ネットでの搾取
name
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
.
「よぉ!アイドル実況者!」
「……帰る」
玄関を開けた瞬間に告げるレトさん。わたしが本当に玄関から出ていこうとすると、「ごめんごめん!」と勢いよく謝った。
わたしの隣でキヨくんが笑いを噛み殺している。笑ってんじゃない。
「顔出しコンビ、どうする?実写撮ってあげようか?」
「実況!!!!撮ります!!!!!」
「あぁ〜うるせ〜」
しつこく弄ってくるレトさんに大きな声で言うと、いそいそと奥に入っていくのでわたしもついて行く。今日は3人で撮ることになったのでキヨくんとお邪魔した。
わたしよりも何度も来ているキヨくんは、自分の家のように冷蔵庫をあけ、中にある綾鷹を持ってきた。
「キヨくんちなの……?」
「まあ俺ん家みたいなもんだよ」
「ふざけんな」
わたしがWiiの配線を繋いでいると、「あら、いいもん持ってんじゃんアイドル実況者」とわたしのカバンを見てまたレトさんが言った。
キヨくんがあの日くれたものだ。ちらっと彼を見ると、キヨくんは素知らぬ顔で携帯を見ている。
「貰ったの」
「ふぅん」
先程からしつこく「アイドル実況者」とレトさんが言っているのは、わたしが顔出しをしたら急にチャンネル登録者数が5倍になったからだった。
「イメージと違った」と言う声は結構あったけれど、視聴者の皆さんの反応はわたしが思っていたような厳しいものではなかった。
「ちかちゃん可愛い キヨもちかも顔だして正解だった この顔だと知った上で過去動画漁りたい」
「読み上げないで!!」
「あははは!」
レトさんがわたしの動画についているコメントを読み上げてくるから、その場にいたヨッシーのぬいぐるみをぶん投げる。キヨくんはといえば他人事のように爆笑している。
まあ、比較的そういう意見の方が多かった一方で、皮肉の意味の籠った「アイドル実況者」とも言われているのも事実だ。
「あれ、ピアス開けてんじゃんアイド……」
「それ以上言ったらホントに帰るよ」
「ごめん」
「ピアスは……元彼と、おそろいの、うん」
わたしが口ごもると、キヨくんとレトさんは顔を見合わせる。レトさんは楽しそうに「引きずってんじゃねーよーお前から振ったんだろ〜」と一言。
「別に引きずってるわけじゃないよ。忘れないようにつけてるの」
大学で、清田くんとはあれから二人で話していないけれど、わたしが実況者であるとバレそうになる度に、それとなく話題を逸らしてくれているのを何度となく聞いていた。
.
「よぉ!アイドル実況者!」
「……帰る」
玄関を開けた瞬間に告げるレトさん。わたしが本当に玄関から出ていこうとすると、「ごめんごめん!」と勢いよく謝った。
わたしの隣でキヨくんが笑いを噛み殺している。笑ってんじゃない。
「顔出しコンビ、どうする?実写撮ってあげようか?」
「実況!!!!撮ります!!!!!」
「あぁ〜うるせ〜」
しつこく弄ってくるレトさんに大きな声で言うと、いそいそと奥に入っていくのでわたしもついて行く。今日は3人で撮ることになったのでキヨくんとお邪魔した。
わたしよりも何度も来ているキヨくんは、自分の家のように冷蔵庫をあけ、中にある綾鷹を持ってきた。
「キヨくんちなの……?」
「まあ俺ん家みたいなもんだよ」
「ふざけんな」
わたしがWiiの配線を繋いでいると、「あら、いいもん持ってんじゃんアイドル実況者」とわたしのカバンを見てまたレトさんが言った。
キヨくんがあの日くれたものだ。ちらっと彼を見ると、キヨくんは素知らぬ顔で携帯を見ている。
「貰ったの」
「ふぅん」
先程からしつこく「アイドル実況者」とレトさんが言っているのは、わたしが顔出しをしたら急にチャンネル登録者数が5倍になったからだった。
「イメージと違った」と言う声は結構あったけれど、視聴者の皆さんの反応はわたしが思っていたような厳しいものではなかった。
「ちかちゃん可愛い キヨもちかも顔だして正解だった この顔だと知った上で過去動画漁りたい」
「読み上げないで!!」
「あははは!」
レトさんがわたしの動画についているコメントを読み上げてくるから、その場にいたヨッシーのぬいぐるみをぶん投げる。キヨくんはといえば他人事のように爆笑している。
まあ、比較的そういう意見の方が多かった一方で、皮肉の意味の籠った「アイドル実況者」とも言われているのも事実だ。
「あれ、ピアス開けてんじゃんアイド……」
「それ以上言ったらホントに帰るよ」
「ごめん」
「ピアスは……元彼と、おそろいの、うん」
わたしが口ごもると、キヨくんとレトさんは顔を見合わせる。レトさんは楽しそうに「引きずってんじゃねーよーお前から振ったんだろ〜」と一言。
「別に引きずってるわけじゃないよ。忘れないようにつけてるの」
大学で、清田くんとはあれから二人で話していないけれど、わたしが実況者であるとバレそうになる度に、それとなく話題を逸らしてくれているのを何度となく聞いていた。
.