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「穂花」
「あれトキヤ」
「見つけましたよ」
放課後、音也くんに誘われて参加したかくれんぼ。
メンバーは音也くん、なっちゃん、聖川くん。春ちゃん、友ちゃん、翔ちゃん、そして私。
神宮寺くんはデートで不参加、トキヤにはとりあえず断られたらしい。
隠れる場所は学園内とグラウンド。この敷地内ならどこでも良いって言うけど、かなり広いと思うんだよね。
鬼はじゃんけんで負けた翔ちゃんと音也くん。
「トキヤ不参加じゃなかったの?」
「音也から穂花だけが見つからないと連絡がありまして。急用も無かったので探しに来ました」
「あちゃ、それはごめん」
図書館3階の奥、貸し出し禁止の本が並ぶ中、紛れるようにしてひっそりと存在する小さな扉。
そこを開けるとさっきの扉より一回り大きな扉があって、その先には広い防音室になっていた。
部屋に置いてある家具はアンティーク。
楽器もピアノの他に弦楽器、管楽器が揃っていて楽器屋さんのよう。
以前、音楽史について調べていたときにたまたま見つけてしまった扉。日向先生に報告すると学園長直々に使用許可を貰った。
ちょっとズルいかなって思ったけど、周りに迷惑をかけずに隠れられる場所なんて限られているから目を瞑って欲しい。
「それにしてもよくここだって分かったね?」
「前に一度貴方が図書館から帰ってくるなり「秘密基地見つけた」と言っていましたから」
「探偵みたい……」
扉の前に居たトキヤがピアノの前に座る私の方へ向かってくる。
私の横でピタリと止まってこちらを見てくる。
「と、トキヤ?」
「探偵ですか……。それも良いかもしれませんね」
「うん?」
顔を近付けてきたと思ったら耳元に口を寄せられて─────
「あなたこと沢山
にこりと笑ってキスを落とされた。
「こら、そっぽを向かない」
「む、無理……。恥ずかしい……」
「なかなか慣れませんね」
ちゅっちゅっとキスされて顔は真っ赤。
目の前にいる人は楽しい事を見つけた子供のように珍しく楽しそうだ。
「ほらこっちを向いて」
このあと翔ちゃんから連絡くるまで続いた。
……地元にいるお母さん。
私はとんでもない人と付き合ってしまったようです……。
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