顔バレしました
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「え」
大学で講義を受け終わり携帯を開くと、TwitterやらLINEやら何やらから沢山の通知が届いていてぎょっとする。
なんだか怖かったので、沢山感想を送ってくれる昔からのファンの子のDMを最初に開いてみた。
『キヨの写真が流出して顔バレで騒がれてます。一応お知らせしておくね』
顔バレ。
添付された画像を押すと、少し前の感じだけど、確かにそれはキヨくんの写真で、マスクをつけていない。
「これ、どこから出たのかわかりますか?」と尋ねると、「キヨの身内の実況者が、女に送ったんじゃないかって騒がれてます」とすぐに返信が来た。
自分の事じゃないのにドキドキして、今すぐキヨくんに会いに行きたくなる。大丈夫だろうか。ショックを受けていないだろうか。
ファンの子に「教えてくれてありがとう」と返すと、「いえ!ファンの子、キヨのこと心配してるので、よろしく伝えてください」と返事が来た。
「ちかちゃん、この後どうする?……顔色悪いけど大丈夫?」
「……わたし、ちょっと今日、帰る」
「……え、あ、分かった」
声をかけに来た清田くんに言うと、わたしは早足で大学を出た。
久々に真っ直ぐ家に帰ると、お兄ちゃんが「おかえり」と迎えてくれた。神妙な面持ちなので、お兄ちゃんも知っているのだろう。
「お兄ちゃん、あの、キヨくんは」
「あぁ、さっき連絡したんだけど、明日どうするか話そうって言ってさ」
「そっか……」と言いながらリビングで座る。
お兄ちゃんは「あいつ、ずっと『本物だしなぁ』とか言ってたから認めるような気がする。あっさり」と苦笑いした。
認めるって言ったって、さっきわたしの元に届いたリプライだけでも結構酷いものもあったくらいだ。キヨくんの元にはもっと酷いものも届いていると確信を持っていえた。ネットってそういうものだ。
「……キヨくん、ショック受けてなかった?」
「まあ多少はショックそうだったよ」
「……」
わたしが、キヨ君のために何かできることはないだろうか。わたしでもできる、何か彼の力になれることはないだろうか。
いつもわたしの行く先を照らしていてくれるキヨくんを、たまにはわたしが救ってあげられないだろうか。
『頼むぜ、最終兵器』なんて言われて、わたしに出来ることって何も無いのか?
「…………………………お兄ちゃん」
「え?」
「…………ちょっと協力して欲しい」
「なに」
わたしの真剣な顔に、お兄ちゃんも真剣な顔をして頷いてくれた。
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「え」
大学で講義を受け終わり携帯を開くと、TwitterやらLINEやら何やらから沢山の通知が届いていてぎょっとする。
なんだか怖かったので、沢山感想を送ってくれる昔からのファンの子のDMを最初に開いてみた。
『キヨの写真が流出して顔バレで騒がれてます。一応お知らせしておくね』
顔バレ。
添付された画像を押すと、少し前の感じだけど、確かにそれはキヨくんの写真で、マスクをつけていない。
「これ、どこから出たのかわかりますか?」と尋ねると、「キヨの身内の実況者が、女に送ったんじゃないかって騒がれてます」とすぐに返信が来た。
自分の事じゃないのにドキドキして、今すぐキヨくんに会いに行きたくなる。大丈夫だろうか。ショックを受けていないだろうか。
ファンの子に「教えてくれてありがとう」と返すと、「いえ!ファンの子、キヨのこと心配してるので、よろしく伝えてください」と返事が来た。
「ちかちゃん、この後どうする?……顔色悪いけど大丈夫?」
「……わたし、ちょっと今日、帰る」
「……え、あ、分かった」
声をかけに来た清田くんに言うと、わたしは早足で大学を出た。
久々に真っ直ぐ家に帰ると、お兄ちゃんが「おかえり」と迎えてくれた。神妙な面持ちなので、お兄ちゃんも知っているのだろう。
「お兄ちゃん、あの、キヨくんは」
「あぁ、さっき連絡したんだけど、明日どうするか話そうって言ってさ」
「そっか……」と言いながらリビングで座る。
お兄ちゃんは「あいつ、ずっと『本物だしなぁ』とか言ってたから認めるような気がする。あっさり」と苦笑いした。
認めるって言ったって、さっきわたしの元に届いたリプライだけでも結構酷いものもあったくらいだ。キヨくんの元にはもっと酷いものも届いていると確信を持っていえた。ネットってそういうものだ。
「……キヨくん、ショック受けてなかった?」
「まあ多少はショックそうだったよ」
「……」
わたしが、キヨ君のために何かできることはないだろうか。わたしでもできる、何か彼の力になれることはないだろうか。
いつもわたしの行く先を照らしていてくれるキヨくんを、たまにはわたしが救ってあげられないだろうか。
『頼むぜ、最終兵器』なんて言われて、わたしに出来ることって何も無いのか?
「…………………………お兄ちゃん」
「え?」
「…………ちょっと協力して欲しい」
「なに」
わたしの真剣な顔に、お兄ちゃんも真剣な顔をして頷いてくれた。
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