紅茶と角砂糖と、それから
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「本日は節分です」
「……?そうだな」
「なのでロールケーキを買ってきました」
「そこは恵方巻きだろう」
「特大ロールケーキ~季節のフルーツ盛り合わせ~です」
「大きすぎる気がするのだが、さすがの俺でも食べきれぬぞ?」
長机を3つ並べた上に置かれた長いロールケーキ。ピンク、茶色、黄緑、クリーム色……等間隔で色が変わっている。
この長さのロールケーキをここまでどうやって運んできたのか、そもそも色が変わっているところに切れ目が入っている様子もない。
椅子に座っているカミュと机を挟んで正面に仁王立ちしている穂花。
「ちなみに飽きると思ったので30センチごとに味変してあります」
「……話を聞け」
「オプションで豆まきもついてきます、はいどうぞ」
「……チョコボール」
「鬼はくじ引きの結果私になりました」
「俺は引いた覚えがない」
「あみだくじです、つまり二択。お面つけるから待ってて」
「……好きにしてくれ」
背を向けて待っていると「もういいよ」と声がかかる。全てが微妙に噛み合わない空間で何が起こるのか、半分諦めつつもカミュは振り返った。
「なまはげ……」
ハッと目が覚めた。
辺りを見渡すように視線を向けると、隣では顔のいい男が私を抱き締めるようにして眠っているだけ。
夢か……と変にリアルだった夢に苦笑した。
節分は昨日、正夢かもしれないと無駄に怖がる必要もない。
枕元に手を伸ばしスマホの時計をみると普段の起床までまだ二時間近く早い。
穂花はもう一度眠りにつくことを決めた。