10年越しの恋(不動明王+10)
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なまえ、14歳。
イナズマジャパンのマネージャーになることを決意した。
きっかけは私のおじ、久遠道也からの誘いだった。
私がイナズマジャパンの監督に選抜された為、冬花と一緒にマネージャーをやらないか、と。
サッカーの知識がないわけではなかった。
周りの友達に相談しても、そんなチャンス滅多にないだろうからやってみなさいという声ばかり。
更に親戚である道也おじさん、冬花もいる。
断る理由などなかったのだ。
そう決意し、予定集合場所のグラウンドに向かった。
初の練習で待ちきれなかったのか、殆どのメンバーが既に集まっていた。
円堂「お前、新しいマネージャーか?
俺は円堂守!これからよろしくたのむぜ!」
なまえ「ありがとう、円堂くん。
私はなまえです、こちらこそよろしくね!」
キャプテンの円堂くんを始め、他のメンバーとも軽く挨拶をしていた。
その時。彼が現れたんだ。
不動「見たことないな。お前、誰?」
それが彼と私の初めての会話だった。
鬼道 「…不動、お前が代表に選ばれるとは……
何故お前が……」
不動「なんだよ、代表同士仲良くしようぜ?
鬼道クンよぉ」
ニヤニヤする不動くんとは対照的に、怒りを露わにしている鬼道くん。
私が名乗る前にピリついた空気になってしまって、ろくに自己紹介もできなかった。
そんななんとも言えぬ思い出の初日から約1ヶ月半。
私と彼が自己紹介をしたり話す機会はなかったものの、イナズマジャパンは順調に世界を相手に勝ち進んでいった。
アジア予選を突破し、チームの仲もかなり深まってきた。
当初火花を散らせていた鬼道くんと不動くんの中も良好なものになり、安心していた。
久遠 「集合!
アジア予選を突破したお前達に褒美といってはなんだが、本日はホテルの宴会場を貸し切ってのパーティだ。
スーツやドレスは、宴会場奥の更衣室で借りるか、自分で着ていくかどちらかにする事。
今日一日はゆっくり過ごして、明日からまた練習に励むこと。いいな。」
皆「「「はいっ!」」」
なまえ「冬花、パーティだって。楽しみだね~!」
冬花「うん、そうだね。きっとみんなスーツやおしゃれな格好で来るだろうから、私達も頑張らないとね」
この時は、ただなんとなく、
自己紹介できなかった不動くんとお話しできたらいいな。
なんて思っていた。
とりあえず支度をし、冬花と共にパーティに向かうことにした。
パーティといえど、私たちはまだ中学生。20時までには終了しなければならなかったので、スタートは17時からと少し早めだった。
みんなと話ていると時間はあっという間。時刻はもう19時半。
パーティが終わるまであと30分程だった。
立食のパーティだったのでトイレに行こうと思い冬花に一言告げ、トイレに向かう。
その、途中。
不 動「……あ」
ちょうどトイレから出てきたであろう不動とすれ違う。
話したことがなかったから少し気まずい空気が流れた。
なまえ「あ、不動くん…
ちゃんと挨拶できてなかったから改めてさせてね。マネージャーのなまえです。
あんまりお話できたことなかったから、ちゃんと自己紹介だけでもしてお………?!」
私が最後まで言おうとすると、彼は突然私にキスをした。
幸いトイレから宴会場まで少し距離があり、誰も見ていなかった。
不 動「…ククッ、顔真っ赤じゃねぇか。
まぁそういうコトの経験、あんまりなさそうだもんなァ?」
なまえ「…!///」
不動「よろしくな、なまえちゃーん?」
ニヤッとした顔でそう言われ、流石に顔が熱くなりその場から逃げるようにトイレに行った。
自己紹介しようとしただけなのに、キス。
彼が何を考えているかわからない、でも、
なまえ「なんでこんなにドキドキしているの…?」
今まで異性を好きになったことなんてなかった。
漫画で見ていたような、優しい優しい王子様に憧れて恋をするのかな、とかも考えていた。
なのにまさか、自分がマネージャーをしているチームの選手で、無愛想で殆ど喋らないような男の子にドキドキさせられるとは思っていなかった。
これが私の、初恋。(兼奪われたファーストキス)
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