Nice week!
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「はぁ……」
お昼休みの裏庭。
中庭に比べて人気のないこの場所は一人で居たいときにぴったりだ。
体育座りをした脚の間に顔を埋めて、本日通算36回目のため息をついた。
「穂花ちゃん見つけました」
「……なっちゃん」
ゆっくり顔を上げると大好きななっちゃんが目線を合わせるようにしてしゃがんでいた。
「頑張り屋さんな穂花ちゃん、僕にも辛い理由を話してくれませんか?」
なっちゃんの大きな手が優しく頭を撫でる。
撫で方があんまりにも優しくてさっきまで我慢してた涙が溢れてくる。
「あのね……、昨日からお腹痛くて。さっきの体育で走るの辛くて……」
「うん」
「先生に保健室行きたいって言ったら、「これだから女は」って言われて……」
体育科の先生はアイドルとか作曲家とかじゃない普通の教師。
先月から女の先生が産休に入ったから、代わりにきたのは中年のおじさん。
自分は間違ってないと思ってるし何でもかんでも根性でどうにかしようとする考えで、特に女子には当たりがキツいって嫌われてる。
昨日から生理で2日目、3日目はかなり生理痛が重い。
2日目の今日は朝から
「言うの嫌だったけど、お腹痛いからって言ったのに「何で腹が痛いんだ」ってニヤニヤ聞いてくるし……、諦めて走ったら痛いの強くなるし……」
鼻をぐずぐずしながら打ち明ける。
なっちゃんはずっと相づちを打って聞いてくれた。
「辛いのによく頑張りました。穂花ちゃんはとっても頑張り屋さんでいい子です。でも無理は駄目ですよぉ」
なっちゃんは着ていたブレザーをブランケット代わりに掛けてくれて、持っていたお弁当箱を掲げた。
「穂花ちゃんお昼ご飯食べずに出て来ちゃったでしょう?お弁当持ってました」
「なっちゃんありがとう」
「大好きな穂花ちゃんの事ですから。早く元気になってくださいね」
「うん!」
お弁当を食べてちょっと休憩。
午後は業者が入るから授業は無しになった。月宮先生が伝えるのを忘れていてお昼休みに慌てて来たらしい。
「なっちゃん、この後デートしてくれる?」
「でも穂花ちゃんお腹痛くないですか?」
隣に座ってるなっちゃんにくっつくようにして寄りかかる。
なっちゃんのいい匂いに混じれてひそかに紅茶の香りがした。
「お部屋でなっちゃんが淹れた温かくて美味しい紅茶飲むデートとかどうかな?」
「ふふ、素敵です。昨日新しく紅茶を買ったので僕のお部屋に来てくれますか?」
「もちろん」
なっちゃんに前髪を分けられおでこにキスをされた。
お腹も痛くて嫌なこともあって、憂鬱な月曜日だったけどなっちゃんと一緒ならこんな日も悪くないなぁ、なんて思いながら目を閉じた。
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