10年越しの恋(不動明王+10)
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不動「へぇ、誰に会いてぇの?」
なまえ「…!!!!ふど、う、くん……?」
目の前には10年前のモヒカンのような髪型とは全く違う、かなり伸びた髪の毛の不 動くん。
でも他は変わらない、鋭い目や意地悪そうな声も…
不動 「なまえちゃん久しぶりだなぁ。
まぁ俺がキスしたせいかろくに口聞いてくれなかったからまともに話すのも初めてなレベルだけどな」
なまえ「なっ……あの時はびっくりしただけなの!
というか不動くん、本当に来るなんて思ってなかった」
不動「俺?
まぁ今仕事の都合上仙台に住んでっから。
だるくて東京まで来るか悩んだけど鬼道クンが来い来いって煩いから来てやった」
なまえ「仙台?!そうなんだ…
私も今仕事の関係で北海道だからさ。今日は特別にここのホテルに泊まらせてもらうんだよね。
道也おじさんが部屋予約してくれてて。」
不動「あー、そういや親戚なんだっけ。
案外優しいおじさんなんだな」
なまえ「案外ってなによ、おじさんは優しいよ」
そう言ってフフ、と不動くんに笑いかけた。
こんなたわいもない会話をした。
というか不動くんと初めてこんなに喋ったかも。
初恋と言っても私の一目惚れ?で終わってしまったようなもんだったから、こんな些細なことでもすごく嬉しい。
その後不動くんはみんなのところに行く、と言って宴会場へ戻った。
私はトイレに行ったが、10年前のように再開できてももうあのキスはない……とどこか寂しくなっていた。
なぜ寂しいのだろう。
恋人でもない人からのキス。されても複雑な気持ちになるだけだろうに。
お酒で赤く火照った頬のまま、皆の方へ戻る。
そのままかなり長時間話していた。
時刻は0時前。終電があるから、と皆大慌てで帰宅していった。
何人か終電を逃してしまった子達は仕方なくカラオケオールする、と言っていてそれに連れていかれかけたけどホテルに断固として残った。
残ったのは、いいものの…
なまえ「っ……気持ち…悪い…」
酔いが回り始めてきた。
原因は鬼道くん、豪炎寺くん、基山くん、冬花、私の5人でしたトランプ。
負けた人がテキーラショット……なんていう地獄のゲームで私と基山くんがとことん負けたのだ。
基山くんは案の定歩けず、幼馴染の緑川くんが連れて帰ってくれた。
鬼道くん、豪炎寺くん、冬花は数回負けていたのに余裕過ぎるオーラを放ち帰っていった。この姿を見て、お酒が強過ぎる人に生まれたかったと心底自分を恨んだ。
おじさんが予約してくれていた部屋まで向かおうとするが、足がいうことをきかない。
なまえ (だめだ…どうすれば……)
そんな時、背後から人の気配がした。
ぽん、と私の背中を優しく叩く。
不動 「おい、大丈夫かよ。たかがテキーラショットでよぉ…」
なまえ「ふ、どう…くん…なんでそれを、」
不動 「鬼道クンから聞いた。 なまえが心配だからホテルに泊まる俺が面倒見ろってさ。」
なまえ「そうなん、だ、ありがと…でも不動くん、電車……」
不動 「今回のメンバー、俺となまえ以外は東京近辺に住んでるけど俺らは遠いからって監督がお前と俺の部屋予約してくれたらしい。だから俺の電車の時間とかは心配すんな」
ああなるほど、そうなのか。だったらさっき話した時に俺も泊まると教えてくれればよかったのに。
そんなことを思ったが口に出す程の余裕はなく、だらしなく不動の肩を借りて自分の部屋まで連れていってもらった。
なまえ「ありがとう、不 動くん……っっ!」
部屋まで送ってもらい、もう大丈夫だと伝え不動くんの肩を借りなくなった途端に崩れ落ちかけた。
不動くんがすかさず掴んでくれたから倒れずに済んだけど。
不動「まったく…あぶねーしどう考えても大丈夫ではねーだろ。俺も一回お前の部屋にあがらせてもらうわ、何かあってから鬼道クンに怒られるのも勘弁だしなぁ」
なまえ「あ…ごめん…わかった……」
そういうと不動くんは私の部屋に入ってきてくれた。
いつの間に買ってきたのか分からない、ヘパリーゼとしじみのお味噌汁と共に。
お味噌汁は明日落ち着いてからでいいから飲みな、と言われたのでヘパリーゼを飲んだ。
まさか、酔ったせいとはいえ自分が好きだった人に介抱してもらうことになるなんて。
恥ずかしい気持ちもあったが、嬉しさと高揚感があった。
そんなことを考えながら、無意識のうちに不動くんの顔を見つめてしまっていた。