歳先輩より背は高くないし
石田先輩より力はないし
金色先輩より話は合わないし
一氏先輩より面白くないし
財前くんよりセンスはよくないし
遠山くんより明るくもないけど

白石先輩より背は高いし
忍足先輩より気配りができて
千歳先輩より真面目で
石田先輩より器用で
金色先輩より男らしくて
一氏先輩より頼りがいがあって
財前くんより好みが合って
遠山くんより静かで

誰よりも素敵な、自慢の彼氏です。




「茶子～、窓の外になんかあるんか～？」
「なんも、ただ健ちゃんのこと考えてたんよ」


そう言うと少し顔を赤くして頬を掻く君
恥ずかしいけど嬉しい、そう言いたそうな顔
その顔も好きなところの一つ。






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