ネットでの搾取
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ちかちゃんはレトさんちのソファで「すやぁ」と本当に聞こえてきそうな程気持ち良さそうに眠りこけている。
昨日は課題をやっていて遅かったと言っていたし、今日は朝から大学があってそのまま夜はレトさんちに来たわけだから、当然ではある。
「レトさん、タオルケットとかある?」
「ちかちゃんだけには優しいねえ」
「俺は誰にでも優しいっつーの」
レトさんに渡されたタオルケットを軽くちかちゃんにかけてあげると、ますます丸くなって猫みたいだ。レトさんは机の上の出前で食った弁当ガラを片付けながら、「キヨくんさあ」と声をかけた。
「ん?」
「ちかちゃんに何かした?」
「何かって何?」
「いや、こう〜……は、はぐ?的な」
言い慣れない言葉を言うレトさんに、暫く本気で入ってこなくて「ん?」と言うけれど、脳内で噛み砕いて分かる。「はぐ」って「ハグ」か。
そこまで理解して、レトさんの顔をぎょっと見る。
「……あぁ、やっぱキヨくんなんだ」
「え、あ…………え?」
「本人から聞いたんだよ」
次はちかちゃんの方を見る。相当疲れているのか、全く起きる気配がない。
確かに、俺はあの飲み会の後、ちかちゃんのことを抱きしめました。……なんか色々ありすぎて忘れていたけれど。
「付き合ってない人を抱きしめるのってどういう意味かな?」
「……」
「キヨくん、わたしのこと好きなのかなぁ?」
「え」
「嘘」
「ぶん殴るぞ」
俺は呆れて笑う。「1つ目はほんとに言ってたよ」と付け足してきたあたり、俺の名前は出さないでレトさんに相談したのはホントなんだろう。
「……ちかちゃんさ、元彼と付き合ってる時も深夜に俺の電話とったりしてたんだよ。そんでお前のこと相談してくるわけよ」
「……あぁ……そうなんだ」
「……ぶっちゃけお互い好きやろ」
急に関西弁で言ってくるのが、大事なところでふざけるレトさんらしい。
彼氏と別れた理由は、自分が顔出しをしたら彼に迷惑がかかる可能性があるからだと聞いた。けれど、本当にそれだけだったのか?
満更でもなくそう思えてきてしまったので、自惚れんなと自分の心を叱りつけた。
「ちかちゃんはねえ、男からそういうキモイ下心向けられんの嫌なのよ」
「……それを酒の勢いでぶつけたから後悔してんのか」
そうです。腑に落ちたレトさんは、「そういうもんかねぇ」と言いながら弁当がらを入れたゴミ袋を縛った。
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ちかちゃんはレトさんちのソファで「すやぁ」と本当に聞こえてきそうな程気持ち良さそうに眠りこけている。
昨日は課題をやっていて遅かったと言っていたし、今日は朝から大学があってそのまま夜はレトさんちに来たわけだから、当然ではある。
「レトさん、タオルケットとかある?」
「ちかちゃんだけには優しいねえ」
「俺は誰にでも優しいっつーの」
レトさんに渡されたタオルケットを軽くちかちゃんにかけてあげると、ますます丸くなって猫みたいだ。レトさんは机の上の出前で食った弁当ガラを片付けながら、「キヨくんさあ」と声をかけた。
「ん?」
「ちかちゃんに何かした?」
「何かって何?」
「いや、こう〜……は、はぐ?的な」
言い慣れない言葉を言うレトさんに、暫く本気で入ってこなくて「ん?」と言うけれど、脳内で噛み砕いて分かる。「はぐ」って「ハグ」か。
そこまで理解して、レトさんの顔をぎょっと見る。
「……あぁ、やっぱキヨくんなんだ」
「え、あ…………え?」
「本人から聞いたんだよ」
次はちかちゃんの方を見る。相当疲れているのか、全く起きる気配がない。
確かに、俺はあの飲み会の後、ちかちゃんのことを抱きしめました。……なんか色々ありすぎて忘れていたけれど。
「付き合ってない人を抱きしめるのってどういう意味かな?」
「……」
「キヨくん、わたしのこと好きなのかなぁ?」
「え」
「嘘」
「ぶん殴るぞ」
俺は呆れて笑う。「1つ目はほんとに言ってたよ」と付け足してきたあたり、俺の名前は出さないでレトさんに相談したのはホントなんだろう。
「……ちかちゃんさ、元彼と付き合ってる時も深夜に俺の電話とったりしてたんだよ。そんでお前のこと相談してくるわけよ」
「……あぁ……そうなんだ」
「……ぶっちゃけお互い好きやろ」
急に関西弁で言ってくるのが、大事なところでふざけるレトさんらしい。
彼氏と別れた理由は、自分が顔出しをしたら彼に迷惑がかかる可能性があるからだと聞いた。けれど、本当にそれだけだったのか?
満更でもなくそう思えてきてしまったので、自惚れんなと自分の心を叱りつけた。
「ちかちゃんはねえ、男からそういうキモイ下心向けられんの嫌なのよ」
「……それを酒の勢いでぶつけたから後悔してんのか」
そうです。腑に落ちたレトさんは、「そういうもんかねぇ」と言いながら弁当がらを入れたゴミ袋を縛った。
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